もう残された時間がない…李登輝元総統の逝去に思う

コロナ禍の中、偉大な方がその波乱万丈に満ちた生涯を閉じました。台湾民主化の父として、日本語世代の代表者として、農学者として、李登輝元総統は日台に大きな功績を残しました。晩年まで精力的に活動されており、100歳間近とは思えないほどの話しぶり、そして気骨があったと思います。李登輝政権には功績もあれば問題点もありますが、確かに言えることは、台湾人による民主国家の礎を築いたことです。組織(国民党)に身は染ま...

復元工事中!屏東駅前のレトロ建築「大和ホテル」

台湾南部、台鐵屏東駅前のレトロ建築が復元真っ最中です!もとは「大和ホテル」という旅館だったこの建物は、1939(昭和14年)に建てられました。20世紀末まで旅館として使われたせいか、原型をとどめた状態で今も残っています。少し前から改装が始まって、だいぶ復元が進んだと聞いています。屏東まで来たついでに、大和ホテルを見に行ってみました。大和ホテルは美しい姿で佇んでいました。外観はほぼ完成しているらしく、内装工...

旧阿緱神社=屏東公園(屏東県屏東市)―太鼓橋が残る神社跡

古くは阿緱(あこう)と呼ばれていた、台湾南部の屏東市。ここには日本統治時代に阿緱神社という立派なお社がありました。現在、神社跡は屏東公園と県立陸上競技場になっています。かつての遺構がどのくらい残っているのか、現地に出向き調べてみました。まずは阿緱神社の正面入口だった場所に来ました。かつては真正面に鳥居があったはず。今では真正面にパーゴラ(つる植物を育てる棚)が広がっています(写真上)。参道跡はその...

旧高雄神社=高雄市忠烈祠(高雄市鼓山区)―復元参道を見に行った

日本統治時代の台湾には、多くの神社が鎮座していました。今回ご紹介する旧高雄神社もその一つで、現在は高雄市忠烈祠になっています。同神社はかつて、寿山の中腹部に鎮座していました。その境内は高雄港を眼下に見下ろせる絶景を持ち、高雄を代表する景勝地に数えられました。1929(昭和4)年の造営にあたり、大物主尊、崇徳天皇、北白川宮能久親王の3柱を祀り、32(昭和7)年には旧県社に昇格しています。県社への昇格は、デジ...

ライトレールが走る!高雄旧市街地「ハマセン」をゆく

日本統治時代に高雄の中心部があった愛河西岸部のうち、とくに海沿いの地域は「ハマセン」と呼ばれ親しまれています。近年ではライトレールが延伸したことで、以前よりもいっそう観光地化が進みました。今回は徒歩でハマセンをめぐり、いくつか見どころをご紹介したいと思います。まずは「ハマセン」の範囲から、簡単に解説します。このハマセン(哈瑪星)という単語は日本語の「浜線」に由来するもので、すなわち臨港線のことです...

【台湾ホテルガイド】文賓大飯店 駁二館(高雄市塩埕区) ※格安部屋&朝食事情

台湾の安宿からオシャレなホテルまでご紹介する、台湾ホテルガイド。今回は高雄市にある「文賓大飯店 駁二館」についてお届けします。こちらのホテルは高雄メトロ塩埕埔駅から近く、台鐵高雄駅から電車だけで行くことができます。第二桟橋(駁二)のアート街やライトレールの駅は、ここから歩いて5分ほどという近距離にあります。行動するうえで好立地にあるといえましょう。外観は一般的なホテルです。若干古さを感じますが、そ...

バスがなけりゃ歩いちまえ!夜の高雄をめぐる(西子湾~塩埕埔~自強夜市~興中夜市)

2020年2月、5年ぶりにして初となる高雄での一泊を前に、チョットだけ夜の街を散策してみました。ホテルでのチェックインを挟み、西子湾から三多商圏を目指して、LRT&徒歩での市街地横断に挑戦です。今回のスタートはコチラ!旧高雄港駅を活用した鉄道公園です。夜の公園には野良犬が多いので、極力人気のない場所は避けて、高雄ライトレールのハマセン電停に向かいます。数年前に開業したという高雄ライトレールは、架線のない軌...

【塩埕埔】高雄のご当地グルメをいただく!「周焼肉飯 塩埕店」の焼肉飯・魯豆腐・味噌汁

高雄に来たらコレを食べておかねばなりません。その名もシンプルな「焼肉飯」です!文字通り焼いた肉をのっけたご飯もので、数多くの店が同名の料理をウリにしています。今回はその中でも有名な「周焼肉飯」を訪れました。高雄旧市街地にある塩埕店のほか、屏東・東港にも支店を展開しています。今回は高雄メトロ塩埕埔駅から歩いて10分の場所にある塩埕店に入りましょう。ちょうど夕食時でしたが、意外にも空いていました。まずは...

旧橋仔頭社(高雄市橋頭区)―橋頭糖廠に復原された神社参道

高雄市橋頭区にかつてあった砂糖工場で、現在は歴史公園として開放されている「橋頭糖廠」にやってきました。こちらには、日本統治時代に構内神社「橋仔頭社」が建立されていました。社殿跡には中山堂という施設がたち、その周辺には石灯篭・社号標・石盤が置かれています。これらの構造物は、2005年に日本人を含む有志によって復原されたもので、境内跡に散らばっていた遺物を集め、当時とほぼ同じ場所に置き直したものです。一連...

台糖南靖糖廠(砂糖工場)の歴史遺産をたどる(嘉義県水上郷)

サトウキビ栽培が盛んな台湾では、古くから各地に砂糖工場(糖廠)が置かれました。その多くが操業を終えたのちテーマパークとして活用されており、運搬用の軽便鉄道や戦前の木造宿舎といった、歴史的価値のある付属施設をウリにしています。どの工場も魅力的な存在ですが、中でも私の心をつかんだのが、嘉義県水上郷にある「南靖糖廠」です。主要道沿いにあるとは思えないほど、整然として落ち着きのある街並みがあって、その雰囲...

【台湾ホテルガイド】微旅時尚飯店(雲林県斗六市) 付録:屋台で買った魯肉飯&味噌汁

2020年2月、虎尾糖廠の五分車を撮影するため、雲林県斗六で一泊しました。斗六で前回宿泊した、駅前の真岡大飯店に宿をとる予定でいましたが、すでにagodaの枠が満室になっているようで、近くにある別のホテルを予約しました。それが今回ご紹介する「微旅時尚飯店」です。ホテル外観場所は斗六駅から歩いて3分と近い場所にあります。目印は「斗六円環」と呼ばれるロータリー交差点です。建物は6階建てになっていますが、うち4階が...

【斗六西市場】熱々クリーミー!「呉記肉円」の絶品バーワン(雲林県斗六市)

台湾西部、雲林県斗六市の「斗六西市場」に美味しいバーワン店があるというので、早速行ってみました。今回は数店舗ある中から、「呉記肉円」をチョイス。どんな絶品バーワンが待っているのでしょうか?店はかなり奥まった場所にあります。小さな路地のそのまた路地に入り、潜るように進むと見えてきました。ここ斗六西市場はローカル色が強く、たいへん風情のある市場です。散策するだけでも面白い!「巷仔内 呉肉圓」という看板...

台中ランタンフェスティバル2020 后里森林園区に行ってみた!(2)

台中ランタンフェスティバル会場の后里森林園区に来てから、はや1時間が経ちました。空はすっかり暗くなり、ランタンが会場を照らして良い雰囲気になっています。ご当地キャラ色満載の日本ゾーンを抜けて、いよいよ会場最深部のコンテストゾーンに入ります。コンテストゾーン入口に立つと、もう見えています!奥にいくつもの小型ランタンが並んでいるではありませんか。一帯いくつ置かれているのか・・・あまりにも多くて、数えるのも...

台中ランタンフェスティバル2020 后里森林園区に行ってみた!(1)

2月の恒例となっている台湾のランタンフェスティバル。今年2020年は台湾中西部、台中市内で開催されました。中国で発生した新型肺炎の蔓延が心配されましたが、多くの来場者でにぎわいました。今回は台中フローラ博(2018~19年)の会場を転用した、后里森林園区の会場をめぐり、様々なランタンを見てみようと思います。個人的にはご当地キャラ(ゆるキャラ)要素があるかどうか、それが一番気になっています。収集できれば万々歳...

【台北駅前】インドネシア料理店「SARI RASA」のナシゴレン【旨辛】

台北駅の東側に行くと、インドネシア人向けのお店がたくさん並んでいます。この場所に初めて来たのは、たしか2012年頃、初めて台湾を訪れたときのことでした。当初は怪しい雰囲気にすぐ引き返したものですが、今となっては台北駅前の名物だと思っています。そんな「インドネシア街」には、本格インドネシア料理店がいくつもあるそうです。いずれ立ち寄りたいと考えてから数年、ようやく入店の機会が訪れました。今回は路地裏にある...

ローカルな三和夜市で「モンゴル焼肉」を食す(新北市三重区)

宿泊したホテルの関係で、たまたま近くにあった三和夜市(新北市三重区)を訪れました。台北市外ということで、比較的マイナーな夜市にあたるのではないでしょうか。全体的にローカルな雰囲気が漂い、日本人の姿は見当たりません。台北市内の士林夜市はまず日本人ばかりですし、中心部の寧夏夜市も日本人が多いですけれども、これらとは対照的です。三和夜市の範囲は広く、中央北路を中心に南北400メートルにわたって、出店がビッ...

【台湾ホテルガイド】ヘイベアーカプセルホテル=黒熊好眠站(新北市三重区)

台湾に数多存在する安宿に代わって、新たに勢力を伸ばしているのが「カプセルホテル」です。さっそく寝心地を確かめてみようと、新北市三重区にある「ヘイベアーカプセルホテル」に一泊しました。その名の通り、タイワンツキノワグマがマスコット(ゆるキャラ®とも)をつとめるカプセルホテルです。館内に入ると、オーベア組長もビックリするほど熊だらけでしたが、その様子はまた後程。外観台北メトロ新荘線の台北橋駅を出ると、...

【日月潭】水社地区をめぐる&名勝風味餐庁で昼食(南投県魚池郷)

あれだけ有名なのに、これまで日月潭に行ったことがありません。なにせ鉄道乗車にばかり精を出してきたものですから、鉄道沿線から外に出ること自体、ほとんどなかったのです。今回は鉄道から距離を置いて、バスを乗り継ぎ南投県魚池郷にやってきました。台湾屈指の景勝地として有名な「日月潭」の畔に位置する、水社地区をめぐっていきます。今回のスタート地点はこちら、バス発着所のあるビジターセンター。来訪者の多くがここを...

旧能高社=台湾地理中心碑(南投県埔里鎮)―台湾のおへそにある神社跡

南投県埔里鎮は台湾中央部にあることから、「台湾のおへそ」と呼ばれることがあります。そんな埔里には日本統治時代、能高郡の役所が置かれていました。現在でも南投県東部の要所ですが、昔から一帯の中心地として栄えてきたのです。今回めぐる能高社は、能高郡の鎮守にあたる存在でした。埔里市街地東部の虎頭山に建立され、昭和10年代まで社殿が鎮座していました。やがて、新しい社殿が造成されたことで、山麓に遷座。名称も能高...

霧社事件抗日記念碑(南投県仁愛郷)―中国国民党の「反日利用」に思う

台湾の日本統治史を語る中で、欠かせないのが「霧社事件」です。1930(昭和5)年に勃発したこの事件は、日本領台以後、最大にして最後の原住民暴動として知られています。事件の背景を語ると長くなるため、簡単に述べると、「内地人(日本人)による長年の蔑視・抑圧の結果、原住民セデック族の不満が頂点に達した」ことに起因するといえましょう。台湾総督府鉄道部が発行した『日月潭と霧社』(1937年)に顛末が分かりやすく書い...

旧霧ヶ丘社=徳龍宮(南投県仁愛郷)―霧社事件の舞台に残る神社跡

1930年秋、台湾中央部の能高郡蕃地を中心に、原住民セデック族による暴動が発生しました。これが日本統治時代最大にして最後の原住民蜂起といわれる「霧社事件」です。内地人による長年の蔑視・抑圧の結果、このような惨劇が生じたといえますが、同時に内地人にも多数の犠牲者が発生しており、事件終結のため原住民・内地人ともに多くの犠牲を払いました。今回はそんな霧社にある神社跡「霧ヶ丘社」について見ていきます。同神社は...

台湾のおへそにある温泉郷「盧山温泉」をめぐる(南投県仁愛郷)

台湾には至る所に温泉地があります。台北郊外にある北投温泉は交通の便がよく、一番なじみ深い温泉地として知られています。その一方で、あまりにも山奥もしくは不便の地にあるため、秘境感を醸し出している温泉地もいくつかあります。今回は台湾中央部の南投県仁愛郷にある、盧山温泉をめぐります。同地は大水害で壊滅的な被害を受け、旅館の大半が営業をとりやめました。政府は埔里郊外の福興農場に温泉街を開発したうえで、盧山...

廬山温泉の大衆食堂「富士風味餐庁」の蛋炒飯&麻婆豆腐

台湾の温泉地に行くと、よく目にするのが大皿料理を扱う食堂です。大人数での来店が前提になっているようで、一品当たりの量は多く、値段もそこそこ高めではないでしょうか。今回は台湾中央部の盧山温泉にある、「富士風味餐庁」で夕食をいただきます。こちらもご多分にもれず、大皿料理を扱う大衆食堂とあたります。さすがに一人で、大皿料理をいくつも注文するわけにはいきません。さて、なにを食べようかな。この「富士風味餐庁...

【台湾ホテルガイド】夏都大飯店=グリーンシティホテル(南投県仁愛郷)

台湾中央部、南投県仁愛郷の盧山温泉にある「夏都大飯店」に宿泊しました。今回は同ホテルがどうなっているのか、写真と文章を交えながらご紹介します。宿泊時期は2019年9月。夏都大飯店は温泉街の中心部にあって、盧山温泉名物の吊橋は、ここから歩いて30秒の距離にあります。すぐ目の前には食堂もいくつかあるため、夕食には困りません。もし食堂で食べないという場合でも、商店でカップ麺を買えば、館内の給湯器を使って食べる...

旧建功神社(台北市中正区)―学校に呑み込まれた洋風神社

学校に転用された神社跡地を求め、台北市南海路にやってきました。場所は台北市植物園に近い場所で、かつて建功神社のあった南海学園です。メトロ小南門駅から徒歩で訪れることができます。目次1 建功神社とは2 神社参道・鳥居跡3 玉垣4 方形池・社殿建功神社とは同神社は日本統治の開始以降、台湾開発・発展のために殉じた人々を祀るため、市制30周年記念事業の一環として、公費約9万円を投じて、台北市南門町の植物園内約4千...

【台北バス移動】南門から台北駅へ ちょっとだけ歴史建造物めぐり

台北といえば何を思い浮かべますか?台湾に初めて来た観光客は、その多くがツアー参加者だと思います。基本的にアミューズメント性の強い「王道観光地」に連れていかれることが多く、台湾の古い史跡や歴史そのものに触れる機会は、決して多くないはずです。ゆえに思い浮かべる場所といえば、たいてい忠烈祠や中正記念堂(ハゲ寺)といった場所が、答えの大半を占めると思います。目次1 自由行動で台湾の歴史に触れよう―城内と植物...

【台北市南門】台北植物園&欽差行台&南門町三二三でぶらり

台湾の首都台北はいわば「ビルの林」です。そこら中に雑居ビルやら集合住宅やらが立ち並んで、場所によっては薄暗い所も少なくありません。そんな台北には本物の林だってちゃんとあります。南門に近い台北植物園には、林に包まれた散策路があるそうです。はたして、大都会の台北で本当に森林浴ができるのでしょうか?さっそく植物園に向かいました。目次1 小南門駅から植物園入口へ2 欽差行台3 台北植物園腊葉館4 早田文蔵顕彰...

旧文山神社(新北市新店区)―空軍墓地になった神社跡

以前、花蓮県で墓地に転用された神社「抜子社」を見てきました。宗教施設に転用された神社なら、台湾の至る所にありますが、さすがに墓地になった神社跡地は多くありません。今回は墓地に転用された神社跡を求め、台北市南郊にある新北市新店区を訪れました。こちらにある旧文山神社が空軍墓地「碧潭空軍烈士公墓」に転用されているのです。旧文山神社への入口は、大きく分けて二つあります。一つ目は精忠路(北側)から入るコース...

碧潭風景区―都会と峡谷が出会うベッドタウン(新北市新店区)

台北といえば、高層ビルや集合住宅が立ち並び、やたらゴチャゴチャした印象が強いものです。それは郊外に行っても変わりません。集合住宅が密集しすぎるあまり、薄暗くなった路地なんてそこら中にあります。そんな台北首都圏にも、自然と触れ合える景勝地が点在しています。今回はその一つ、新北市新店区にある「碧潭風景区」をめぐっていきます。目次1 台北駅から新店駅へのアクセス2 碧潭風景区3 新店老街今回の散策は台北メ...

旧台湾神宮=円山大飯店(台北市中山区) 剣潭山に抱かれた、本島鎮守の今

明治以降の開拓地や旧外地には、その地域ごとに官弊大社クラスの大神社が建立されました。もちろん、台湾にも官幣大社は存在しました。それが台湾神社、のちの台湾神宮です。同神社は剣潭山の中腹に建立され、大国主命、大已貴命、少彦名命、北白川宮能久親王を祭神としていました。建立は明治33(1900)年9月18日の内務省告示第81号を通して発表され、翌10月20日に竣工、同27日には鎮座式が行われ、その翌日には例祭が執り行われ...