阪九フェリー新門司~神戸航路で使用されている、「やまと」に乗り込み一晩を過ごしてみました。今回は神戸到着後、その日のうちに同船で新門司にとんぼ返りする行程をとりました。

普段なら、余裕をもって新門司港行き送迎バスの出る小倉駅に到着するところですが、今回は若干時間に追われながらの移動になりました。福岡市内で学会に参加する用があったので、それが済んでから博多駅に向かいます。

博多駅ホームで時計を見ると、送迎バスが小倉駅を出発するまで残すところ、1時間を切ろうとしているではありませんか。快速はあまりにも遅いので、これを使うと間違いなくバスに間に合いません。送迎バスを逃してしまうと、新門司港までの移動がやや面倒になるので、間に合うことに越したことはありません。そこで奮発して、特急「きらめき」を利用して小倉へと向かうことに。

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特急「きらめき」は博多と小倉を結ぶ短距離特急で、「有明」の博多以北を継承する形で運行されています。車両は基本的に787系で、これは「つばめ」「リレーつばめ」として使用されていたものです。

間もなく出発するという「きらめき12号」に飛び乗り、博多から小倉まで快適な旅が始まります。毎度思うことですが、特急は快速と比べ物にならないほど速いです。逆に、快速や準快速は遅いことこの上なく、十数年前まで香椎~福間駅間をノンストップ運転していた頃が、まるで信じられられないほどノロマです。

モハ車に乗り、787系お得意の高加減速を満喫しながら、コーヒーを啜ります。

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787系はデビューからはや四半世紀ということで、車内はすっかり草臥れ、中には車体に錆が浮んでいるものも存在します。そんな中でも、いまだに車内の所々に、L特急「つばめ」として博多と西鹿児島を結んでいたころの名残りが残されています。上品な内装も、当時の面影を十分に伝えるアクセントといえます。

静粛性に優れた特急列車には通勤列車独特の喧噪がなく、非常に落ち着いて過ごすことができます。博多を出発して1時間、送迎バスの出る小倉駅に到着しました。時計を見ると、なんとバスの出発時間まであと10分でした。さすがは特急、快速とは比べ物にならないほどの速さで博多と小倉を結んでいるではありませんか。どうにか、ギリギリで間に合いました。

小倉駅北口でバスを待つこと5分、阪九フェリー無料送迎バスが到着しました。こちらの送迎バスは西鉄高速バスを使用したもので、引き続き快適な移動で新門司港へ。

新門司港に到着したのは出航1時間前。事前にインターネットで予約しているので、ターミナルに入ってから乗船名簿に記入せず、そのままカウンターでチケットを買い求めます。インターネットで予約すれば、運賃が若干安くなりますし、わざわざ乗船名簿を記入する必要もないので便利です。これはあくまでも阪九フェリーの話で、フェリー会社によってはこれと若干事情が異なることもありますので、適宜公式サイトをご確認ください。

阪九フェリー「やまと」船内めぐりツアー

「やまと」エントランスに入ると、長距離フェリーではよくあるサービスカウンター、売店、ロビーの「3点セット」が広がっています。エントランスの内装は暖色系でまとめられており、温もりのある雰囲気です。

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▲売店

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▲喫煙室

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▲自動販売機

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▲ゲームコーナー

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▲二等船室

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▲阪九フェリー「やまと」船内図

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▲プロムナード
プロムナードとレストランはエントランスの上階、6階にあります。

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▲「やまと」レストラン入口

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▲「やまと」レストラン内部

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今回の夕食はそば飯(500円)、コロッケ(100円)。この2品だけでは物足りなかったので、おかずを2品ほど追加しておけばよかったかもしれません。一食当たりの予算は1200~1500円程度がベストだと思います。

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大浴場は7階にあります。ひとっ風呂浴びた後は、浴場の横にあるマッサージ機で疲れをほぐしましょう。甲板に出て涼むのも良いかもしれません。ただし、くれぐれも湯冷めしないように。

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▲7階から5階(エントランス)を見下ろして

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大浴場のある7階には、阪九フェリーで使用されてきた歴代船舶の写真・概要が展示されています。引退したフェリーは東南アジアの方に売却されることが多く、殆どの船が常夏の海で余生を送っています。

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つい先日引退した、「フェリーせっつ」「フェリーすおう」の説明にも目を通しておきましょう。両船は元々、新門司~神戸航路で使用されていましたが、「いずみ」「ひびき」就航に伴う引退後、いずれも韓国方面に売却されました。これを以て、阪九フェリーから名称に「フェリー」を冠した船が姿を消したことになります。

その後、従来新門司~泉大津航路で使用されてきた「ちくし」「やまと」は新門司~神戸航路に転属することになり、現在に至ります。

(リンク)
拙ブログ「フェリーすおう」乗船記録(2013年10月)
拙ブログ「フェリーすおう」乗船記録(2014年10月)
拙ブログ「フェリーせっつ」乗船記録(2014年10月)

夜明けの「やまと」

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二等船室で夜を明かすことには慣れたものの、船内がやけに乾燥しているせいか、横になっているうちに鼻の中がカラカラになり、痛くなってきました。時計を見ると朝6時になろうとしていたので、給湯器のお茶を口に含んで喉を潤し、朝焼けの絶景を収めに行きました。

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▲早朝のプロムナード

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▲朝日に映える「やまと」のファンネル

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今回の朝焼けも見事なもので、雲のない好天ぶりには感激しました。ただし秋が深まってきたせいか、外に出た瞬間強い冷気が吹き付けて寒くなりました。外に出る時は、防寒対策をお忘れなく。

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▲早朝の「やまと」甲板

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太陽が昇り、播磨灘に朝が訪れました。

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夜明けの播磨灘を眺めたのち、しばらく二等船室で大人しくしていましたが、明石海峡大橋通過を見るため、再度甲板に足を運びました。大橋通過時、汽笛を鳴らすのが通例になっているようなので、汽笛の収録を兼ねて見学と行きましょう。

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明石海峡大橋の通過直後、RORO船を小型化したような四角い船とすれ違ったので、見たところトヨフジ海運の自動車運搬船「豊昇丸」でした。

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▲明石海峡大橋と「やまと」と「豊昇丸」

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明石沖ではちょうど、白い漁船が集まって漁が行われています。

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名物のパンが焼きあがったというので、朝食のパンを買いにエントランスに行ってきました。今回はチョコチップメロンパン(150円)、レーズンブル(100円)の二品を購入。チョコチップメロンパンは阪九フェリーのパン類の中でも一番のお気に入りで、乗船するたびに購入して朝食の伴にしています。

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明石海峡大橋が遠ざかり、見えなくなると神戸市沖に入ります。ここまで来れば、あと少しで神戸港に到着です。

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▲神戸~大分航路で使用される、フェリーさんふらわあ「さんふらわあごーるど」
陸地が徐々に近づいてきました。やがて「やまと」は港湾内に入り、「さんふらわあごーるど」の前方に着岸をします。

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▲「やまと」着岸地点を遠望して

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神戸の空はさわやか青色、今日はいいことがありそう・・・なんて思いながら、下船の準備を進めていきます。

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朝8時半、阪九フェリー「やまと」は神戸港に到着しました。JR線を利用する場合は、ここから送迎バス(有料)を利用して住吉駅に向かうのが王道ルートです。送迎バスはJR住吉駅、阪急御影駅、阪神御影駅に立ち寄ります。

マニアックな小旅行をしたいという方は、アイランド北口で送迎バスを降り(ここまで無料)、六甲ライナーを利用して阪神魚住またはJR住吉駅に行くといいでしょう。

帰路:「やまと」で新門司へ


帰りも「やまと」を利用します。阪神梅田駅そばにある阪神百貨店で名物「デラバン」に舌鼓を打った私は、阪神電車で御影駅を目指しました。


▲夜の御影駅と阪神5001系
送迎バスが立ち寄る御影駅に到着しました。送迎バスの停留所を探しますが、なかなか見つかりません。結局、駅前交番で停留所の場所を聞き、どうにか見つけることができました。停留所前には100円ローソンがあるので、待ち時間を利用してジュースや食料を購入することに。

乗車した送迎バスは阪神御影駅を出発後、阪急御影駅、JR住吉駅、六甲ライナーアイランド北口駅に立ち寄り、フェリーターミナルに到着しました。阪神御影駅が始発なので、乗車時間は結構長かったです。

帰路も行きと同じ「やまと」利用ということで、今回は記録をあまりとらず、のんびり船内で一晩過ごすことにしました。


▲夜の明石海峡大橋を通る

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帰りの夕食は、レストランで鉄板炒めと行きました。

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前回(2014年10月)のホルモン鉄板に続き、今回注文したのは野菜鉄板。これに白飯、味噌汁を付けて1000円弱です。白飯一杯目を平らげ、さらに白飯大盛りをお願いすると、こんもりと盛ってくれました。いやいや、食いすぎました・・・

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卵を崩し、卵が固まっていないうちに一口、卵が熱で固まってからさらに一口、それぞれで味わいが全く異なってきます。野菜鉄板もなかなかの美味しさです。この後、ひとっ風呂浴びて翌朝になるまで二等船室で横になり、のんびり船旅を過ごしました。

この便には台湾人ツアー客が数4~50人ほど乗船しており、大半が中高年層ということで、中国語よりも台語での会話が際立っていました。高雄~馬公(澎湖)を結ぶ台華フェリーの旅もこんなもんだろうか、と想像しながら、新門司までのひと時を寛ぐことにしましょう。

撮影日:2015年10月17日~18日
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  コメント
Wraさん、こんばんわ

阪九フェリー神戸航路レポート楽しく拝見しました。天気も良さげで気持ち良いクルーズだったようですね。

オトーサンは新しくなった泉大津航路に乗ってやろうと画策しているのですが、なかなか上手くいきませんわ。
オトーサン #- [ 編集 ]    2015年10月28日(水) 20:38
オトーサンさん
こんばんは、乗船記録をご覧くださいましてありがとうございます。

どうにか引退した「せっつ」「すおう」2隻のほか、「つくし」「やまと」にも乗船できましたが、泉大津航路はなかなか利用しないので、「いずみ」「ひびき」乗船はまだ先の話になりそうです。往復しようにも1万以上はかかるので、船のためだけに思い切って乗ってやろうという、一種の決心がなかなか付きませんね・・・
wra #9MBBB9Tg [ 編集 ]    2015年10月30日(金) 19:00
いい響きだなあ。
フェリーとかさんふらわあとか、懐かしいです。子供の頃見た図鑑で、当たり前のように見てましたからね。


船と言うと、水上バスとか屋形船位で、船中泊は経験ないんで羨ましくもあります。


大阪も行った事ないんで、デラバン食べてみたいですねえ。
焼きそば #t50BOgd. [ 編集 ]    2015年10月31日(土) 22:35
焼きそばさん
新幹線誘導を図るJR各社によって、長距離夜行列車が次々に淘汰されている現在、夜行フェリーは夜行列車独特の「ゆっくりとしたときの流れ」を体現する貴重な存在です。レストランもありますし、これは食堂車とダブります。

夜行列車に乗りたくても乗れなくなったとはいえ、どうしても「あの雰囲気」を感じたくなったので、2012年に初めて夜行フェリーに乗って以来、年に最低2回は利用するようになりました。急いでいないときは夜行フェリーが一番です。もう少しお金に余裕が出れば、ゆったりベッドで寛げる上級クラスを利用したいものです(新幹線のグリーン車にも興味はありますが)。

大阪は食い倒れの街なんですね。街を歩けば食事処が沢山あり、今まで京都偏重の旅行を続け、大阪に滞在する時間が短かったのが悔やまれます。
wra #9MBBB9Tg [ 編集 ]    2015年10月31日(土) 23:20
新門司は、門司港駅か桟橋通(?、西鉄バス北九州の案内所がある所)から路線バスで行くものだと思っていたので、送迎バスの存在には驚きました。

博多-小倉間は、JRだけでも、新幹線特急、在来線特急、普通列車と選択肢が幅広く、悩むところですね・・・
新幹線が九州会社にならなかったので、並行していながら在来線特急も残っていますが、存在意義はあると感じました。(新幹線との差別化で東郷でも乗れればいいのにとは思いますが)



御影の送迎バス、まず阪神の駅前のほうから、わざわざ北上して阪急の駅前を通り、それから南下して海に向かうのは、謎ですね・・・
レラティー #rcEo15nI [ 編集 ]    2015年11月03日(火) 23:52
レラティーさん
JRがわざとらしく、特急を速くする一方で、ただでさえ遅くなった快速よりも1ランク下の種別を設け、しかも福間~赤間の本数を事実上減らしているので、以前に比べると宗像市民にとって不便になったのは否定できません。特急の速さには驚かされました。

送迎バスはやはり、営業所から近い場所を起点にしているのではないでしょうか。
wra #9MBBB9Tg [ 編集 ]    2015年11月05日(木) 18:01
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