今回お届けする「下関港国際ターミナル」は、JR下関駅から徒歩5分という好立地にあります。
下関駅からペデストリアンデッキを歩けば、地平に一切降りることなく、さらに横断歩道を一切渡ることもなく、ターミナルに至ることができます。とても便利ですね。戦前運行されていた「関釜航路」には「鉄道連絡」があったそうですから、船~鉄道間の連絡が良いのは、80年前も今も同じなのでしょう。
▲下関港国際ターミナル全景
国際ターミナルの待合室は2階にあります。ペデストリアンデッキから一直線、上り下りすることなくターミナルに到着です。ただしペデストリアンデッキには屋根がありませんから、雨の日は傘をお忘れなく。
▲下関港に停泊する関釜フェリー「はまゆう」
現在、下関と釜山を結ぶフェリー航路は二社によって運行されています。写真上の「はまゆり」は関釜フェリーが運行しているフェリーです。もう一社は韓国資本の釜関フェリーで、「ソンヒ(星希)」を保有しています。
今回あいにく釜山に停泊していた「ソンヒ」は、韓国側が運行していることもあって、船内にはいかにも韓国らしいオンドル部屋があるそうです。これは気になる!
▲下関港国際ターミナル入口の石碑
▲下関港国際ターミナル券売窓口
ターミナル2階には券売窓口・売店・喫茶店、そしてベンチ付きの待合室が併設されています。博多港の国際ターミナルよりもやや小ぶりといった所で、イミグレーションは上階にあるものと思われます。エスカレータで1階に降ると、1階玄関口と車寄せがあります。
▲下関港国際ターミナルの喫茶店
つい最近改装されたのか、木目調がお洒落な造りになっています。あまり船内レストランを利用しないという人は、長い船旅を前に、ここで簡単な腹ごしらえを済ませておくのも一手ですね。
▲下関港国際ターミナル待合室
券売窓口付近は天井が低く、やや圧迫感或る造りになっていますが、待合室周辺は広々とした吹き抜けになっています。待合室を見る限りだと、乗船客の多くが韓国人旅行者か下関在住の在日韓国人だったと思います。やはり日本人利用者は少ないのでしょうか。
▲関釜フェリー「はまゆう」模型
新門司港の各社フェリーターミナルに行くと、就航線の模型を散見しますが、下関にもちゃんと模型がありました。下関を拠点に運航する、関釜フェリー「はまゆう」の模型が展示されています。
港湾地帯は高い柵に覆われているので、なかなか船を一望することができないだけに、模型の存在は非常にありがたいです。おかげで、どういう形の船か参考になるのです。
さて、エスカレータで1階に降りてきました。1階から出入りする乗船客は少ないのか、ひっそりと静まり返っています。窓口にもカーテンが下ろされ、2階のような活気が見当たりません。そんな1階を散策していると、乗船口を示す表示板が目に入りました。
ここ下関には釜山方面に向かうフェリーのほか、中国・青島方面に向かうフェリーも就航していました。青島航路はオリエントフェリーによって運行されていましたが、旅客数の減少で2015年を最後に休止となっています。
▲関釜フェリー「はまゆう」ポスター
ターミナル内には関釜フェリー「はまゆう」のポスターが掲示されています。まだ関釜フェリーを利用したことのない身にとって、ポスターや先述の模型は、船の情報を得る手段として大変ありがたい存在なのです。
フェリーターミナルは乗船客が船を待つ施設ですが、見学するだけでも興味深い発見をすることができました。もし港町に立ち寄った際には、ぜひフェリーターミナルを見学してみませんか。港ごとの特色を発見して、土産話の種にしてみましょう。
撮影日:2016年7月22日