沖縄へ続く道は歴史街道 国道58号「九州区間」を走破する

一口に国道と言っても様々な種類があります。一般国道は普段われわれが「国道」と呼んでいる道路を指しますし、高速自動車国道といえば高速道路のなかでも特に規格の高いもの(高規格道路A路線)を指します。

現在では新設国道には専ら3ケタの番号が付与されますが、古くから存在する重要な国道には1・2ケタが付与されてきました。これらは1965年以前の一級国道にあたるものです。

65年の道路法改正以降、新設国道には基本的に3ケタの番号が付与されるようになりました。ただし例外が一つだけあり、鹿児島市と沖縄県那覇市を結ぶ国道には沖縄返還後、58号が付与されています。希望的観測ですが、今後南樺太が日本領に復帰した場合、ひょっとすると大泊~敷香間の道路に「59号」が付与されるかもしれません。



国道58号線の起点「中央公民館前交差点」


さて今回は、2ケタ国道の異端児58号線の九州区間を走破してみました。

九州区間とはいっても大した距離ではありません。その距離はなんと1キロもないのですから。わずか数百メートルと短い区間ですが、沿道には多くの史跡や維新期に活躍した薩摩藩士の銅像があります。西郷隆盛像のある中央公民館前交差点から鹿児島港を目指して進みました。

DSCN4600.jpg
中央公民館前交差点は国道58号線の起点にあたります。いかにも海上区間のある国道らしく、九州区間の終点はフェリー発着場に近い場所です。青い道路看板にも、58号線の行く先に「種子島・屋久島フェリー」という表示があります。

DSCN4603.jpg
▲国道58号線の起点・中央公民館前交差点

西郷隆盛銅像


DSCN4601.jpg
鹿児島市内には維新期に活躍した薩摩藩士の銅像がいくつかありますが、その中でも一番有名なものが西郷隆盛像です。この西郷像は国道58号線の起点・中央公民館前交差点にあります。上野の西郷像が浴衣姿なのとは対照的に、こちらは軍服姿です。

中央公民館


DSCN4602.jpg
中央公民館前という交差点命からお分かりの通り、交差点のすぐ横には中央公民館があります。公民館といえば小さな建物を連想しがちですが、こちらは立派なレトロ建築です。昭和2(1927)年に竣工したこの建物は当初、鹿児島市公会堂として使用されていました。どうりで立派な建物なわけです。

中央公園


DSCN4604.jpg
中央公民館から国道58号を挟んで向かい側には中央公園があります。

「幻の宰相」小松帯刀銅像


DSCN4605.jpg
中央公民館の隣には宝山ホールという建物があります。その前には幕末・維新期に活躍した薩摩藩士・小松帯刀(清廉)の銅像が鎮座しています。

西郷隆盛や大久保利通に比べると知名度は低いですが、薩摩藩の若き家老として幕末~大政奉還~明治維新のプロセスに大きくかかわった人物です。坂本龍馬との親交もあり、亀山社中の設立にも関わっています。NHKの大河ドラマ『篤姫』で重要人物として登場した小松は、それを機に一躍有名な人物になりました。

DSCN4606.jpg
▲小松帯刀像
銅像の立ち姿は、二条城で15代将軍徳川慶喜を前に、大政奉還を進言する様子を再現したものです。小松は明治維新後、わずか数年で病気のため他界します。若くして惜しい人材を亡くしてしまったと、ときの人々は小松を「幻の宰相」と呼び称えました。

鹿児島県里程元標


DSCN4608.jpg
▲麦生田驛へ四里拾四町七間
郡山驛ヘ三里三拾壹町貳拾間二尺
谷山驛へ二里拾八町四拾七間四尺
伊作驛ヘ七里拾六町三拾九間貳尺

県文化センター前交差点にやってくると、ここで細長い石柱を発見しました。石柱の正体は明治年間に建てられた里程標でした。碑文中の「駅」は鉄道駅のことではなく、宿駅すなわち宿場を指しています。

DSCN4609.jpg
▲鹿児島県里程元標

山形屋


DSCN4611.jpg
58号線をさらに進むと、鹿児島市電との交点(あさひ通り交差点)に出てきました。この近くには鹿児島を代表する百貨店「山形屋」があり、鹿児島市きっての繁華街が広がっています。

「大阪商業近代化の功労者・五代さま」五代友厚銅像


DSCN4613.jpg
路面電車の線路を越え、少し進むと海の香りが強くなってきました。遠くには桜島がかすかに見えます。やがて右側に泉公園が見えてきました。ここにも明治期に活躍した薩摩藩士の像があります。その正体はNHKのドラマ『あさが来た』で一躍有名になった五代友厚でした。いわゆる「五代さま」ですね。

五代は大阪商業の近代化に尽力した人物として知られています。『あさが来た』放送中はあまりの人気ぶりに、銅像前は多くの女性で賑わったといわれています。この現象は『篤姫』放送中の小松帯刀像でも見られました。

58号線は広大な水平線へ


DSCN4614.jpg
五代友厚像から58号線九州区間の終点まではそう離れていません。少し進むと泉町交差点に出てきました。この辺りが九州区間の終点とされています。。ここまで来れば、奄美海運のフェリー乗り場まであともう少しです。

なお、すぐ近くには「村にない村役場」として知られる、三島村役場と十島村役場もあります。似たような例は他に沖縄県竹富村しかなく、三島・十島両村は非常に珍しい形態の自治体といえます。

十島村に属するトカラ列島は、とにかく辺鄙すぎることで知られています。フェリーは週に数本しか走ないうえに、列島が縦に細長く、村内を行き来するのは容易ではありません。年に一度運航されるという「レントゲン便」(十島村営フェリー)に乗って、いつかトカラ全島を制覇してみたいものです。

撮影日:2017年9月9日
関連記事

Comment

たっつん

大変おくればせながら、ブログ7周年おめでとうございます。
これからもよろしくお願いします。

2017年09月24日(日)04:21

wra

たっつんさん

ありがとうございます!
何年続けられるかどうかは未知数ですが、気力がある限り書き続けていきたいと考えています。

2017年09月24日(日)23:03