「2013年春・自称「台湾通」がツアーに参加してみた(1・2日目編)」の続きをお届けします。
台湾ツアー3日目は束縛のない自由行動、この時が来るのをずっと待っていました。

私たちゼミ旅行一行はたしか、計8人で参加していたと記憶しています。3日目は二手に分かれて自由行動を過ごすことにしました。私が参加しない方はタクシーを使って台北市内へ、私は友人2人を連れて台北から離れ、高鉄を利用して台中を訪れることになりました。台中訪問と高鉄乗車は友人からのリクエストによるものです。

この自由行動ではできる限り、友人のリクエストにこたえるようにしました。「一般的な台湾旅行」では基本的にかかわることのない物件を多く廻ったので、満足してくれたかどうか不安ですが、予定していた行程通りに行ったので良しとしておきましょう。以下、3日目の動向です。

3日目「自由にゆく先・台中」

(分かる方にはわかるかもしれませんが、小見出しは「水戸黄門」のオマージュです)

台北から台中まで行きは高鉄、帰りは台鉄を利用するつもりなので、早起きといきましょう。おそらく6時頃の起床だったはずです。ホテルを出て台北駅に直行、としたいところですが、その前に朝の腹ごしらえを済ませておこうということで、2日目朝にも立ち寄った「阜坑豆漿」に向かいました。

ここで鹹豆漿(豆乳に酢を加えておぼろ豆腐状にしたもの)と油条(揚げパンの一種)を注文し、店内で朝食にしました。普段、豆乳の朝食なんてしませんから、ぜったいに友人は喜ぶに違いないと思い、立ち寄ったのが正解でした。友人は2人とも大喜びで、旅行中一番うまかったものの一つとして「阜坑豆漿」の朝食を挙げていた程です。

朝食に満足した私たち3人は台北駅に向かい、高鉄台中駅までの切符を購入し、駅の売店でお茶を買ってからホームに下りました。ここから700T型の旅が始まります。さすがは新幹線なだけあって、とても乗り心地が良いです。走行音はまんま700系ですし、アコモデーションも良い。

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地下区間を出て地上に上がると、徐々に速度を増していき、友人は窓の外の景色に釘づけになりました。山と平野が入り混じる景色は九州に似ており、以前乗車した九州新幹線とどこか似通っていると思います。ただし大河の数は台湾の方が非常に多く、筑後川に匹敵する幅の川を幾度も渡りました。現在の高鉄は駅間距離が非常に長く、新竹(六家)~台中(新烏日)駅間には非常に長い距離にもかかわらず、駅は一つも設置されておらず、高鉄もまだまだ整備段階にあると実感しました。

台北を出て1時間たったでしょうか、台中市南郊にある台中(新烏日)駅に到着しました。高鉄と台鉄はそれぞれ全く別の会社・組織ということもあり、両者が接続している場合であっても、台北・板橋を除いて駅名が統一されていません。このことを友人に説明すると、たいそう驚いていました。しかし駅名の不統一なんてまだ序の口、これから友人2人にはもっと驚き、感動してもらいましょう。

ここまでくれば目的地の台中まであと少しです。台鉄電車に乗り換えて、2駅先の台中駅を目指しましょう。じつは、高鉄台中/新烏日駅コンコースには「段ボール箱のお城」がありまして、電車に乗る前に少し見学してみました。段ボールが積んであるだけでなく、他にも廃車になった客車のクロスシートや部品など、レイルファン大喜びの物件も多数取り揃えてあります。

切符を買いなおして台鉄ホームに移り、電車が来るまでしばしホームで日向ぼっこです。3月とはいえさすがは亜熱帯、陽が昇れば昇るほど暑くなってきました。福岡でこれほどまで暑くなるのは5月に入ってからです。気温の高さはある程度予想していましたが、とりあえず長袖ではなく七分袖を着ておいてよかった。

電車に揺られて約5分、台中市の玄関内・台中駅に到着しました。日本統治時代に建造された、屋根の深いホーム上屋が印象的です。駅舎・構内はまた後ほど散策することにしましょう。

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今回は台中駅前から歩いて散策できる範囲を巡ってみました。日本統治時代の市中心部は駅前に展開していたので、短時間で史跡を多く廻ることができます。まずはじめに、日本統治時代に繁華街として栄えた「栄町通り」を歩いてみました。現在でも「継光街」という名称で、商店街として整備されているということを知り、前から訪れたいと思っていたのです。

「栄町通り」は駅から歩いて3分ほどと近い場所にあり、歩き始めてからすぐに到着しました。デパートやショッピングモールが増えてきたからでしょうか、残念ながら若干寂れていますが、辛うじて木造建築が残っているので、日本統治時代の面影を感じることができます。

続いて休憩をはさむことなく、我々は旧台中市役所・台中州庁を目指して歩き続けました。途中、何度もジューススタンドや軽食店を通り過ぎましたが、市内では何も買って食べていません。休憩を兼ねて立ち寄ればよかったですが、私もまだ2回しか台湾を経験していなかったので、そうする勇気がありませんでした。友人には申し訳ないことをしてしまいました・・・

そういうわけで、スイーツ店に生まれ変わった「宮原眼科」もスナップするだけでスルーし、旧台中市役所・台中州庁前に到着しました。ここで10分休憩した後は、路地や緑川沿いを散策しながら台中駅に戻ります。やはり途中で食事処を何度も目にしましたが、結局昼食は市内でとらず、「列車内で駅弁を食べよう」ということになりました。

駅に戻る前にもう一か所、立ち寄っておきましょう。初代台中神社があった台中公園に足を運んでおきます。こちらは鳥居が引き倒された状態で展示されていることで有名な場所です。台中駅からしばらく歩くと、生臭いにおいが強くなってきました。どうやら市場に入り込んでしまったようで、さらに進むと「建国市場」の入口が見えてきました。生臭さの正体は市場に並べられた豚肉や生魚のようで、非常に多くの人々で賑わっていました。建国市場を過ぎ、さらに5分ほど歩くと台中公園に到着。

今回、ここ台中公園を見たいがために台中を訪れたといっても過言ではありません。同行した友人も以前からから、台中もしくは鹿港(彰化県)訪問を希望していたので、利害が一致したというわけです。

公園に入り、まず大きな池に目が行きました。こちらには、日本統治時代初期を代表する建築物「湖心亭」が今も存在しています。ときは領台から13年後の1908(明治41)年、台湾縦貫鉄道開通式典の際、主賓の閑院宮載仁親王殿下がここでご休憩されました。建物内には自由に出入りできるので、遠慮なく立ち入らせてもらいました。建物の出自に関する説明碑文には、日本語も記されています。

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公園を一通り歩き回るも、まだ鳥居を見ていなかったので友人を休憩させ、台中駅に戻る前に鳥居・初代神社境内のある場所に足を運んでおきたいと思います。地図をもとに進むと、やがて地面に横たわっている鳥居が見えてきました。

鳥居から数十メートル離れた場所には、石灯篭の一部が整然と並べられており、その奥には太鼓橋と神馬像の姿も見えました。友人を待たせるわけにもいかないので、少し急ぎながら撮影を済ませ、友人が待つ場所へと戻りました。のどが渇いてきましたし、早く駅に戻って飲み物でも買いましょう。

往路は「台湾新幹線」こと高鉄で台北から台中までひとっ飛びと行きましたが、帰りは台鉄でのんびり車窓風景を眺めながら帰ることにしました。乗車予定の莒光号512次が到着するまで1時間ほどあったので、台中駅を散策して時間を潰すことにしました。まずは売店で駅弁を買い求め、ここで「台鉄弁当」よりも少し高めの「八角弁当」と飲み物を購入しました。

日本統治時代に建築された台中駅舎は、台中市を代表する歴史建造物として有名です。駅本屋ばかり注目を集めがちですが、裏口にも由緒ある駅舎が残されているので、併せて見ておきましょう。裏口には台湾糖業鉄道の駅舎として使われ、同鉄道廃止後は台鉄線に転用された駅舎があります。モダンな表口に比べると地味ですが、歴史の生き証人として見ておく価値はあります。すぐ近くには台中駅構内を眺められる公園があったので、そこから高架化の様子を観察することができました。

駅周辺で時間を潰しているともう列車到着20分前、ということで改札を抜けて、ホームに移動しましょう。台鉄ではEMU800形が投入される頃まで、ホームかさ上げが進んでいなかったこともあり、わが地元でいうところの、JR東郷駅ホーム先端部なみに低いホームが至る所に残っていました。韓国のKorailのような「大陸仕様」ではないので、地べたに手が届くほど低いというわけではありませんが。

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待つこと20分、ついに莒光号512次が到着しました。前回の訪問では客車列車に乗車できなかったので、乗車を非常に楽しみにしていました。しかも手動ドアの編成ということで、扉を自分で開くことができます。到着する客車を観察していると、なんと食堂車から改造されたFP1016が連結されているではないか!

車内に入るとそこには昔、「ムーンライト九州」で見たものとほとんど同じ光景が広がっていました。最後に客車列車に乗ってから4年(2009年の「はやぶさ」乗車が最後)、久しぶりの客車列車の旅です。なんといっても加速がゆっくりなのがいい、モーター音がしないのが良い・・・

台中を出た列車は后里まで平地を走り、次いで険しい山を高架とトンネルで抜けていきます。このあたりの風景は湖西線によく似ており、直線で踏切がない特殊な構造から、列車の高速度試験によく供されています。のどかな田舎の風景を眺めながら昼食にしましょう。八角弁当は八角で味付けされているからその名が付いている・・・というわけではなく、容器が八角形だからそう命名されています。中には「台鉄弁当」でもおなじみ豚排骨や野菜炒めのほか、クリームコロッケも入っており、若干リッチな作りです。

列車はやがて苗栗県に入り、谷間をひたすら快走します。昼食後ということもあり、徐々に眠気が訪れ、ついに銅鑼駅出発後に記憶が飛んでしまいました。苗栗駅だけは撮っておかねばと思い、停車中に少しだけカメラを回しましたが、すぐに爆睡してしまいました。

疲れが取れたのか、竹南駅付近でようやく目覚め、台北駅到着まで車窓を眺めながら時間を潰しました。友人は爆睡中だったので、これといった雑談はしていないです。

2013年、台鉄では新型特急車両TEMU2000形が投入されました。今回訪問した時点ですでに営業列車に投入されていましたが、編成は少なく、走行シーンを見られる機会は限られていました。訪問時に見ておきたいと思ってはいたものの、行程の関係上、結局走行シーンを見ることはかなわず、樹林車両基地に待機している姿を車窓から眺めるのが唯一にして最後のチャンスでした。

はたして、車庫外に出ているか・・・山佳駅通過後、カメラを構えて遭遇を待ちます。ついに車両基地の横を通ろうとした瞬間、赤と白の真新しい電車が目に映りました。撮影成功!

車窓からとはいえ、TEMU2000形の撮影に成功した私は一人喜びを抑えきれず、友人から奇怪な目で見られてしまいました。台中から2時間以上かけて台北に到着です。行きがけの新幹線とは打って変わり、のんびりとした列車旅になりましたが、友人に非常に喜んでもらえてよかったです。

ずっと座ったままだったので、また歩きたくなってしまいました。日没までまだ時間があったので、二二八和平公園に足を運んでみました。前日は「中華民国」的要素が色濃い物件を散々回ったので、それに対するアンチテーゼをこめて訪れたのです。二二八記念館にも立ち寄ってみよう思っていましたが、すでに閉館の時間を迎えていました。

この後、別行動をとっていた他の友人と夕食をとる約束をしています。友人と見るべきところは全て見たので、もうホテルに戻って別行動組と合流しても良かったのですが、個人的に行っておきたい場所があと一つだけありました。友人二人を先にホテルに帰して、私一人だけでメトロ市政府駅を目指しました。

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マスコットキャラ好きな私は今回、台湾セブンイレブンのマスコット「OPENちゃん」関連の物件も並行して探していました。前回(2012年7月)、市政府横にある阪急百貨店の「OPENちゃん」グッズを取り扱う店舗に行き損ねたので、今回行っておきたかったのです。いわゆる任天堂のゲーム「ポケモン」のグッズを取り扱う「ポケモンセンター」のようなお店でして、巷では有名なお店でした。この店舗はどうやら、私が訪れてからしばらく後に閉店したようで、早めに足を運んでおいてよかったです。

夕暮れ前に私も友人と合流し、台湾旅行最後の夕食先へと向かいました。今回はモンゴル風焼き肉店で美味しい焼肉としゃぶしゃぶをいただきます。ここではまず、カウンターに置いてある肉・野菜・調味料を好きなだけ取り、店員に大きな鉄板で焼いてもらいます。長いヘラを使い、肉と野菜が高温の鉄板上で美味しそうに焼かれていく様子は、見ているだけでも面白いです。

出来上がった焼肉はポケット状のパンに挟んで食べるもよし、白飯を友にいただくのもよく、しかも人それぞれでオリジナルの味付けができるのが一番の魅力です。

焼き肉をいただいた後はしゃぶしゃぶ鍋を囲んで、のんびり台湾滞在の思い出を語り合っていると、あっという間に夜は更けていきました。ホテルに戻った後はさっとシャワーを浴び、翌朝の飛行機が早いので、そそくさと就寝することに。

4日目「感動みちびく望春天・桃園・福岡」


今回、桃園発の時間が7時台と非常に早いエバー航空を利用しました。ゆえに起床時間はなんと早朝4時半、おかげで目が覚めないまま前日にまとめておいた荷物を背負い、ふらふらと空を飛んでいるような心地でバスに乗り込みました。あまりに眠いので、窓の外の風景を見る余裕はなく、空港につくまでの間、意識は殆どぶっ飛んでいたと記憶しています。

空港に到着後、ガイド氏の手招きで急いでイミグレーションの方に移動します。ここで2日間お世話になったガイドともお別れです。雑談を交えながらの台北案内、とても面白かったです。

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無事イミグレーションを越え、急ぎ足を保ったまま搭乗口に移動します。私はツアー中に立ち寄った免税店で何も買わなかったので「これはまずい」と思い、急いで空港の内の売店に行き、パイナップルケーキを2箱買い求めました。現時点では、これが私にとって最後の空港内免税店での土産物購入です。この他にも、弟向けに自販機で八宝粥を買ったような記憶があります。

帰りの飛行機でも行きがけと同じく、終始音楽ばかり聞いていたので、機内食以外とくに書くことがありません。過去のメモによると、帰路はオムレツのきのこクリームソースがけ・ハッシュドポテト・ウィンナーが入ったメインとサラダ、デザートのヨーグルトをいただいたとあります。起きてから何も食べていないので、機内食が朝食になりました。薄めの味付けで、目覚めたばかりでも美味しくいただけるのがうれしいです。

約3日間という長旅もあっという間にエピローグ、民謡「望春風」が流れると博多湾上空を旋回しながら着陸態勢に入ります。同曲をBGMに見下ろす福岡の町並みは格別のものでございます。私は福岡行きのエバーを利用するたびに、毎回鳥肌が立つほど感動すると同時に、「また台湾に行きたい」という強い念に駆られるものです。

これまで福岡~桃園便で就航しているCI、エバー、キャセイの全3社を利用しましたが、個人的に一番後味の良い旅の終わり方を迎えられるのはエバー航空と断言します(朝は早いですが)。

空港に着き、何の問題もなく荷物を受け取って外に出ると、まだまだ寒い福岡の風が吹き込んできました。ツアーは個人旅行と異なり、最後までほとんど疲れないのが良いです。地下鉄博多駅で「またゼミで会おう」と一言残し、清々しい気分で列車を降りました。ここまで来れば、家族が待つ自宅まであと少しです。
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  コメント
No title
高鐵は、欧州と日本の技術を繋ぎ合わせている印象がありますが、ちゃんと機能しているのでしょうか?

鳥居が横倒しになったままなのは、心が痛みます・・・
レラティー #rcEo15nI [ 編集 ]    2015年07月06日(月) 21:29
レラティーさん
高鉄の切符・改札まわりは台鐵と全く違うので、人によってはかなり迷うこと間違いありません。もし欧州の技術を使うという制約がなければ、オムロン製の改札機を使っていたかもしれませんね。

台中神社の鳥居はブログでもご紹介したように、長らく横倒しで置かれていました。ところが、今年の統一地方選で民進党所属の林佳竜氏が台中市長に当選してすぐ、鳥居を修復して建て直す計画が持ち上がりました。今年度中には完成させるという話を聞いています。
wra #9MBBB9Tg [ 編集 ]    2015年07月07日(火) 17:15
気付かなかったぁ
小見出し、水戸黄門のオマージュでしたかあ。


しかし、若いとグイグイ行動出来るものですね。俺だったら鳥居の辺りで「ビール~」と言ってるかな。あるいは、うっかり八兵衛風に「あそこの店で休みましょうよ」ですね(笑)。


wraさんと一緒の鉄道旅、友人の方も心強かったんじゃないかと。なにより駅弁は、最高の食事になるかと思いますし。八角弁当…フェイントですね(笑)。
焼きそば #t50BOgd. [ 編集 ]    2015年07月08日(水) 01:34
焼きそばさん
友人の中に八のようなやつがいれば、飲食店巡りができて楽しかったかもしれません(自由行動の同行者は2人とも「八兵衛サイズ」でしたが)。私も人のことは言えませんが、やっぱり見知らぬ土地だ出し言葉が通じないからか、勇気が出なかったんでしょうかね。

この頃でも既に相当「通」ぶっていました。ところが、こうして昔の記憶を解きほぐしてみると、今よりも行動力はなかったんだなと思います。台湾は一度行くと、もうリピーターになってしまうところですよ!
wra #9MBBB9Tg [ 編集 ]    2015年07月10日(金) 23:29
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