今回お送りする「台鐵村」は台湾西部、彰化県彰化市内にある鉄道員宿舎の通称です。

彰化は日本統治時代より、台中・大甲両方向からの鉄道が合流する交通の要所として栄え、彰化駅横には大型の機関区が設置されました。この機関区は所謂「扇形庫」で、日本でも会津若松や豊後森等で見ることができます。

彰化扇形庫は現役の車庫として使用されており、通常一般開放されていますが、同車庫に関する詳細な記述はまた別の機会に行わせていただきます。

「台鐵村」は彰化扇形庫から道路を挟んですぐ北側にあり、彰化駅から歩いて10分ほどの場所に位置しています。地内には日本統治時代に建設された木造家屋が数十棟残されていますが、いずれも状態は良好とはいえず、中には雑草に埋もれた物件もあります。

近年、「台鐵村」周辺を区画整理する計画が行われ、これに伴い半数以上の木造家屋が解体されることになりました。「彰化の都市遺産が消える」として、市民の中からこの決定に反発する声が上がり、「台鐵村」解体阻止の運動が広がっていきました。

日治時期木造房屋留下的彰化舊台鐵宿舎
▲彰化市の「台鐵村」
先ほど家屋解体数を「半数以上」としましたが、これはすべての家屋が解体されるわけでなく、一部が保存されるためです。それでも市民の反発は激しく、全棟保存を求める声が挙がっていました。

事の成り行きに関しては、市民グループがフェイスブックにページを設けていますので、ぜひご参照ください。
https://www.facebook.com/chabghuarailwayquarters

2015年1月、私は「台鐵村」の現状を確認するため彰化を訪れました。扇形車庫を見学後、そのまま近隣にある「台鐵村」へと移動します。

進入彰化台鐵村
「台鐵村」は一部箇所にバリケードが設置され、入れないようになっています。ただし一か所だけ立ち入り可能になっており、そこから木造家屋の現状を確認することができました。ここには木造家屋だけでなく、鉄筋家屋や鉄道員の生活に欠かせない諸施設-クリーニング店、区長(段長)宿舎等―があります。

DSC06075.jpg
▲荒廃が進んでいた「台鐵村」

DSC06076.jpg
▲バリケードと木造家屋と樹木と

IMGP4866.jpg
▲「台鐵村」全棟保存を訴えるポスター

IMGP4870.jpg
立ち入り可能な場所を一通り調査した後は、道をふさぐバリケードに描かれた「テープアート」に目を通しました。宿舎の姿や「さようなら宿舎」と描かれたものがあり、「台鐵村」保存運動がいかに盛大に行われたか、現地を訪れてじかに感じることができました。

IMGP4869.jpg
▲「台鐵村」木造宿舎を描いたテープアート

撮影日:2015年1月16日
関連記事




にほんブログ村 鉄道ブログ 鉄道旅行へ にほんブログ村 海外生活ブログ 台湾情報へ にほんブログ村 地域生活(街) その他ブログ ゆるキャラへ

「ご当地」の魅力をより多くの方にお伝えするため、ブログランキングに参加中です。

バナークリックの方もよろしくお願いいたします。



上のリンクからチャンネル登録できます。台湾旅行に興味のある方、レイルファン・ご当地キャラファンの方、どうぞ気軽にお立ち寄りください。




スポンサードリンク
  コメント
No title
ペイントだと思ったら、テープアートなんですね。
(意外にも西暦ですが・・・)
テープアートというものは、初めて見たと思います。

これから開発が本格化する国や地域だと、古いものをどんどん壊す印象がありますが、こちらは保存運動も結構盛んな様子ですね。
レラティー #rcEo15nI [ 編集 ]    2015年04月06日(月) 18:05
レラティーさん
戦後、中華民国政権(中国人)が意図的に日本統治時代の碑文や記録等を消そうとしてきたので、その反動で同時代の建築物保存が盛んにおこなわれているのかもしれません。もちろん、親日感情によるものもあると思いますが・・・
wra #9MBBB9Tg [ 編集 ]    2015年04月06日(月) 21:14
早めに取りかからないと…
こんばんは。難しいですね。
民進党政権ではこういうのが大丈夫ですが、
国民党はモロ中華民国時代を受け継いだ政党なので、
また運動を弾圧してしまうかもって考えてしまいます。

イスラームもそうですが、
古い遺跡に価値があってかつ、
当時の歴史を感じることが出来るもの。
大切にしてもらいたいって、早く感じてほしいなあって思いました。
うるふ #N.CarXIg [ 編集 ]    2015年04月06日(月) 23:49
うるふさん
歴史というのはどんなに捻じ曲げても、結局何百年もたてば考古学やら史料批判やらで事実が証明されうるので、つまるところ正しく叙述せざるを得ないものです。それでも歴史の原理というのを全く分かっていないのが、馬英九や習近平らをはじめとする中国人です。

そういえば、台中市長が国民党の胡志強氏(中国人)から民進党の林佳龍氏に変わりましたが、その途端、倒されたままだった初代台中神社鳥居の修復・建て直しの計画が持ち上がりました。先日の台湾統一選挙で、グリーン陣営と中国国民党の政策・対日史観の違いを改めて感じさせられました。
wra #9MBBB9Tg [ 編集 ]    2015年04月07日(火) 20:06
コメントを投稿する
URL(任意):
コメント:
Pass(削除用):