高千穂あまてらす鉄道 高千穂駅(宮崎県高千穂町) ―豪雨の悲劇から蘇った観光地

欧米では廃線跡を活用した保存鉄道がよくあるんだそうです。一方の日本では、法的な制約が多いせいか、保存鉄道の構想は多いものの、結局断念するか距離の短縮を強いられています。

今回は九州宮崎県にある保存鉄道、高千穂あまてらす鉄道の高千穂駅に来ています。災害により復旧を断念した高千穂鉄道の線路を活用して、観光用のトロッコ列車を走らせています。

現在は高千穂~天岩戸駅の約1区間(実際には少し先の高千穂鉄橋まで走行)のみの運行ですが、将来的には日之影町内への乗り入れも視野に入れているのだそうです。今回は運行拠点のある高千穂駅をめぐっていきます。



駅舎・駅構内


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高千穂駅は町中心部から少し外れた場所にあります。掘割の中にあるため、付近の県道から階段を降りて駅に向かいます。

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駅に向かう階段の途中から、高千穂駅構内を一望してみます。発着線の構造は1面2線で、国鉄時代は1面1線の棒線ホームでした。線路の終端部分には検車庫があって、ディーゼルカーを収納することができます。

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駅舎は復旧断念前から変わらず、高千穂鉄道時代の面影を良く残しています。高千穂あまてらす鉄道の社屋を兼ねており、駅構内の見学(100円)やトロッコ乗車の手続き(高校生以上1300円)は、こちらの出札窓口で行います。

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ついでに駅前にあったマンホールを一枚。いわゆるご当地マンホールというものです。

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駅舎内は資料館やグッズ売り場になっています。乗車券の自動販売機もそのまま残っていました。

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今回はトロッコ列車「グランドスーパーカート」に乗るため、乗車手続きを済ませて駅構内に入ります。駅舎横には軽食を扱うお店もあって、食事をしながらノンビリ滞在もできますよ。

高千穂あまてらす鉄道を支えた歴代スーパーカート


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▲初代スーパーカート

線路沿いには歴代「グランドスーパーカート」が展示されています。高千穂あまてらす鉄道が発足してから、数編成のトロッコが開発され、見学者を受け入れてきました。当初は定員の少ない簡易なトロッコでしたが、今では中型のトロッコに世代交代しています。

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こちらは2代目スーパーカート。

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歴代スーパーカートの後ろには、高千穂高校美術部がペイントしたトロッコも展示されています。軽トラを改造したもので、種車の面影をよく留めています。

いかにも神話の里らしく、日本神話の神々をモチーフにしたキャラクターがペイントされています。画風がゆるいですね。こういった画風、決して嫌いじゃないです。

検車庫内の保管車両・展示物


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検車庫にやってきました。車庫内には2両、復旧断念前に使用されていた軽快気動車が保管されています。それぞれTR100形(TR-101)、TR200形(TR-202)で、保存状態は極めて良好です。

その他の車両は、1両が阿佐海岸鉄道に譲渡されたほか、数両が日之影駅で列車ホテルとして、トロッコ車両TR-400形は、JR九州の観光特急「海幸山幸」として活用されています。また、観光・イベント用に使われていたTR-300形は、高千穂町内にある酒蔵・観光施設「トンネル駅」で保存されています。

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検車庫に入り、TR-101とTR-202をさらに間近で眺めてみます。うちTR-101には階段がかけられ、車内を見学できるようになっていました。

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早速TR-101に乗車してみましょう。

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運転台です。

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車内はセミクロスシートになっています。

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続いて検車庫内にある詰所に入ってみました。こちらでは列車運行に使われてきた備品が、当時のまま残されています。日之影線時代から使われてきたと思しき、タブレット閉塞機もありますよ。

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部分的な運休や保線の際に使われていたものでしょうか。線路閉鎖を書き記す板も残っています(写真上)。板に「延岡~川水流駅間」と書かれていますが、この川水流駅は重要な中間駅の一つでした。早い時期に更地化され、いち早く鉄路の面影が消えた場所です。

総括


今回は高千穂駅構内を一通り見てきました。写真をふんだんに交えながらご紹介しましたが、実際に訪れて見てみないと、現地の雰囲気は感じられないと思います。

交通不便の地ですが、ぜひとも訪れて見る価値はあります。高千穂観光のついでに、立ち寄って高千穂あまてらす鉄道を応援してください。

撮影日:2018年8月
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Comment

こーたろー

高千穂鉄道の復活は断念してしまったのですか。
残念ですがダメージが大き過ぎましたね。
観光地の一つとして残ってほしいですね。

2018年09月21日(金)18:38

ゆっきー♂☆

こんばんわ♪

様々な天災でもう日本中が被災地ですね。
大阪も先日の台風の影響がまだ沢山残ってます。
高千穂、行ってみたいなあ~♪

2018年09月22日(土)22:47
WRA

wra

こーたろー様

> 高千穂鉄道の復活は断念してしまったのですか。
> 残念ですがダメージが大き過ぎましたね。

橋梁がいくつも流されてしまうと、赤字路線にとっては大ダメージになってしまいます。JRのローカル線でも橋が流されると、復旧に1年近くかかることが多いですしね。


> 観光地の一つとして残ってほしいですね。

ゆくゆくは高千穂~日之影を列車旅できる日が来ることを願うばかりです。

2018年09月23日(日)23:50
WRA

wra

ゆっきー♂☆様

> 様々な天災でもう日本中が被災地ですね。
> 大阪も先日の台風の影響がまだ沢山残ってます。
> 高千穂、行ってみたいなあ~♪

大阪は地震に台風にと、今年だけでも災害に悩まされましたよねぇ。関空も使用再開されたとはいえ、まだ爪痕がたくさん残っているようですし、今も色々と大変な状況なんだろうと思います。

2018年09月23日(日)23:51