
▲阪堺電車最南端にある浜寺駅前電停
今回の旅は浜寺駅前電停から始まります。阪堺電車はいわゆる路面電車ですが、専用軌道の区間が多く存在します。やはり専用軌道中にある浜寺駅前電停には、立派なホームと木造駅舎が建てられています。

▲今回乗車するのは701形704号

朝っぱらで人の少ないホームから電車内に入ると、乗客はまばらで運転士の姿もまだありません。出発までだいぶ時間があるのでしょう。私は最後部に席を陣取り、過ぎ去る景色を眺めながら過ごすことにしました。

▲阪堺701形車内

浜寺駅前を出ると、列車は専用軌道上を進んでいきます。速度が40キロ止まりの点を除くと、まるで地元福岡の筑豊電鉄に乗っているかのような感覚を覚えます。専用軌道の延長が長い点といい、線形が良い点といい、阪堺電車は「路面電車」というよりもむしろ、インターアーバンに近い乗り物です。
やがて専用軌道区間は終わり、御陵前からは大通りの中央に入っていきます。この区間は併用軌道ですが、線路には敷石がなく、道路と線路が完全に分離されている状態です。つまり、限りなく専用軌道に近い併用軌道といった所でしょうか。

再び専用軌道に戻って大和川を渡り、車庫が見えると我孫子道に到着します。戦前生まれの古い電車は車庫の一番奥に留置されていました。

住宅地のど真ん中を通っている阪堺電車の沿線には、一面生活臭が漂っています。線路敷きにも生活の営みは見られます。例えば写真上、線路際に三輪車が放置されています。
整然としていない雰囲気は、今の日本では好まれていないかもしれませんが、あれはあれで昭和の時代を感じさせて悪くないです。

▲住吉付近を行く1001形「堺トラム」
住吉大社の鳥居が近づくと併用軌道に入り、ついで住吉から上町線に入っていきます。阪堺線はそのまま併用軌道を行きますが、上町線(天王寺駅前)方面は住吉電停から専用軌道になります。近年廃止された住吉公園~住吉間の軌道敷を横目に、大阪市住吉区の住宅街に入っていきます。

▲専用軌道で帝塚山を通り抜ける
住吉から途中、専用軌道と併用軌道区間を1回ずつ挟んで、ようやく阿部野区中心部に来ました。あべの筋で併用軌道に入ると、終点天王寺駅前まで道路上を走ります。

浜寺駅前を出て約40分、天王寺駅前に到着しました。周囲を見渡すと、どこも高層ビルだらけという大都会です。
浜寺から天王寺にかけて、町並みをじっくりと眺めることができ、面白い旅になりました。阪堺は均一運賃を採用しているので、210円でのんびり旅をすることができます。時間に余裕のある方は、あえて阪和線や南海線ではなく阪堺電車を使ってみませんか。
撮影日:2016年7月3日
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