矢島藩主・生駒氏の居城「八森城」と城下町をめぐる(秋田県由利本荘市)
以前、四国の高松城を訪れた際に、同地を治めた生駒氏のお家騒動を知りました。この騒動によって生駒氏は改易され、堪忍領として出羽国矢島1万石を与えられます。のちに分知のため、旗本扱いになりましたが、幕末の戦いで新政府側に与したことで高直しを受け、1868年から71年までの間、短期間ながら矢島藩は復活しました。今回は生駒氏ゆかりの地であり、戊辰戦争の舞台にもなった矢島を訪ね、かつての居館「八森城」まで歩いてみ...
福島県浪江町の中心部&幾世橋地区をめぐる(浪江駅~道の駅~復興住宅~地蔵前)
2011年の福島第一原子力発電所事故から10年がたちました。かつての避難指示区域では復興が進みつつありますが、帰還人口の少なさが問題視されています。今回の舞台・浪江町も例外ではなく、原発事故前の半数にも満たない少数の住民だけが、町に戻る選択をしました。ついに帰還人口が頭打ちになった今日、浪江町がどのようになったのか、それを探るべく幾世橋地区をたずねました。▲浪江駅前にある町内周遊バス「うけどん号」停留所...
【JRバス東北で行く】夏場の酸ヶ湯温泉をめぐる(3=完)【日帰り入浴&帰路】
温泉周辺の散策を終え、バスを降りた場所と同じ、宿泊施設の前に戻ってきました。これから施設内で強酸性の温泉に入ります。ここ酸ヶ湯温泉では宿泊や長期間の湯治はもちろんのこと、日帰り入浴をすることも可能です。いったいどんな温泉が待っているのでしょうか。▲酸ヶ湯温泉は日帰り入浴可▲冷たい山水が流れる浴場前の水場入館前に周囲を見渡すと、冷たい山水をひいた水場がありました。これで顔を洗うと心地いいですし、飲むと...
【JRバス東北で行く】夏場の酸ヶ湯温泉をめぐる(2)【地獄沼&まんじゅうふかし】
有名な温泉どころに来た以上、「入浴してハイ終わり」としたくないのが、旅好きというもの。まずは温泉周辺の名所を散策して、それから温泉で汗を流そうと思います。さて、酸ヶ湯温泉の周辺にはどんな見どころがあるでしょうか?温泉施設の前にある地図とにらめっこしました。▲酸ヶ湯温泉に到着徒歩圏内に「地獄沼」「まんじゅうふかし」という、いかにも温泉地らしい名所を見つけました。早速行きたいと思います。さて、青森駅行...
【JRバス東北で行く】夏場の酸ヶ湯温泉をめぐる(1)【みずうみ号:JR青森駅→酸ヶ湯】
日本屈指の豪雪地帯として有名な、青森県の酸ヶ湯温泉をたずねました。JRバス東北を利用しての日帰り入湯です。まずはバスに乗るため、JR青森駅前にやってきました。当駅と十和田湖を結ぶ路線バスが1日3本(6往復)、酸ヶ湯に立ち寄ります。これから10時に出発する「みずうみ8号」に乗車する予定です。まずはターミナル内の券売機で切符を購入します。なお、ICカードも利用できるため、Suicaなどを持参していると便利です。片道136...
奥州藤原氏の栄華は今...平泉の史跡をめぐる(白山妙理堂~中尊寺~無量光院)
ほんの一瞬の思い付きでした。そもそも、平泉は通過するつもりでいました。その考えが変わったのは、乗っていた列車が平泉駅に着いたその時でした。もしかすると、次にここを通るのは1年後、いや10年後になるかもしれない。そう考えると、平泉に滞在するチャンスはけして多くありません。3秒でスケジュールを思い出し、今降りても支障はないと判断。意を決して平泉駅のホームに降り立ちました。さて、平泉に降りたは良いものの、こ...
初発神社(福島県浪江町)―原発事故からよみがえった北幾世橋の鎮守
今回は福島県浜通り、浪江町にある初発神社をめぐります。鎮座地は北幾世橋地区。▲初発神社入口の赤鳥居▲妙見橋の欄干と芳名碑▲初発神社参道全景▲初発神社社殿全景福島県指定重要文化財初発神社本殿 附 棟札 十五枚指定日 平成十八年四月七日所在地 浪江町大字北幾世橋字町後八七番地所有者 宗教法人初発神社相馬中村藩第二十一代藩主昌胤が元禄十四年(一七〇一)に退隠後、北幾世橋北原に移り住み、その北方の金ヶ森に造営...
宮城県石巻市の中心部をめぐる(石巻駅~金華山道~石ノ森萬画館)
はじめて宮城県石巻市に足を下ろしたのは、2020年大みそかのことでした。わずか30分という滞在時間を最大限に活用して、石巻市街地を散策したいと思います。今回の散策はJR石巻駅前から始まりました。さて、これからどこに行きましょうか。▲石巻駅前広場石巻と聞いて真っ先に思い浮かべたのが、「石ノ森萬画館」でした。さすがに時間も落ちていますし、滞在時間も短いですから、外観を見るのが精いっぱいでしょう。駅からどれぐら...
上杉神社(山形県米沢市)―藩祖上杉謙信をまつる社
上杉謙信をまつる神社があると聞き、米沢城跡にやってきました。上杉一族は米沢藩主として、幕末までこの地を治めていました。米沢城址には藩祖・謙信をまつる上杉神社が鎮座しています。これは明治初期に建立されたもので、かつては別格官幣社に指定されていました。▲上杉神社参道を眺めて参道沿いには、謙信が用いた「毘」「龍」の軍旗がなびきます。なお、謙信は生涯にわたり妻帯せず、養子として迎えたのが初代藩主・景勝です...
【原発事故から10年を迎えて】夜の森ニュータウンを歩く(福島県富岡町)
東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所事故から10年。あれから旧避難区域がどう変化したのか、その目で確かめる旅に出ました。復興事業やJR常磐線の復旧にともない、旧避難区域へのアプローチは年々容易になりました。自治体によっては帰還困難区域が設定され、いまだ立入りの制限された区域が目立ちます。今回は避難解除区域と帰還困難区域が混在する、双葉郡富岡町を歩きました。富岡町は震災前から、桜の名所「夜の森」で知ら...