どこに行くわけでもなく、8月が過ぎていきあっという間に月終盤。そぞろ神が憑りついてとるもの手に付かず、地蔵の手招きにあってはそれに抗することもできず、気が付くと東郷から東福間までの片道切符を握りしめて、東郷駅上りホームに突っ立っていました。

しばらく非電化ローカル線に乗っていないので、できる限り非電化路線を満喫しながら、時計回りに福岡県北を大回りしたいと思います。ルートは東郷~(鹿児島本線)~西小倉~(日豊・日田彦山線)~田川後藤寺~(後藤寺線)~新飯塚~(筑豊・篠栗線)~長者原~(香椎線)~香椎~(鹿児島本線)~東福間(太字はDC乗車区間)。


▲日田彦山線の車内から石灰石鉱山を眺めて
今回の旅では列車同士の接続が非常によく、あまりの良さに田川後藤寺で乗り遅れそうになりました。西小倉でも待ち時間は5分もなく、すんなりと田川後藤寺行きのキハ140+147の2連に乗車しました。

日田彦山線にはここ5年乗車したことがなく、沿線の様子を見るのは久しぶりのことでした。長らくひなびたローカル線の趣だった同線でも、ここ数年で近代化・合理化の波が押し寄せており、いくつかの駅で変化を目の当たりにすることになりました。

更地になった志井駅

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志井駅に到着して驚き。だいぶ前から無人駅ながらも、立派な箱型駅舎がずっと立ち続けていましたが、それがついに解体されて更地と化していたのです。今では、代わりに鹿家駅のようなスケルトン待合室が設置されています。無人駅なので駅員を配置しなくてもいいですし、小さな待合小屋だけの方が十分割に合うのでしょう。

香春駅にまで及んだ駅の無人化


▲スイッチバック時代の呼野駅旧ホームを見下ろして
噂には聞いていましたが、城野~田川伊田駅間にある有人駅が大幅に減っているのには驚きました。まさか、沿線では大きい部類に入る香春駅までもが無人化されているとは思ってもいませんでした。今は昔ほど鉄道情報を追いかけているわけではないので、乗車して初めて「変化」を知ることが多いです。

非電化にこだわる旅路


▲古い木造駅舎が残る採銅所駅
リニューアル後の採銅所駅を見るのは今回が初めてです。しばらく前までボロボロだったのが信じられないほど、美しい姿に蘇っています。採銅所駅にしても筑肥線の肥前長野駅にしても、古い木造駅舎が次から次へと解体されていく中、こうして保存活動が積極的に行われていることは賞賛すべきです。昔の記憶を未来に語り継ごうという、地域住民の強い思いをひしひしと感じ取ることができました。


石灰石の採取で一層低くなった香春岳の麓を経て、終点の田川後藤寺駅に到着。側線にはキハ40系のほか、田川後藤寺以南を走るキハ125形も留め置かれています。大分の香りを少し感じさせる駅構内を移動して、後藤寺線乗り場に向かうとキハ31形が左右に止まっていました。このうち新飯塚行として出発するのは右側で、左側は昼寝中のようでした。平成筑豊鉄道乗り場には黄緑色の「ちくまる号」が今にも出発しようとしています。

早速新飯塚行に乗ろうと列車に近づくと、乗客が乗っているのに扉が閉まっています。なんと、すでに扉扱いを済ませて出発しようとしているところでした。あわてて運転士に乗る旨を伝え、間一髪で乗り込むことができました。後藤寺線は毎時1本という閑散路線なので、乗り遅れると1時間待つ羽目になります。田川後藤寺駅での接続時間がここまで良すぎるとは、今まで後藤寺線に何回も乗車したことがあるのにすっかり忘れていました。

田川後藤寺から乗車したのは、0系新幹線由来の転換クロスシートを持つキハ31-3。本数が少ないうえに車体が小さいこともあって、座席は殆ど埋まっています。あいにく1人席に空席がなかったので、2人掛けの席に腰をおろし、新飯塚までの数十分を過ごすことになりました。

後藤寺線というのはキハ40形ないし31形の単行が行きかう短い路線、という印象が強いものです。ところが、意外にも2両編成の列車も運行されています。線内唯一の交換駅・下鴨生駅でキハ47形2連を見かけましたが、この時初めて後藤寺線で2両編成を目にすることになりました。

田川後藤寺から新飯塚までのんびり走るのかと思いきや、上三緒駅を出て終点までの一区間だけ、これでもかという速度で飛ばし始めました。速度にして約80キロ、華奢なキハ31の本気を垣間見ることになりました。

終点の新飯塚駅でも乗り換え時間は短く、到着すると既に、向かい側ホームに817系4連の快速が停車していました。この列車に乗り込むと、徐々に眠気が襲い掛かり、篠栗駅付近でとうとう意識が飛んでしまいました。幸い眠りが浅かったので、次に長者原駅で下車して香椎線に乗り換えてみました。


長者原駅では宇美行きを見送り、8分ほど待って西戸崎行に乗車。最後の最後まで、できる限り非電化区間に乗車することにこだわり続けました。遅いけれども風景美し、エンジン音が郷愁を掻き立ててこれまた良し。電化区間に慣れ親しんでいると、非電化区間の魅力を忘れてしまいがちです。たまにはこうして、架線のない路線を満喫してみるのも一興ですね。

撮影日:2015年8月18日
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  コメント
採銅所駅
この辺りを乗り鉄したときに、この駅の佇まいに感動したものですが、いまは綺麗になってるんですね。

で、この近くだったと思うのですが、石灰のせいかそこら中周辺が白くなってしまってるようなところがあったと記憶してるのです。
あれはどこだったのかご存知じゃありませんか?もっとも、10年以上前の話なのですが。

中林20系 #- [ 編集 ]    2015年08月20日(木) 20:21
呼野駅
私は呼野駅が最寄り駅で通学通勤で日田彦山線を使っていました。
3月に実家に帰省した際に久しぶりに乗車しました。ワンマン列車になった話は聞いてましたが、志井駅その他の駅もきれいになっていたり変わっていたのにびっくりしました。日田彦山線のあのディーゼルの音は変わらずで懐かしかったです。

アッキーナ #- [ 編集 ]    2015年08月20日(木) 23:10
No title
こんばんは。

大回り乗車ですね。
福岡は大都市近郊区間なんですよね、うらやましいです。

降りられないのが少し残念ではありますが、充実した一日だったのではないでしょうか?
僕も1年前に訪問した、日田英彦山線の車窓が懐かしかったです。
宿はなし #- [ 編集 ]    2015年08月20日(木) 23:52
宿はなしさん
小中学生のころは、運賃が安上がりですむので大回り乗車をよくしたものです。おかげで福岡の鉄道事情を知ることができ、いい経験になったと今では思っています。

日田彦山線は福岡近郊の非電化区間でも屈指の郷愁あふれるローカル線で、毎回採銅所駅や香春岳が見られるのを楽しみとしています。後藤寺線も短いながらも、なかなかの趣がありますね。取り壊される前の船尾駅舎は電鉄魚津駅旧駅舎のような雰囲気が良かったです。
wra #9MBBB9Tg [ 編集 ]    2015年08月21日(金) 17:31
アッキーナさん
こんばんは、このたびはコメントありがとうございます。

駅は変われども、車窓からの風景は今も昔もほとんど変わりませんよね。筑豊本線が一部電化して近代化する一方で、日田彦山線はより一層ローカル線の趣を濃くしていく、これからも気にしていきたい路線の一つです。
wra #9MBBB9Tg [ 編集 ]    2015年08月21日(金) 19:05
中林20系さん
一面石灰まみれの駅といえば、後藤寺線の船尾駅ですよ!
以前ビルのような駅舎があったころは、駅の中まで埃っぽい感じだったのが印象的です。
wra #9MBBB9Tg [ 編集 ]    2015年08月21日(金) 19:41
ありがとうございます
船尾駅、そうそう!そうでした。
何かすごいところだなと思ったのですが、あの駅舎は解体されて…よくあるバス停みたいなそれになったみたいですね。
でも石灰まみれは健在のようで…これを喜んでいいのかどうか…またいつか行ってみたいですが、そのときが石灰まみれでなくなってたとしても、それはそれで感動しそうです(笑)。

ありがとうございます。

中林20系 #- [ 編集 ]    2015年08月21日(金) 20:51
久々に
かつての場所を訪ねたら、えっいつの間に?ってのはありますよね。


先日、高架を走る前の京成線・曳舟駅を訪ねてきました。旧ホームは今夜一杯の使用です。ガラケーですけど、wraさんに倣って少々写真撮りましたよ。


気動車は、まだ片手に余る回数しか乗ってませんけど、近場で乗りに行きたいものです。
焼きそば #t50BOgd. [ 編集 ]    2015年08月21日(金) 22:13
焼きそばさん
高架化で移動が便利になる一方、下町風情ある鉄道風景というのも同時に少なくなっていくんでしょうね。

押上線は路線の性質上、京成・北総・都営・京急がランダムに走るので、興味深いです。先ほど路線について調べてみて、かなり歴史ある路線ということを知り、驚いているところです。てっきり地下鉄と京成を繋ぐ路線として、戦後建設されたものと思っていましたよ。
wra #9MBBB9Tg [ 編集 ]    2015年08月21日(金) 23:57
No title
福岡近郊区間の旅してみたいものです。
東京、大阪と並んで、最近まで3つしか無かった近郊区間が福岡にもあったのは、嘗て路線網が複雑だった名残でしょうね。
特に、日田彦山線の志井公園以南、後藤寺線全線など未乗区間があり、その辺りは旅してみたいものです。
後藤寺線、他の路線のように廃線にならないほどの需要があるとは思えませんが、工場の中を通るかのような区間もあるようだったり、旅してみたいものです。

キハ31や32は、小型で安っぽく、見ただけで嫌な気分になります。
下手をすれば、最も嫌いな40以下かも・・・

九州も無人化が進んでいるのですね。
北海道も、来年の新幹線開業に力を注ぐためか、修繕や車両置き換え等に本腰を入れなければならない事情か、人口2万人もいる美幌などでさえ無人化しそうです・・・
併せて、駅の廃止もありそうで、また来年3月ではないですが廃線も出そうです・・・


さて、アメーバからこちらへ移転されるさい、画像が移転できないという噂を聞きましたが、実際のところ如何でしょうか?
レラティー #rcEo15nI [ 編集 ]    2015年08月23日(日) 00:38
レラティーさん
今思うと、国鉄時代の筑豊の路線網は絡まった糸のように複雑だったんだなと思います。運用もこれまた複雑で、博多から篠栗線・筑豊本線を通って直方まで行き、そこから進行方向を変えて伊田線・糸田線に入り、後藤寺やさらに先の彦山まで行く運用もあったようです。同じ国鉄路線という強みを生かした運用が行われていたんですね。

新幹線開業後、北海道の路線は深刻な状況に追い込まれそうです。個人的には新幹線なんて作らなくてもいい気がしますが、JR各社はやけに新幹線にこだわっているようですね。中小都市の代表駅も無人化する気配ありとは・・・
日高本線も沿線に自専道が延びていますし、注意信号だったのがいよいよ危険信号に変わった感じがします。JR北海道も「やけくそ」合理化になる程、赤字の山で追いつめられているのでしょう。

>さて、アメーバからこちらへ移転されるさい、画像が移転できないという噂を聞きましたが、実際のところ如何でしょうか?
アメーバからfc2へは無事、何事もなく画像もインポートできましたよ。ただし画像アップロード日は反映されないので、画像を後でいじることがあるならば、注意したほうがいいかもしれません。以上、私の体験談です。
wra #9MBBB9Tg [ 編集 ]    2015年08月23日(日) 20:50
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