生駒山地の麓、坂の多い奈良県西部の街・生駒には、単線並列を採用する珍しいケーブルカーがあります。その名も近鉄生駒鋼索線といい、文字通り近鉄運営の路線です。

生駒鋼索線は途中の宝山寺駅を境に、宝山線(麓側)と山上線(山頂側)に分けることができます。今回は市街地よりを走行する宝山線に着目し、ケーブルカーには珍しい「踏切」を見ていきます。

鳥居前1号踏切

踏切には麓から順に、「鳥居前1号」「鳥居前2号」「鳥居前3号」と称されています。そのうち、1号と2号は歩行者専用、3号は大型車以外の車両も通ることができます。

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▲鳥居前1号踏切全景

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取材当時、営業運転には「宝山寺2号線」の線路が使用されていました。もう一方の単線並列の線路「宝山寺1号線」は、当日お休み中だったようで、鳥居前駅にコ11形12号「ミケ号」の姿が見えました。宝山寺駅にはコ11「ブル」が停車していますが、あいにく見ることはできず。


やがて踏切が鳴り、足元のケーブルが重低音をたてながら動き始めました。鳥居前からやってくるのは、コ3形の4号「白樺」。オーソドックスでかつ、レトロな恰好のケーブルカーです。


つづいて、宝山寺からはコ3号「すずらん」が近づいてきます。「白樺」は紺色とクリームのツートンを、「すずらん」は紅色とクリームのツートンをまとっています。

鳥居前2号踏切

線路に沿って坂を上がると、鳥居前2号踏切に到着します。こちらも1号と同じ造りで、歩行者用の狭い踏切となっています。両社とも雰囲気はほぼ同じです。


▲鳥居前2号踏切を通過するコ3号「すずらん」


ケーブルカーに踏切とは珍しく、一般鉄道のような雰囲気が入り混じって面白いです。何といっても、ケーブルの動き方を間近で観察できるのが、いちばんの魅力ではないでしょうか。

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▲レールとケーブルと間近で眺めて

鳥居前3号踏切

宝山寺線に3か所ある踏切のうち、最も高い所に存在するのがこの踏切です。ちょうど路線の中間地点にあり、1号線・2号線それぞれの交換ポイントが置かれています。そのため踏切一帯は、レールが4本も並ぶ「複々線」状態になっています。

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▲鳥居前3号踏切全景

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▲鳥居前3号踏切上のレールを間近で
片方に平型車輪をはめるというケーブルカーの特性は、この踏切にもよく反映されています。片方のレールには溝がなく、そこに平型レールが載る様子をうかがい知ることができます。

鳥居前3号踏切を通過すると、これまで緩やかだった坂は傾斜を一気に強め、残り半分は緑の中を這いあがるようになっています。前半と後半で路線環境が大きく異なっており、面白いです。


山登りだけじゃない、街のど真ん中を行く「生駒ケーブル」の姿、目にする価値は十分にあります。生駒へお越しの際はぜひ、踏切からケーブルカーをご覧になってみては如何でしょうか。

撮影日:2016年2月18日
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  コメント
こんばんは。

>近鉄生駒鋼索線

大学時代、その横を通り過ぎ続けていたというのに
一昨年になってはじめてこの路線をに乗りました。

鳥居前3号踏切には驚きますよね。
まさかの複々線ケーブル?

確かこの鋼索線、定期券もあるんですよね。
沿線が都市化して、鋼索線が通勤路線化している
日本では珍しいケースですね。
ふぐにさん。 #36k9amUg [ 編集 ]    2016年03月08日(火) 00:04
これはまた
非常に珍しいですねえ。驚きです。ケーブルカーに踏切、考えた事すらありませんし。


思えば、ケーブルカー自体に乗ってませんでした、何十年も。


生駒、覚えておかなきゃ…。
焼きそば #t50BOgd. [ 編集 ]    2016年03月08日(火) 22:44
ふぐにさん。さん
ふぐにさん。様、こんばんは。


> 大学時代、その横を通り過ぎ続けていたというのに
> 一昨年になってはじめてこの路線をに乗りました。

身近な場所に限って、あまり乗る機会ってないんですよね。私でいうと、北九州モノレールといったところでしょうか。


> 鳥居前3号踏切には驚きますよね。
> まさかの複々線ケーブル?

鉄道とは縁の薄い急坂ど真ん中なのに、鉄道によくある設備があって不思議な気分でしたよ。


> 確かこの鋼索線、定期券もあるんですよね。
> 沿線が都市化して、鋼索線が通勤路線化している
> 日本では珍しいケースですね。

これまで乗ってきたケーブルは、どれも山深い所を走る路線でしたから、市街地を走るこの路線に新鮮味を感じました。ケーブルでありながら、近鉄の一般路線がもつ雰囲気もあり、大変興味深い散策となりました。
wra #9MBBB9Tg [ 編集 ]    2016年03月09日(水) 18:21
焼きそばさん
> 非常に珍しいですねえ。驚きです。ケーブルカーに踏切、考えた事すらありませんし。

先日ネットサーフィンしていると、ふと生駒ケーブルの存在を思い出したので、フェリー乗船のついでに足を運んできました。JRとは縁薄い奈良県西部の状況も把握でき、面白い旅でした。

ケーブル≒観光ということもあり、なかなか乗車する機会ってないですよね。生駒のケーブルはなんと、通勤利用も結構あるとのことです。
wra #9MBBB9Tg [ 編集 ]    2016年03月09日(水) 18:23
今晩は。ケーブルカー自体、乗ったことがあるような、気がしますがそれに加えて踏切があること自体が驚きでした。
さんいー #- [ 編集 ]    2016年03月09日(水) 20:26
さんいーさん
さんいー様、こんばんは。

ケーブルカーはシンプルな路線が多く、あまり興味を抱いてきませんでした。そんな中、踏切のある路線を取材することで、ケーブルカーの特集を組んでも面白そうだな、と興味が湧いてきているところです。

エレベータの構造を応用した、スロープカーなる乗り物も面白いですよ。
wra #9MBBB9Tg [ 編集 ]    2016年03月11日(金) 01:21
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