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台鐵台東駅で「珍車」発見!DR2510形&DR2700中間車

2017年4月、台北から乗車してきた夜行列車から早朝の台東駅へと降り立ちました。時刻は5時半。まだ4月とは言え台東の空は既に明るく、昨日から降り続ける雨で地面は濡れています。

そんな台東駅では改装工事が行われており、駅全体が工事現場と化していました。

台鐵台東車站
▲工事中の台東駅

駅舎の正面玄関は工事のため閉鎖されています。暫くの間、駅待合室へは側面から入ることになります。

台鐵616次莒光號在台東站

駅ホームでは台北から乗ってきた莒光号616次が、長旅を終えてつかの間の休息をとっています。

台鐵莒光號客車SP32770
▲自転車搭載スペースのあるSP32770

616次には基本的に自動扉の10200系客車が使用されています。この系列ではステンレス製の軽量車体を採用しており、屋根上の冷房装置が一番の目印となっています。ところが2両だけ、本来ならば手動扉の32850系客車が連結されています。

その32850系というのが自転車搭載スペースを備えた改造車両で、他の車両にあわせて自動扉に改造されています。今回、616次にはSP32770・SP32772が連結されていました。

台鐵莒光號客車SP32772
▲自転車搭載スペースのあるSP32772

台鐵台東車站月台

駅ホームに置かれているベンチに目をやると、側面の形状があたかも人の顔に思えて吹き出しそうになりました。

台鐵台東車站月台

台東駅ホームでも大規模な改装工事が行われており、装飾品がホーム中央部に集めておかれていました。工事が終わればモダンなホームへと生まれ変わるのでしょう。

台鐵DR2510型在台東站

台東駅の山側には広い留置線があります。機関車が集まる花蓮機関区台東分所とは対照的に、こちらには主に電車・休車が留置されています。

台鐵DR2510型在台東站

休車は一つの線路にまとめて留置されています。その中には1990年に製造されたDR2510形の姿もありました。2両のみの製造にとどまった希少な存在です。

被報廢的台鐵DR2750型在台東站

DR2510形の奥には2014年7月に定期運用を離脱した、DR2700形が留置されています。DR2510形の背後には1両だけ、DR2700形の中間付随車DR2750形が連結されていますが、ガラス窓はなく状態は悪いです。

台鐵DR2510型在台東站
▲DR2510形の側面を眺めて

JR九州のキハ200系とは同世代にあたりますが、こちらの方がはるかに古いデザインのため、一見すると1970~80年代製造と錯覚してしまいます。

台鐵DR2510型在台東站
▲DR2510形乗降口付近

乗降扉のすぐ横には謎の物体が掲示されていますが何でしょう。

台鐵DR2510型在台東站

DR2510形の八堵側前頭部にはトイレが設置されており、該当箇所の妻面には運転台側にしか窓がありません。その様子はあたかも阪伊間を疾走した近鉄2200系を彷彿とさせます。

台鐵DR2752
▲1両だけ現存するDR2700形の中間車DR2750形(DR2752)

台鐵TEMU1000型太魯閣號在台東站

一方、旅客列車が発着するホームに目をやると、いつの間にかTEMU1000形「タロコ」とDR2900形自強号が停車していました。TEMU1000の方はハローキティラッピング車で、つまるところ2016年に導入された一番新しい編成です。

台鐵DR2900型自強號在台東站
▲台東駅で出発を待つDR2900形自強号

南廻線の電化区間は現在、台東~知本までの短区間にとどまっていますが、近い将来に全線での電化工事が予定されています。同路線を行くDC自強号を堪能するのであれば、今のうちかもしれません。

台鐵MBK80015
▲台東駅に止まる郵便荷物車MBK80015

台鐵EMU500型區間車在台東站
▲台東駅に停車するEMU500形

台鐵EMU500型區間車在台東站
▲EMU500形の行先表示器は「台東」を指している

台東線のローカル輸送は現在、EMU500形が担っています。電化前と同様本数は非常に少なく、朝・夕方ラッシュ時を中心に区間車のダイヤが引かれています。

最後にEMU500を見たところで、台東駅での撮影を終えました。

撮影日:2017年4月1日
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COMMENT

レラティー

おはようございます。

ベンチのケロちゃん(?)にせよ、客車にせよ、楽しいですよね。

台鐵(基隆台北線?)と道南いさりび鉄道線、共通点は少ないので、提携には驚いております。

いさ鉄、集客アップへ台鉄と協定目指す 台湾客向けイベント列車や周遊券構想 http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/area/donan/1-0405710.html #どうしんウェブ/電子版

2017年06月01日(木)07:23

wra

レラティーさん

> おはようございます。

レラティー様、引き続きコメントありがとうございます。


> ベンチのケロちゃん(?)にせよ、客車にせよ、楽しいですよね。

ケロちゃん・・・なるほど!たしかにあの表情はカエルのような気がしなくもありませんね~


> 台鐵(基隆台北線?)と道南いさりび鉄道線、共通点は少ないので、提携には驚いております。

江ノ電での成功を受け、台鉄との提携が増えてきていますね。キハ40がDR1000のような塗装になったら面白そうです。パーツも似ていますし・・・

2017年06月01日(木)22:35

レラティー

>江ノ電での成功を受け、台鉄との提携が増えてきていますね。キハ40がDR1000のような塗装になったら面白そうです。パーツも似ていますし・・・

江ノ電では、どのような効果があったのでしょうか?

道南いさりび鉄道は、お金が無いのか塗装変更は遅々としており(JR北海道時代のままのもあります)、塗装変更したものは濃紺なので、再度の塗装変更は考えづらいです・・・
とはいえ、未更新のもののうち、1両ぐらいは変えてほしいです。
北海道新幹線効果で、アジアからの観光客も道南は増えていますが、函館だけじゃなく、いさりび沿線にも(トラピスト修道院など)広まってほしいです。

2017年06月05日(月)07:33

wra

レラティーさん

> >江ノ電での成功を受け、台鉄との提携が増えてきていますね。キハ40がDR1000のような塗装になったら面白そうです。パーツも似ていますし・・・
>
> 江ノ電では、どのような効果があったのでしょうか?

江ノ電・台鐵平渓線提携乗車券の件はご存知ですか?
詳しいことは私が申し上げるよりも、ネットで関連情報をご覧になった方が早いと思います。


> 道南いさりび鉄道は、お金が無いのか塗装変更は遅々としており(JR北海道時代のままのもあります)、塗装変更したものは濃紺なので、再度の塗装変更は考えづらいです・・・
> とはいえ、未更新のもののうち、1両ぐらいは変えてほしいです。
> 北海道新幹線効果で、アジアからの観光客も道南は増えていますが、函館だけじゃなく、いさりび沿線にも(トラピスト修道院など)広まってほしいです。

経営が苦しすぎて末期症状に至っているJR北海道ともども、今後どうなるか目が離せませんね。

2017年06月06日(火)19:49

負鷺

台東で下車した際に留置されている車両の向こう側にDR2510形がいたことを思い出しました。
訪問時には形式も分からず
キハ20と同世代かそれ以前の相当古い車両なんだろうと勝手に思っていましたが1990年製だったとは…
貴重な車両なので保存されているのかと思いましたがそういうわけでもなさそうですね

2017年08月03日(木)21:13

wra

負鷺さん

> 台東で下車した際に留置されている車両の向こう側にDR2510形がいたことを思い出しました。

なるほど、ずっとあの位置に置かれたままなんですね。


> 訪問時には形式も分からず
> キハ20と同世代かそれ以前の相当古い車両なんだろうと勝手に思っていましたが1990年製だったとは…

見た目が随分と古く見えるので、製造時期を知らないと70年代に製造されたなんて思いこんじゃいますよね~


> 貴重な車両なので保存されているのかと思いましたがそういうわけでもなさそうですね

たまにイベント列車で走ることもあったようですが、最近ではめっきり稼働している情報を聞きません。あのままDR2300等のようにボロボロになっていくのか・・・気になる所です。

2017年08月05日(土)00:55