元スハフ12も稼働中!夜のタイ国鉄フアランポーン駅で激写
タイでは客車列車が主力を担っており、日本では絶滅危惧種と化した、機関車牽引の長距離列車が沢山走っています。ちょうど夜ということもあり、寝台列車も沢山出入りしているはず。はたして、夜行列車を収めることはできるのでしょうか。

▲フアランポーン駅前は今夜も賑やかだ
夜のフアランポーン駅前は賑やかで、交通量は昼間とあまり変わっていません。車に気を付けて道を渡り、駅舎に近づいていきます。この日宿泊したホテルが、駅のすぐ目と鼻の先にあったおかげで、気軽に駅を訪問することができました。
駅舎の横には、ワチラロンコン国王の巨大な肖像画が掲示されています。

▲安価な夜行列車はタイ国民の重要な足だ
駅舎に入ると、大きなドーム屋根の下にたくさんのベンチが並べられていました。これから列車に乗るであろう人々が、ベンチに座って寛いでいます(写真上)。なお、茶色い木製のベンチ席は僧侶専用です。
待合室の両脇には売店・フードコートがあり、移動の前に腹ごしらえや必需品の購入をすることができます。待合室を抜けた先には、ホームへの入口と切符売り場があります。タイ国鉄には改札口がないため、だれでも自由にホームへと出入りすることができます。
ホームへの入口上部にあるのは、タイ近代化の父・ラーマ5世の巨大な肖像画です。

▲中国製寝台車
ホームに入ると、ちょうど中国中車製の新型客車が停車中でした。オール寝台車の同列車は、タイ国鉄屈指の花形列車ともいえ、欧米系観光客が多く利用しています。あまりにも好評すぎるため、寝台列車の切符は入手しづらいといわれています。
もし寝台列車を利用するのであれば、前もってウェブ予約をしておくのが賢明です。

▲寝台車から改造された冷房食堂車ARC1000形
オロネ10を食堂車に改造したようなものだ
また別のホームには、寝台・座席車混結の夜行列車が停車中でした。その中に食堂車を見つけたので、さっそく収めたのが上の写真です。
この外観、ひょっとしたら冷房付きの食堂車ARC1000形ではありませんか?10系客車の兄弟分、BTC1000系の一等寝台車として製造された、ANF1形から改造された車両です。10系客車には個室寝台なんてありませんから、10系ベースの個室寝台車が一体どのような車内だったのか気になります。

中国製客車による寝台列車は、先頭に機関車を連結して、出発までの時を静かに待っていました。元14系・24系寝台車が定期列車で使われているうちに、見ておきたかったです。

古い座席車連結の夜行列車も、機関車が連結されたことで、出発の準備が整いました。国鉄時代の上野駅も、まさにこのような雰囲気だったのでしょうか。

▲ホアヒンから来た列車のサボ
やがて、ホアヒンからの普通列車がやってきました。

▲ARS231(スハフ12-1009)
そのホアヒン発の列車がなんと、日本からの譲渡車を2両連結していました。それぞれオハネフ25・スハフ12からの改造車です。タイ国鉄の一般的な客車に比べると、譲渡車は屋根が高いため、とにかく大きく見えます。

▲低床ホーム向けに加工された乗降口ステップ
タイ国鉄の低床ホームに対応するため、改造された乗降口も収めておきます。改造されたステップに合わせて、折り戸に鉄板がつぎ足されています。

▲スハフ12-1009の製造銘板
妻面には製造銘板がそのまま残されていました。2両ともに製造から40年以上経っています。

▲巨大なドーム屋根の下につどう長距離列車
フアランポーン駅の巨大なドーム屋根に、客車列車が3本も停車しています。日本中をくまなく探しても、こんな光景は絶対に見られないでしょう。
ここにきて、譲渡客車が見られたのは大収穫でした。近年、日本からの譲渡車は活躍の場を狭めており、今回は稼働する姿を見られないと思っていました。ドーム屋根を背景に佇む客車を見て、思わず目頭が熱くなりました。

▲駅片隅に留置された14系寝台車
駅片隅にある留置線には、パープル色の14系客車が2両留置されていました。その後ろには観光列車に改造された、14系・24系客車が数両連結されています。
まだまだ撮影したりないですが、薄暗い時間ということもあり、思ったような写真は撮れないと思いました。また明るい時間に譲渡客車を収めようと心に決め、フアランポーン駅を後にしました。
▲今回収録した動画です。
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撮影日:2019年3月19日
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