今回お届けする釜山駅は大韓民国南部、釜山広域市の港湾地帯にあります。所属路線は京釜線。

釜山駅の成り立ち

同駅は大韓帝国時代の1908年に開業しました。京釜線の原型にあたる京釜鉄道が、日本の資本により建設されて全通した1905年時点において、釜山側のターミナルは市街地からやや北に離れた草梁駅にありました。

荒川五郎『最近朝鮮事情』(1906年)では、京釜鉄道開業初期の状況について詳しく説明されています。以下、同著から該当箇所を一部ご紹介します(引用にあたり、現代仮名遣い・新字体に改めたほか、括弧書きで適宜振り仮名を加えた)。

◎京釜鉄道は日本内地ではマダ見るを得ない広軌鉄道で、幅の広いのみか天井も高くて気持が快(よ)い、プラットホームから車室に入る所も三段の梯子上がりになって居る。

◎京釜鉄道と謂えば京城から釜山迄の鉄道を意味するが、釜山の停車場は今では釜山を距(さ)る十数町の草梁という所にある、併し釜山市外の東端に三万坪の新埋立地があって、此処まで延長する計画であるそうであるから、そうなったら水陸船車の連絡が完全になり、交通の利便は非常である。
(以上、引用)

草梁地区は、今では釜山の市街地と一体化していますが、当時は併合前ということもあり開発が進んでいなかったようです。また、釜山の街が現在の釜山駅周辺を中心に発展してきたことも、上の文から見て取れます。

つまり、釜山で日本家屋や日本統治時代の建築物を探そうと思ったら、釜山駅や地下鉄土城駅周辺の「旧市街地」を調査すれば良いわけです。ただし日本統治時代の後期になると、草梁地区もだいぶ市街地と化したようで、現在でも日本家屋が点在しているのを確認できました。

ガラス張りのターミナル・釜山駅舎

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▲釜山駅西口(市街地側)
釜山駅は橋上駅舎となっており、自由通路を通って国際旅客ターミナル側に抜けることもできます。全体的にガラス張りとなっており、明るく開放的なデザインです。

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▲夕暮れ時の釜山駅西口

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▲釜山駅西口の噴水広場
時間によっては、噴水パフォーマンスを見ることができます。上の写真は噴水パフォーマンス時に写したもの。

駅構内・ホーム

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ソウル近郊に展開する「広域電鉄」と呼ばれる通勤路線・系統を除くと、KORAIL駅には改札口が置かれておらず、ホームには自由に立ち入りすることができます。現在、切符はレシート式になり、改札は車内で乗務員によって行われています。

釜山駅で駅撮り―本数は意外にも少ない

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▲釜山駅で出発を待つ210000系「ITX-セマウル」
セマウル種別の新世代として、近年登場した電車です。従来使用されていたプッシュプル式車両は、老朽化により置き換えが進んでおり、流線形が特徴だった動力車は消滅を迎え、機関車牽引に変更されています。もはや10年前まであった食堂車もなく、KORAILでも急速に合理化が進んでいるようです。

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▲210000系「ITX-セマウル」前頭部を側面から
それにしてもKORAILの車両は、とにかくインフレナンバー化が進んでいます。今や10万番台の形式も定番になってきました。

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▲210000系「ITX-セマウル」と、釜山駅終端部側を眺めて

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▲210000系「ITX-セマウル」乗降口
広域電鉄以外のKORAIL駅では、鮮鉄時代と同じ低床ホームが主流です。荒川(1906)中にある一文のごとく、こちらもステップは3段ですが、それでも段差が大きすぎるせいか、さらに補助ステップが1段付いています。しめて4つの段差を登ることで、ようやく車内へと入ることができます。

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▲たそがれのソウル行き「KTX」
高速鉄度初の正面衝突事故を起こすという不名誉を負い、保線状況の悪さが度々指摘されている「KTX」が、ソウルへの旅路を前に黄昏ています。釜山駅といえば、件の衝突事故の発生現場でしたね。

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詰所から駅員が出てくると、やがてソウルから来たムグンファ1211列車が颯爽と到着しました。牽引するのはドイツ製の8200形8271号機。

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▲KORAIL8200形8271号機を側面から

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ムグンファ1211列車は1分も停車することなく、客を降ろすとすぐに引き上げていきました。扉が閉じきる前に加速しますが、ケンチャナヨ。


▲引き上げる回送列車(ムグンファ1211列車)


続いて、DL牽引のムグンファ号が入線します。しかし釜山駅に出入りする列車は、電化区間の京釜線かKTX線を通る列車ばかりです。ということは、釜田駅で客を降ろした後の回送列車でしょうか。

釜山周辺のkorail
▲釜山周辺のKORAIL路線図(現在)
KORAILでは、京釜線・高速線(KTX)方面の列車は釜山発着に、東海南部線・慶全線・中央線方面の列車は釜田駅発着にするなど、乗り入れ路線ごとに「住み分け」がなされています。よって、釜山駅は韓国南部を代表するターミナル駅ではありますが、発着する列車の本数は意外にも多くありません。

現在では上の路線図のうち、京釜線の釜山~釜山鎮~沙上方面と、東海南部線・蒲田線・伽耶線の釜田~伽耶~沙上方面のみ、定期列車の乗り入れがあります。


▲終端部方面から、210000系「ITX-セマウル」が入線
写真上の列車はやがて、ソウル行きのITX-セマウル1720列車となります。


▲21000系「ITX-セマウル」を横目に、ソウル・幸信行きKTX162列車が出発


今回の駅撮りは、博多行きのフェリー「ニューかめりあ」出発までの時間を利用して行いました。乗船手続きの締め切りまで1時間近くありますが、釜田から来たムグンファ回送の出発シーンを収めて撮影を終えることにします。

撮影日:2016年4月5日
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