タイ国鉄のターミナル、フアランポーン駅ホームをめぐりながら、客車列車を撮影しました。

未だに非電化路線ばかりで、動力車もあまり普及していないタイ国鉄には、様々な形態・用途の客車が在籍しています。中でも日本製客車の割合が圧倒的に多く、10系客車に近い構造の客車も走っています。

今回はフアランポーン駅に停車中の客車を撮影しながら、タイ国鉄客車の形態・特徴について見ていきましょう。

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▲BTC327(BTC320形)
狭い窓がズラリと並んだ三等客車といえば、BTC320形です。11両しか製造されていない少数派ですが、フアランポーンでは比較的多く目にすることができます。他にも古い二・三等合造車や、二等からの格下げ車(400番台)に狭窓を持つ車両が存在します。

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BTC320形の車内には、木材がふんだんに使用されており、座席も木張りになっているようです。見た目は台鐵SPK32400形や国鉄スハ44形に類似していますが、内装は非優等列車らしいシンプルな造りになっていました。

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▲BBT72
裾絞りが特徴的なBBT72は、ビュッフェ・三等合造車として1955年に製造されました。車両の前と後ろで窓割りが異なるほか、中央部の窓が縦に細長いという特徴があります。製造時期・形態からして、BTC190形と同じグループにあたる存在といえましょう。ここではBTC190形と似た構造の車両を、BTC190系と呼ぶことにします。

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▲BSC74(BSC61形)
こちらもBTC190形と同じグループで、1957年に製造されました。wikipediaではBSC61を一番若い番号として記録しているため、この形態の車両を便宜上BSC61形としておきます。

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▲BTC1026(BTC1000形)

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▲BTC1362(BTC1000形)

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▲BTC302(BTC190形)
ここにきてようやく、BTC190形に出くわしました。ノーシルノーヘッダ・裾絞りを採用していますが、車体から漂うオーラはまさに旧型客車そのものですね。

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▲BTC461
ついに出てきました。別用途から三等車化したグループの400番台です。この車両はおそらく、三等・荷物合造車からの改造車ではないかと思います。出自に関する詳細は分かりませんが、裾絞りからしてBTC190系なのは間違いありません。せめて種車さえ分かれば・・・。

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別のホームには、オーストラリアのクイーンズランド鉄道からやってきた、BTC600形が止まっていました。その中にはトップナンバーのBTC601の姿もあります。

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▲ゲテモノ客車BTC600形

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BTC600を連結したペッチャブリー行きが出発していきました。最後尾に連結されていたのは、冒頭に撮影したBTC327号。

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▲BTC1062(BTC1000形)

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▲BTC1212(BTC1000形)
タイ国鉄の客車には、一部灰色の帯が入った車両も存在します。この灰色帯はどのような意味があって付いているのでしょうか。

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▲BTC1158(BTC1000形)
乗降口の手すりが改造されていました。

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▲BTC1328(BTC1000形)
乗降口が改造され、ステップレスになっています。

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▲BTC1264(BTC1000形)

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▲BST30(BST30形)
これはかなり古い車両です。裾絞りがなく、ぱっと見ではBTC320形によく似ています。いつ頃製造された車両なのでしょうか。ひょっとすると、1950年代に製造されたものかもしれません。

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▲BSC99(BSC61形)

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▲ANS1073(ANS1000形)
冷房二等寝台車ANS1000形には、屋根が台形のグループと丸いグループが存在します。この車両は円形の後期車で韓国製です。なお、台形屋根が特徴な初期車のうち、前期車は日本製、後期車は韓国製となっています。

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▲BFV65(BFV50形)
丸っぽい裾絞りから、BFV65がBTC190系の一員であることが分かります。

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▲BTC1155(BTC1000形)

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ホームの端までやってきました。相変わらず、機関車がひっきりなしに行きかいます。タイ国鉄ではしばらく安泰だと思いますが、客車が沢山走っているうちに、しっかり記録に残しておきましょう。

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線路を挟んで向かい側のホームに、新たな編成が入線してきました。ステンレス製の寝台車が連なっているあたり、おそらく急行・特急あたりで使用する編成かもしれません。

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入線した客車を見てびっくりしました。なんと、両開き扉が追加された、車いす対応車の12系が連結されていたのです。車番はASC205でした。種車はおそらく、山陰線などで使用されていたATC105もといオハ12-1001かもしれません。

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▲BTC1155を先頭とする客車編成を眺めて

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さきほど見かけたASC205が気になり、早速停車するホームに行ってみると、その列車はナコンシータンマラート行きのサボを掲げていました。撮影時刻と冷房車の多い編成内容からして、どうやら急行85列車のようです。

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▲ASC205(ASC200形)
譲渡前はオハ12でしたが、車いす対応工事を受けたことで、はれて「オロ12化」されました。現在はリクライニングシートを備えた冷房二等車として、優等列車に組み込まれ使用されています。

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昭和40年代に製造されてから、かれこれ40年以上になる12系客車。経年劣化は随所に見え隠れしていました。なかでも目立ったのが、車体の腐食です。錆のせいで塗装が浮かび上がり、剥がれている箇所もありました。

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続いてASC205のデッキを見ていきます。乗降口は12系本来の姿を色濃く残していると思いました。国鉄型の雰囲気を感じることができます。

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乗降ステップの加工は、後からタイ入りした14系・24系寝台車と同じく、従来の扉に鉄板を追加する方法が取り入れられています。

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妻面には製造銘板が残っています。昭和45年に新潟鐵工所で製造され、昭和60年に松任工場で改造されたことが分かりました。やはり思った通り、この車両はオハ12-1001と見て良いかもしれません。

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12系客車に別れを告げ、また別の編成に目を移します。今度は食堂車BRC1000形を見つけました。BTC1000系の一員で、オシ17のタイ仕様といえる存在です。後年改造されたのか、車両によって個体差が大きく、窓や内装が不統一になっています。

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食堂車の横では、スタッフが食品や商品を車内に搬入していました。ホーム側に搬入口がないため、窓から直接物を受け渡ししています。ホームが低床式なので、ちょっと大変な作業かもしれませんね。

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寝台車に目をやると、作業員がブラシでゴシゴシと車体を洗っていました。なかには屋根に上って洗車をする、アクロバティックな作業員もいます。

写真上の客車はプラグドアなので、韓国製のANS1100形でしょう。車体は全体的に丸っぽく、どことなくセマウル号客車の面影を感じます。終焉まっしぐらな本家セマウル号客車とは対照的に、こちらはバリバリ現役で活躍中です。

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▲BTC1054(BTC1000形)
一番西側にある留置線は、相変わらず真っ黒なグリスにまみれていました。利用者の多いホーム中心部は奇麗ですが、さすがに端っこまでくると不潔ですね。バカでかいネズミがチョロチョロ逃げ隠れてしていました。

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▲BSC80(BSC61形)

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▲BSC74(BSC61形)
冒頭部で撮影した車両と同じです。

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▲BTC1026(BTC1000形)
冒頭部で撮影した車両と同じです。

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▲BTC1362(BTC1000形)
冒頭部で撮影した車両と同じです。

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▲BTC1276(BTC1000形)

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▲BST32(BST30形)
BST30形は一応二等・三等合造車ですが、窓割は等級に関係なく狭窓で統一されています。なお、BST35以降は三等の定員が増加しており、どうやら前期車よりも二等区画が縮小されているようです。詳しいことは実際に乗車して調べたいところ。

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▲BST1014(BST1000形)
こちらはBTC1000系の二・三等合造車です。二等区画は狭窓になっており、10系客車の二等車ナロ10を思わせます。これとは別に、全車二等車のBSC1000形も存在しますが、わずか2両しか存在しないレア車です。

撮影日:2019年6月18日・20日
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  コメント
銀帯
>この灰色帯はどのような意味があって付いているのでしょうか。

「更新修繕車」です。内装が綺麗になっていますし、照明はLED化されているため、特に夜間に見ると他の車両より明るくなっています。まだまだ使うつもりなのでしょう。
ZINHs #mQop/nM. [ 編集 ]    2019年07月14日(日) 23:54
ZINHs様
> >この灰色帯はどのような意味があって付いているのでしょうか。
>
> 「更新修繕車」です。内装が綺麗になっていますし、照明はLED化されているため、特に夜間に見ると他の車両より明るくなっています。まだまだ使うつもりなのでしょう。

なるほど~!ようやく謎が解けました。帯の有無で更新状況を区別しているのですね。
もし夜間帯に乗ることがあったら、照明の違いを目で確かめてみたいと思います。
wra #9MBBB9Tg [ 編集 ]    2019年07月25日(木) 20:10
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