(目次)
はじめに
第1章―日本統治時代~戦後初期
第2章―20メートル級の世代へ
第3章―17メートル級「更新車」・32100系
第4章―優等客車の標準型・32850系/10000系
第5章―軽量化でより近代的に・10200系
第6章―総督府史料から紐解く「古典客車」の形態
第7章―まとめにかえて



台湾の「国鉄」にあたる台湾鉄路管理局は、日本統治時代の台湾総督府鉄道を継承した組織といっても過言ではありません。戦後、日本政府による台湾統治が終焉した後、同地の鉄道運営は、進駐してきた中華民国政権に委ねられることになりました。

日本統治時代に製造された機関車、客車気動車などは勿論のこと、鉄道設備はそのまま中華民国進駐政権へと引き継がれました。内地に近い規格で建設された路線が多い台湾では、昔の鉄道省に近いシステムが温存され、今でも多数見ることができます。これがいわゆる、「台湾の鉄道が一昔前の日本に近い」といわれる所以です。

謎のベールに包まれた「台鉄客車」

台湾総督府鉄道の車両に関する情報は、古資料や保存車両を通じて知ることができます。ところが、現代の私たちに見える情報は専ら、蒸気機関車と内燃動車に限られており、客車に関する情報は決して多くありません。

ここから「台鉄客車」という用語が頻出します。この単語は総督府鉄道のみならず、台湾鉄路管理局によって製造された客車も指すものとします。

TRA_pc.jpg
長年、謎のベールに包まれていた台鉄客車でしたが、近年になり、台湾現地の有志によって情報がまとめられ、wikipediaに車両一覧が掲載されました(臺灣鐵路管理局營運車輛列表)。これは台鉄客車を研究する私にとって極めて有意義なことで、同コラムを執筆する契機になりました。

一覧が掲載されたのは良いとして、一番の問題は「車両をグループ化」するということです。台鉄客車は主に、使用用途によってグループ化されています。以下、代表的な例を挙げます。

・莒光号客車
・復興号客車
・普快客車
・通勤客車

国鉄客車は車体構造によってグループ分けされていますが、台鉄客車について論じる際、そのようなグループ分けに踏み込まないきらいがあります。

ややこしい付番法

台鉄客車の形式付番がややこしいことは、あまり日本人には知られていません。台鉄を取り扱うサイトを拝見する中で、客車形式名の誤記を多数目にしますが、決しておかしな話ではありません。あまりのややこしさに、私も形式名を把握するまでに時間がかかりましたし、最初は何度も間違えました。

全く異なるグループに属するにも関わらず、等級が異なるために同一番号を付けることが台鉄にはあるのです。南廻線で現在も使用されているSPK32700形を例に挙げてみましょう。これと同じ番号を名乗っていながら、別のグループに属していた客車は勿論存在しました。2ドア・ロングシートを採用した通勤客車・TP32700形と、「観光号客車」として登場し、のちの冷房化により32720形に改番されたSP32700形です。

ここでは1067ミリ軌客車の体系化に焦点を置きたいので、形式称号(SP、DC、FSなど)または台東線のナローゲージ客車に関する記述は割愛します。

「臺灣鐵路管理局營運車輛列表」によると、客車は小区分ごとに系列として纏められており、残念ながら、そこから年代ごとの特色が見えてきません。この問題を解決するために、複数の「系列」をさらに括り、便宜上の系列名を付けてみます。

現時点で把握している情報をもとに、同じ車体構造を有する客車同士を紐づけし、グループ化した結果が以下の表です。通称名も併記しました。一マスずらして表記したものは、いわゆる派生グループ・番台です。木造客車の派生グループは過多のため、ここでは割愛します。

台鉄客車一覧表

・(ホハ)2000系小型木造客車

・(ナハ)12000系中型木像客車

・(ナハ)22000系大型木造客車

・(オハ)32000系
 ・(オハ)32100番台
(以上、日本統治時代製造分。ただし一部木造客車を除く)

・22500系木造客車―「成功号/銘伝号」

・32200系―「平等号」「美援客車」
 ・32500番台
(以上、情報量が限られるため誤記・誤解釈が存在するかもしれません)

・32600系―「通勤客車」
 ・32700番台
 ・32770番台
 ・32800番台
 ・32850番台
 ・32200番台―「印度仔」

・32700系―「観光号客車」
 ・32720番台
 ・32750番台
 ・32800番台

・32900系―「普快客車」「対号特快」
 ・32400番台
 ・32450系
 ・32550番台
 ・32600番台
 ・32700番台
 ・SPK2300形―「冷気平快」

・32100系(2代目)
 ・32300番台

・32850系―「莒光号客車」「復興号客車」
 ・32720番台
 ・32750番台
 ・32800番台
 ・32950番台
 ・32600番台
 ・10000番台
 ・10100番台
 ・1000番台
 ・20000番台

・10200系―「莒光号客車」「復興号客車」
 ・2200番台
 ・20200番台
 ・10400番台
 ・10500番台
 ・10600番台
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  コメント
うわうわ
俺にはさっぱり(・・;)


これは幼少期から慣れ親しんでないと、って感じがします。


しかしよくまとめられますね、日本と法則が全然違うのに…いや、脱帽です。
焼きそば #t50BOgd. [ 編集 ]    2015年11月12日(木) 01:05
焼きそばさん
日本人の中にも、台湾の鉄道に詳しい方は多いですが、客車について調べている方は「全く」といって良いほどおりません。国鉄・JRと台湾の鉄道の違い・共通点を見出そうと思い、調べるに至ります。

すると、いくつか国鉄(鉄道省)との共通点を見出すことができました。先行研究が非常に少ないので、慎重に調べながら連載していきたいと思います。
wra #9MBBB9Tg [ 編集 ]    2015年11月12日(木) 21:41
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