(目次)
山中に眠る廃駅「旧東青山駅」をめぐる (前編)
山中に眠る廃駅「旧東青山駅」をめぐる (後編)



1971年10月、近鉄大阪線の総谷トンネル付近で脱線・衝突事故が起きました。死傷者を多数出したこの大惨事は、日本の鉄道史に大きくその名を残すことになりました。

当該区間は複線化されておらず、将来的な複線化が計画されていました。しかし、脱線・衝突事故が起きたことで、複線化が前倒しで実施され、4年かけて複線の新線が建設されました。そして1975年、青山峠を貫く新青山トンネルが完成したことで、西青山・東青山両駅は現在地に移転しました。

新線切り替え後、旧西青山駅は乗馬クラブに転用されましたが、山中にあった旧東青山駅はホームもそのまま、自然に還っていきました。駅舎やホームの一部は取り壊されていますが、現役時代の面影を色濃くとどめているそうです。今回はそんな旧東青山駅に向かい、駅跡地を捜索してみようというのです。

しかし問題が一つあります。旧東青山駅がとにかく山深い場所にあるということです。最寄りの東青山現駅から直線距離でも約3キロ離れています。私の足で3キロ歩いたり走ったりするのは容易ですが、それはあくまでも平地での話です。山奥ですから、道は曲がりくねっていますし、坂だって急勾配でしょう。不安は山ほどありますが、気合を入れて登ることにします。

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東青山現駅から1キロほど坂を下り、国道165号沿いに出てきました。国道に沿うように小さな集落があります。

駅周辺には公園以外なにもなく、おまけに公園が休園日でしたから、あまりの静けさに驚いたものです。坂を下ってようやく人の気配を感じました。はるか山の上から、電車の走る音が聞こえてきます。

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▲東青山駅最寄りの集落

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国道に沿って小さな峠を越え、少し進むと垣内交差点が見えてきました。

途中で疲れて腹が減ってきましたが、付近にコンビニや売店の類はありません。東青山駅を出てから食料調達するのは困難です。前もって何か買っておくべきでしたね。

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垣内交差点で国道からそれて、かつての初瀬街道を進んでいきます。

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▲倒木に屋根をえぐりとられた民家
少し進むと、かつての初瀬街道垣内(かいと)宿が見えてきました。街道自体、拡幅されておらず、おまけに古い住宅が多数残っているため、宿場町としての風情を色濃く残している場所です。

気分は名張入りに気が滅入る風車の弥七・・・と言いたいところですが、腹が減ってきたので、今や『三匹が斬る』の千石状態です。もちろん、地蔵堂に団子がそなえてあっても食べたりしませんよ(笑)

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▲シロモチ君、いせわんこ、そして・・・フライングの女王ゴーちゃん
垣内宿を歩いていると、気になるポスターを発見。なんでも、津市内でスイーツフェスタがあるんだそうです。菓子博の後も、こうやって「いせわんこ」が活用されているのを見ると、思わずほっとなります。機会があれば見に行くことだってできますしね。

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やがて建物は途切れ、いつの間にか山ばかりの風景になっていました。ここで地図を見ると、旧東青山駅まで半分の地点に到達したようです。このペースなら、30分で旧駅に到着できるかもしれません。

それにしても、垣内宿を出てから人気を全く感じなくなりました。それもそのはず、この先には集落が全くないのです。一応、「リベラルパーク青山」というレジャー施設はありますが、休業中なので静まり返っています。少し不安になってきました。

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途中でT字路に突き当たりました。直進路はハイキングコースらしく、砂利の多い未舗装路になっています。旧東青山駅に行くのであれば、ここで左折するのが正解です。

やがて、電車の走る音が聞こえてきました。ハイキングコースの奥に目をやると、立派な架線柱が見え隠れしていました。なるほど、すぐ近くを現行線が通っていたのです。

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左折した道はこれまで通り舗装されていますが、徐々に危なくなってきました。

道端には顔ほどの大きさもある石が落ちていますし、頭上からはパラパラと斜面の崩れる音が聞こえてくるじゃないですか。見上げてみると、斜面が今にも崩れんばかりに岩の塊を露出させていました。

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山道をさらに進むと、ついにアスファルトから簡易舗装になってしまいました。傾斜はきつくなり、鬱蒼とした森林のせいでずいぶんと薄暗いです。

木の枝や枯葉が道に積もっているのを見ると、この辺りまで人が来るのはそう多くないのかもしれません。いたとしても、一部の廃墟好きぐらいでしょう。

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やがて、水の流れる音が大きくなってきました。間違いない、これは滝の音です。

進むにつれて、水音は大きさを増していきます。トンネルのような物体があるので近寄ってみると、トンネルではなく巨大な排水口でした。その先は小さな滝になっています。この滝こそが音の主でした。

なんて山深い場所に駅を造ったのでしょうか。参急もとい大軌おそるべし。

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あまりに山ばかりの風景にうんざりしてきた頃、徐々に視界が開けてきました。目の前には小さな洞門もあります。これは近くに何かありそうですね。いや、何かないとおかしいです。

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洞門の横にそれはありました。明らかに場違いな風景が目の前に広がっていたのです。見た瞬間、あまりの感動と絶景と達成感で、思わず身震いしてしまいました。

これは間違いない、旧東青山駅です。東青山駅から山道をひた歩いて1時間、ようやく目的地に到着しました。

・・・というところで、前編は終了です。後編では旧東青山駅構内の様子を中心に見ていきます。

撮影日:2018年2月




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