旧文山神社(新北市新店区)―空軍墓地になった神社跡

以前、花蓮県で墓地に転用された神社「抜子社」を見てきました。宗教施設に転用された神社なら、台湾の至る所にありますが、さすがに墓地になった神社跡地は多くありません。

今回は墓地に転用された神社跡を求め、台北市南郊にある新北市新店区を訪れました。こちらにある旧文山神社が空軍墓地「碧潭空軍烈士公墓」に転用されているのです。

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旧文山神社への入口は、大きく分けて二つあります。一つ目は精忠路(北側)から入るコース、二つ目は涵碧路(東側)から入るコースです。

台北メトロ新店駅からだと、涵碧路経由が一番近いです。碧潭吊橋を渡ってから碧潭路を北に進むと、坂の途中で頂城派出所が見えてきます。この交番が見えてきたら左折すると、涵碧路に入ります。

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涵碧路は一車線の坂道路で、一面駐車場のようになっています。車と車の間を進むと、やがてコンクリート階段が見えてきました(写真上)。

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▲旧文山神社側から涵碧路を眺めて

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コンクリート階段に入ると、一瞬だけ冷気を感じました。年中木陰になっているせいか、壁面は苔むしています。

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参道入口がどのような形だったのか、現時点では知る術なしですが、おそらくこの階段も、参道の一つとして機能していたのかもしれません。

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コンクリ階段を上がると、大きな石碑が目に飛び込んできました(写真上)。空軍忠烈将士記念塔です。1956年に建立されて以来、旧文山神社の前に立ちつづけています。

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▲枯れ池

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▲涼亭

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かつての境内入口には牌坊が一基、その前には石灯篭の基壇が一対あります。

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▲石灯篭基壇

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牌坊の位置には元々、神明タイプの鳥居が立っていました。現在の牌坊自体もやけに奇妙な形をしていて、神明鳥居に似通っています。大きさや寸法は元の鳥居に近く、この牌坊と鳥居の関係性が気になるところです。

「貫」に刻まれた年号からして、遅くとも1952年には現在の形状になったことが窺えます。

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境内参道は墓地の通路として残っています。参道両脇には石灯篭の台座が残り、神社だったことを今に伝えています。なお、散逸した石灯篭の部品は、その一部が近隣の太平宮に保存されています。

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社殿跡には忠烈祠が建っています。基壇は文山神社のものに由来するようで、白いペンキでべた塗りされながらも、しぶとく残っていました。

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社殿跡の背後には、立派な追悼施設があります(写真上)。

ついでに墓碑を観察してみましたが、基本的に国共内戦末期から白色テロ初期にかけての殉職者が多く、もちろん圧倒的多数が外省人、すなわち在台中国人でした。かなり古い時期に設置された墓地であることが分かります。

撮影日:2019年4月17日
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