南門から台北駅へ...ちょっとだけ歴史建造物めぐり【バス利用】
台北といえば何を思い浮かべますか?
台湾に初めて来た観光客は、その多くがツアー参加者だと思います。基本的にアミューズメント性の強い「王道観光地」に連れていかれることが多く、台湾の古い史跡や歴史そのものに触れる機会は、決して多くないはずです。
ゆえに思い浮かべる場所といえば、たいてい忠烈祠や中正記念堂(ハゲ寺)といった場所が、答えの大半を占めると思います。
もし長期滞在のプランで訪れた場合、大抵のツアーには「自由行動」が付いています。もし本当の台湾を知りたくてきたという方には、史跡巡りをお勧めします。
しかし、一口に史跡と言っても、台北市内の広範囲に散らばっていて、巡ろうとしたら時間がかかります。それに土地勘が無かったら、迷うリスクも生じてきます。
リスクの低い史跡めぐりをしようと思ったら、まずは「城内」と呼ばれる地区を散策してみてはいかがでしょう?
城内というのは中華路・忠孝路・中山路・愛国西路に囲まれた地区を指す地名で、その中心部には旧台湾総督府(総統府)があります。
現在でも台湾の中心部として、官庁が立ち並んでいる城内には、日本統治時代に建設されたレトロ建築が、数多く残されています。決して広い範囲ではありませんし、体力に自信のある場合は徒歩で巡ることができます。
城内と南側で接しているエリアも、レトロ建築めぐりに適しています。台北植物園を中心とする一帯にも、旧建功神社(現:南海学園)、旧台北第一中学校(建国高校)など、歴史ある建造物が立ち並んでいます。
さすがに範囲が広くなると、徒歩で散策するのは体に毒です。この場合は市内を走る路線バスを積極的に活用しましょう。IC乗車券「悠遊カード」を事前に購入しておけば、より一層移動が便利になります。
長い前置きはこれぐらいにして、本題に入ります。今回は台北植物園の南側、南海路に来ています。ここから台北駅に向かうため、北に向かっていきたいと思います。

植物園を出ると、レンガ積みの重厚な校舎が見えてきました。台北市立建国高校です。
そのルーツは古く、日本統治時代の旧制台北第一中学校に由来します。校舎は明治末に建てられたもので、台湾総督府土木局の近藤十郎による設計です。台北にあるレトロ建築の中でも、比較的古い物件ではないでしょうか。

こちらは旧建功神社の隣にある、キリスト教会です(写真上)。比較的新しい(といっても半世紀以上前ですが)物件ですが、レトロな街並みにうまく溶け込んでいます。

やがて重慶南路が見えてくると、今度は旧台湾教育会館が見えてきます(写真上)。昭和6(1931)年に建てられたもので、「台湾教育会」の集会所として使用されていました。現在では二二八国家記念館として使用されています。
南海路に別れを告げて重慶南路に入り、少し進むと中正二分局バス停が見えてきました。ここで徒歩散策を終えて、路線バスに乗り込みます。
台湾のバスは基本的に、乗客側が乗る意思を「明確」に示さないと、止まってくれません。簡単に言い換えると、バスが近づいてきたら、手を振って乗る意思を示す必要があるということです。

バスは重慶南路をぐんぐん北上していきます。愛国西路から北は、先ほど述べたように「城内」と呼ばれる台湾政府の中枢部です。
城内に入ると、まず左手に緑色の巨大建造物が見えてきました。司法院です。そのルーツは台北高等法院庁舎・検察局・台北地方法院で、上空から建物を見ると、日本の「日」の形をしています。井手薫によって設計され、昭和9(1934)年に落成した4階建ての建物です。
司法院を過ぎると旧台湾総督府が見えてきますが、バスはその前で左折し、博愛路に入っていきます。やがて官庁街は見えなくなると、風景は商業地区に移り変わります。城内の北側は古くから商業地域として栄え、日本統治時代には表町・京町などと呼ばれていました。
多くの通行人でにぎわうビル街を抜けると、台北駅に面する忠孝西路に出てきます。バスは新光三越の前で止まり、ここでバスを降りました。均一運賃を採用しているため、ICカードのタッチは乗車時のみと簡単です。乗り方さえ覚えたら、路線バスでラクラク史跡巡りができますよ。
自由行動の日はぜひバスに乗って、レトロ建築を訪ねてみてはいかがでしょうか?
撮影日:2019年3月17日
台湾に初めて来た観光客は、その多くがツアー参加者だと思います。基本的にアミューズメント性の強い「王道観光地」に連れていかれることが多く、台湾の古い史跡や歴史そのものに触れる機会は、決して多くないはずです。
ゆえに思い浮かべる場所といえば、たいてい忠烈祠や中正記念堂(ハゲ寺)といった場所が、答えの大半を占めると思います。
自由行動で台湾の歴史に触れよう―城内と植物園一帯をめぐる場合
もし長期滞在のプランで訪れた場合、大抵のツアーには「自由行動」が付いています。もし本当の台湾を知りたくてきたという方には、史跡巡りをお勧めします。
しかし、一口に史跡と言っても、台北市内の広範囲に散らばっていて、巡ろうとしたら時間がかかります。それに土地勘が無かったら、迷うリスクも生じてきます。
リスクの低い史跡めぐりをしようと思ったら、まずは「城内」と呼ばれる地区を散策してみてはいかがでしょう?
城内というのは中華路・忠孝路・中山路・愛国西路に囲まれた地区を指す地名で、その中心部には旧台湾総督府(総統府)があります。
現在でも台湾の中心部として、官庁が立ち並んでいる城内には、日本統治時代に建設されたレトロ建築が、数多く残されています。決して広い範囲ではありませんし、体力に自信のある場合は徒歩で巡ることができます。
城内と南側で接しているエリアも、レトロ建築めぐりに適しています。台北植物園を中心とする一帯にも、旧建功神社(現:南海学園)、旧台北第一中学校(建国高校)など、歴史ある建造物が立ち並んでいます。
さすがに範囲が広くなると、徒歩で散策するのは体に毒です。この場合は市内を走る路線バスを積極的に活用しましょう。IC乗車券「悠遊カード」を事前に購入しておけば、より一層移動が便利になります。
台北植物園の南側エリア
長い前置きはこれぐらいにして、本題に入ります。今回は台北植物園の南側、南海路に来ています。ここから台北駅に向かうため、北に向かっていきたいと思います。

植物園を出ると、レンガ積みの重厚な校舎が見えてきました。台北市立建国高校です。
そのルーツは古く、日本統治時代の旧制台北第一中学校に由来します。校舎は明治末に建てられたもので、台湾総督府土木局の近藤十郎による設計です。台北にあるレトロ建築の中でも、比較的古い物件ではないでしょうか。

こちらは旧建功神社の隣にある、キリスト教会です(写真上)。比較的新しい(といっても半世紀以上前ですが)物件ですが、レトロな街並みにうまく溶け込んでいます。

やがて重慶南路が見えてくると、今度は旧台湾教育会館が見えてきます(写真上)。昭和6(1931)年に建てられたもので、「台湾教育会」の集会所として使用されていました。現在では二二八国家記念館として使用されています。
南海路に別れを告げて重慶南路に入り、少し進むと中正二分局バス停が見えてきました。ここで徒歩散策を終えて、路線バスに乗り込みます。
台湾のバスは基本的に、乗客側が乗る意思を「明確」に示さないと、止まってくれません。簡単に言い換えると、バスが近づいてきたら、手を振って乗る意思を示す必要があるということです。
均一運賃のバスに乗って城内へ 旧台北高等法院を横目に進む

バスは重慶南路をぐんぐん北上していきます。愛国西路から北は、先ほど述べたように「城内」と呼ばれる台湾政府の中枢部です。
城内に入ると、まず左手に緑色の巨大建造物が見えてきました。司法院です。そのルーツは台北高等法院庁舎・検察局・台北地方法院で、上空から建物を見ると、日本の「日」の形をしています。井手薫によって設計され、昭和9(1934)年に落成した4階建ての建物です。
司法院を過ぎると旧台湾総督府が見えてきますが、バスはその前で左折し、博愛路に入っていきます。やがて官庁街は見えなくなると、風景は商業地区に移り変わります。城内の北側は古くから商業地域として栄え、日本統治時代には表町・京町などと呼ばれていました。
多くの通行人でにぎわうビル街を抜けると、台北駅に面する忠孝西路に出てきます。バスは新光三越の前で止まり、ここでバスを降りました。均一運賃を採用しているため、ICカードのタッチは乗車時のみと簡単です。乗り方さえ覚えたら、路線バスでラクラク史跡巡りができますよ。
自由行動の日はぜひバスに乗って、レトロ建築を訪ねてみてはいかがでしょうか?
撮影日:2019年3月17日
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