
▲華南ホテル前のロータリー―早朝の静けさ
虎尾は日本統治時代より製糖の街として栄え、今でも市街地中心部に大規模な製糖工場(台糖虎尾総合工場)があります。郊外に目を向けるとサトウキビ畑があたり一面に広がっており、収穫のシーズンになると貨車を連ねた運搬列車が貧弱そうな線路を行ったり来たりします。
このサトウキビ運搬列車は台湾各地で運行されていましたが、サトウキビ運搬手段のトラック化により次々に廃止され、本来の目的(サトウキビ運搬)で運行されているのはここ虎尾だけとなりました。そのため、レイルファンの間でもよく知られている街です。
虎尾は日本統治時代に飛躍的な発展を遂げ、多くの日本人がここに駐在しました。現在でも日本統治時代の建築物が至る所に残されており、民家として使用されているものもあれば、博物館に転用されたものもあるなど、実に様々な方法で活用されています。
それでは、虎尾市街地中心部に建つ古い建築物を中心に見ていきましょう。

現在の虎尾は、虎尾バス停(台西バス)を中心に栄えているといえます。今回お届けする物件もこのエリアに集中しており、そこまで歩かなくても充実した史跡探訪をすることができます。

▲旧虎尾合同庁舎
黒ずんだコンクリートの外壁に古さを感じます。現在では建物内に誠品書店とスターバックスが入っています。

日が昇った後、改めて旧虎尾合同庁舎を写してみました。

▲旧虎尾郡役所
現在では「雲林布袋戯館」として活用されています。

旧虎尾郡役所前には「招き猫」ならぬ「招き虎」が置かれていました。しかし・・・

台座に刻まれた説明には「日拠」とありました。詳細は差し控えます。

多数派はもちろん「日治」表記です。

旧虎尾郡役所の裏側には公務員宿舎が密集しています。表通りから見える建物もありますが、路地に入った場所にも沢山現存しています。そのうち2棟がそれぞれ、和食料理店と資料館「雲林故事館」に転用されているので、時間がある方はぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか?

▲「雲林故事館」説明板

雲林故事館となっている木造家屋は元々、虎尾郡守の宿舎として用いられていたものです。

▲旧虎尾郡守宿舎(雲林故事館)の離れ部分

▲虎尾の公務員宿舎

▲虎尾市街地の木造家屋(平屋建て)

▲虎尾市街地の木造家屋(二階建て)

木造家屋は市街地の至る所にあります。路地を歩けば次から次へと見つかるその姿は、虎尾の発展に日本人が深く関わったことを伝えてくれているかのようです。
他にも、先述の台糖虎尾総合工場付近に工場作業員向けの宿舎が10数棟ほど残存しています。これらを扱うと分量が多くなりますので、また別の機会に記させていただきます。

虎尾は鉄道だけで訪れることのできない、我々日本人にとって若干不便な場所ではありますが、訪れる価値は絶対にあると思います。サトウキビ収穫シーズンの12月~2月の訪問をお勧めします。
撮影日:2015年1月17日
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