樺太の鉄道は長らく、樺太庁鉄道・樺太鉄道等によって運営されてきました。これは樺太が外地としての性格を帯びていたためで、樺太庁は東海岸線の大泊港~栄浜駅間、西海岸線の本斗~久春内駅間、豊真線の豊原~手井駅間、川上線の小沼~川上炭山駅間を管轄していました。

やがて大戦末期の昭和18年4月、樺太庁鉄道と樺太鉄道(落合~上敷香)は樺太の内地編入と並行して、鉄道省(以下、国鉄)の路線に編入されます。いわゆる国有化です。

鉄道路線図南樺
▲昭和20年当時の樺太鉄道局管内路線図
国有化に際して一部路線の統合並びに路線名称の変更が行われました。東海岸線は旧樺太鉄道と統合のうえ樺太東線に改称され、西海岸線は樺太西線になり、いかにも国鉄らしい路線名となりました。東海岸線の末端区間にあたる落合~栄浜駅間は、国有化によって事実上の支線に「転落」しました。

今回は樺太における鉄道の国有化(樺太鉄道局の新設)を示す、昭和18年4月1日付の『官報』を読みながら、樺太内地編入の一側面を見ていきましょう。なお、当時の『官報』は旧仮名遣い・旧字体で記述されているため、適宜現代仮名遣い・新字体・句読点・送り仮名の追加に改めたうえで引用しています。

『官報 1943年4月1日』 樺太鉄道局新設


昭和18年4月1日付の『官報』には鉄道以外にも、樺太の内地編入に伴う記述が多く見られます。どれも内地編入後の樺太を知るうえでは必読に値するものばかりだと思いますが、今回は鉄道に絞ってご紹介します。鉄道に関する情報量もまた多いため、全情報をお届けするわけにはいきません。そこで個人的に興味深い情報をいくつかピックアップしました。

◎鉄道省告示第六十号
昭和十七年九月鉄道省告示第二百三号鉄道局地方官署設置の件中左(ママ)の通り改正する。
 昭和十八年四月一日
           鉄道大臣 八田 嘉明
別表中札幌鉄道局の部の次に左(ママ)のごとく加える。

      樺太鉄道局
豊原管理部          豊原市            樺太東線中大泊港栄浜間および貨物支線、豊真線、川上線、樺太西線、本留線
敷香管理部落合町樺太東線中「落合」上敷香間、内恵線
豊原工機部豊原市    機関車
豊原管理部管内
敷香同
客車
豊原管理部管内
敷香同
貨車
豊原管理部管内
敷香同


<コメント>
樺太庁鉄道・樺太鉄道の国有化に際し、樺太鉄道局が新設されたことを告示する一文です。なお、本留線と内恵線は鉄道路線ではなく自動車路線(現在のJRバスに相当)にあたります。それぞれ本斗と留多加、内路と恵須取を結んでいました。



◎鉄道省告示第六十三号
樺太庁鉄道の鉄道省移管に伴う国有鉄道線路名称など左(ママ)の通り改正する。
北海道の部の次に左のごとく加える。
 樺太
名称  区間
樺太線樺太東線(大泊港 上敷香間、落合 栄浜間および貨物支線)
豊真線(豊原 手井間)
川上線(小沼 川上炭山間)
樺太西線(本斗 久春内間および貨物支線)


<コメント>
鉄道省告示63号には路線名変更の告示について記されています。『官報』はあくまでも概要を示しているのみに過ぎませんが、『鉄道公報』には国有化・路線名変更に関する情報がより詳しく記されているといいます。ネット上に閲覧できる環境はほぼ無いため、所蔵先でぜひとも閲覧したいところです。




にほんブログ村 鉄道ブログ 鉄道旅行へ にほんブログ村 海外生活ブログ 台湾情報へ にほんブログ村 地域生活(街) その他ブログ ゆるキャラへ

「ご当地」の魅力をより多くの方にお伝えするため、ブログランキングに参加中です。

バナークリックの方もよろしくお願いいたします。



上のリンクからチャンネル登録できます。台湾旅行に興味のある方、レイルファン・ご当地キャラファンの方、どうぞ気軽にお立ち寄りください。




スポンサードリンク