【二部作】あそぼーい!待機中/813系「指定席表示」、辛うじて健在
門司港行きの快速列車に揺られ、ちょうど九産大前駅を通り過ぎようとしていた時のこと。
九産大前駅周辺の線路は見通しの良い直線区間になっており、対向列車を遠くから見ることができます。駅ホームを通過中、ふと一直線先に黒い列車の塊が見えてきました。
福岡近郊を走る列車で黒い列車といえば、「ななつ星」を思い浮かべるものですが、あの列車はそもそも博多以東には行きません。次に思い浮かべるのは817系ですが、にしてはライトの形状が違いすぎる。
対向列車とすれ違う8秒前になり、ようやくその正体に気が付きました。通常なら豊肥本線を走っているはずの観光特急、キハ183系「あそぼーい!」です。

「あそぼーい!」号は2016年熊本地震のため、長期運休を余儀なくされている豊肥本線から離れて、現在は福岡の地で熊本の復興を待ち続けています。遊休化した同車を活用して、博多~門司港間で臨時運転が行われることもあり、今後とも目が離せない車両の一つです。
「あそぼーい!」が走るJR豊肥本線のうち、立野~赤水駅間は震災による土砂災害のため、年単位の長期運休が避けられない状況です。しばらくの間、本拠地・阿蘇でその姿を見ることはできなくなりますが、遠い福岡の地で熊本復興を願いながら、ときおり子供たちを載せて爆走しています。
数十か月後、「あそぼーい!」が復興した阿蘇谷に舞い戻る日を待ち遠しく思っています。
811系や813系の一部に、「自由席・指定席切り替え表示」が設置されていたのは記憶に新しいです。いずれも指定席のある列車に充当されることがないため、表示器が使用されることはありませんでした。不要と判断されたのか、表示器は数年前から徐々に撤去されてきました。

全ての表示器が撤去されたのかと私は思っていましたが、決してそうではありませんでした。

813系R203編成に乗車してみると、クモハ1両にのみ「自由席・指定席切り替え表示」が残存しています。写真上は運転台側の表示器を撮影したもの。

▲クモハ813-203の「自由席・指定席切り替え表示器」のうち、連結部側を撮影したもの

同じR203編成でも、クモハのお隣サハやクハには表示器がありません。なるほど、車両によって表示器があったりなかったりするということです。通常の車両とは違う、何気ない差異を探してみようと思えば、結構見つかりそうですね。
もちろん、上記に述べたことなど、極めに極めたレイルファンであれば大方知っていることでしょう。それでも詳しくない人間からすれば、大きな発見になりうるものです。
撮影日:2016年5月31日
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