【鉄道博物館になった廃駅】旧打狗駅故事館(旧高雄港駅)の保存車両群
高雄市鼓山区にある、旧高雄港駅を活用した「哈瑪星鉄道文化園区」の保存車両を見て回ります。こちらの特徴は何といってもその広さ!貨物駅の広い敷地を活かして、古い鉄道車両が数両保存されています。
じつは、数年前にもここに来て、ブログ用の写真を撮ったことがあります。残念ながら、SDカードの故障で全て消去と相成り、結局ブログに上げることなく終わりました。
今回は大丈夫!新しいSDXCカードで記録しているので、無事に全てPCに移すことができました。

前回は2013年夏、朝早い時間帯に来た記憶があります。今回はそれよりも若干遅い、朝10時ごろの入園です。空は青々として、撮影にはモッテコイのコンディションじゃないですか。
台湾総督府鉄道50形は1905(明治38)年から12(同45)年にかけて、計14両製造された飽和式蒸気機関車です。比較的初期に製造された「国産機」で、汽車製造がはじめて設計した車両と伝えられています。

見た目は典型的な明治中期の小型SLです。ぜひとも古典ロコ好きの方は台湾に行くと良いですよ。明治期のカマが数両ほど保存されています。

こちらは台電で使用されていたというDLです。西ドイツ(当時)からやってきました。

よく見てみると、車体が二つに分かれていることが分かります。いわゆる「関節式」という、珍しい構造の機関車です。これなら、急カーブのある引き込み線でも使えますよね。

1960年代から優等列車向けに導入された、転換クロスシート・非冷房のSP32900系。その比較的初期車にあたるのが、こちらに保存されているSP32400形です。
ちなみにこのSP32900系という呼称は、けして慣用されているものではなく、当ブログでのみ通用するものです。類似する車体を持つ、20メートル・転換クロスシート車をこのように総称しています。

SP32426の保存状態は悪く、車体の随所に錆が浮いています。すぐそばが海ということで、塩害によるものでしょう。塗装は剥がれ、腐食は外板に達しています。
保存方法を変えない限り、車体の劣化は止まることがないでしょう。

SP32426の隣には、莒光号の電源車として製造されたPBK32952号が置かれています。莒光号の運転開始に合わせて製造されたSP32850系の一員にあたり、SP32950形の電源車仕様といえましょう。
SP32850系は長らく莒光号で使用されてきましたが、今回の訪台(2020年2月)に際して一度も見かけませんでした。だいぶ廃車が進んだものと思われます。

PBK32952とライトレール電停に挟まれるように、ホッパー車が一両置かれています。

機関車に比べると影の薄い存在ですが、長物車もちゃんと保存されています。

さて、そろそろC55と9600でも見ていきましょうか。

その前に、高雄ライトレールを撮影して・・・と。それでは行きましょう。

九州では門鉄デフを付けて活躍し、多くの鉄道ファンを魅了したC55。同型車は台湾総督府鉄道にも納入され、戦後はCT250形として活躍しました。
台湾には2両のC55が現存しており、うち1両(CT259=C55-9号機)がここに保存されています。日本国内ですら現存数の少ないC55ですから、台湾の2両がどれだけ貴重なのか、もはや言うまでもないですよね。

水かきスポークもご覧の通り。

塩害のせいで保存状態は微妙です。腐食による穴も所々にありました。

▲CT259の刻銘「C55-6」
台湾総督府鉄道のカマは戦後、中華民国政権によって形式名の改番を受けました。しかし、どんなに番号を変えたところで、出自を隠すことは不可能でした。
刻銘をよく見ると、オ~あるじゃないですか。C55の3文字が!

▲CT259の刻銘「C55-2?」
他のカマから移設された部品も少なくないようです。

▲CT259の刻銘「C55-9」

▲CT259の刻銘「C55-9」
このカマが本来「C55-9」であることを示す刻銘は、数多く残っていました。
大正時代に製造され、SL終焉まで息の長い活躍を見せた貨物機9600形。もちろん、その姿は台湾でも見られました。台湾では800形という形式名を与えられ、同設計の車体を持つアメリカ生まれの600形とともに貨物輸送を担いました。

残念ながら、現存は1両のみと貴重な存在です。このDT609はもとの番号を828号といいます。9600といえば、5ケタプレートを掲げているイメージが強いものの、台湾では3ケタプレートを掲げていました。

DT609の刻銘に目をやると、本来の番号「828」がたくさん残っていました。
駅舎側には他にも、無蓋車と台電のディーゼル機関車が保存されています。

DLの正面には、台電のマークが誇らしげに掲げられていました。発電所関連の専用線で使われていたんでしょうね。

最後にC55と9600を後ろから収めて、旧打狗駅故事館での撮影を終えました。これにてようやく、7年前のリベンジ完了です。
撮影日:2020年2月19日
じつは、数年前にもここに来て、ブログ用の写真を撮ったことがあります。残念ながら、SDカードの故障で全て消去と相成り、結局ブログに上げることなく終わりました。
今回は大丈夫!新しいSDXCカードで記録しているので、無事に全てPCに移すことができました。

前回は2013年夏、朝早い時間帯に来た記憶があります。今回はそれよりも若干遅い、朝10時ごろの入園です。空は青々として、撮影にはモッテコイのコンディションじゃないですか。
台湾総督府鉄道50形は1905(明治38)年から12(同45)年にかけて、計14両製造された飽和式蒸気機関車です。比較的初期に製造された「国産機」で、汽車製造がはじめて設計した車両と伝えられています。

見た目は典型的な明治中期の小型SLです。ぜひとも古典ロコ好きの方は台湾に行くと良いですよ。明治期のカマが数両ほど保存されています。
台電L03号機 ディーゼル機関車

こちらは台電で使用されていたというDLです。西ドイツ(当時)からやってきました。

よく見てみると、車体が二つに分かれていることが分かります。いわゆる「関節式」という、珍しい構造の機関車です。これなら、急カーブのある引き込み線でも使えますよね。
SP32400形客車 SP32426

1960年代から優等列車向けに導入された、転換クロスシート・非冷房のSP32900系。その比較的初期車にあたるのが、こちらに保存されているSP32400形です。
ちなみにこのSP32900系という呼称は、けして慣用されているものではなく、当ブログでのみ通用するものです。類似する車体を持つ、20メートル・転換クロスシート車をこのように総称しています。

SP32426の保存状態は悪く、車体の随所に錆が浮いています。すぐそばが海ということで、塩害によるものでしょう。塗装は剥がれ、腐食は外板に達しています。
保存方法を変えない限り、車体の劣化は止まることがないでしょう。
PBK32950形電源客車 PBK32952

SP32426の隣には、莒光号の電源車として製造されたPBK32952号が置かれています。莒光号の運転開始に合わせて製造されたSP32850系の一員にあたり、SP32950形の電源車仕様といえましょう。
SP32850系は長らく莒光号で使用されてきましたが、今回の訪台(2020年2月)に際して一度も見かけませんでした。だいぶ廃車が進んだものと思われます。
ホッパー車

PBK32952とライトレール電停に挟まれるように、ホッパー車が一両置かれています。
長物車

機関車に比べると影の薄い存在ですが、長物車もちゃんと保存されています。

さて、そろそろC55と9600でも見ていきましょうか。

その前に、高雄ライトレールを撮影して・・・と。それでは行きましょう。
台湾総督府鉄道C55形 C55-9号機(CT259)

九州では門鉄デフを付けて活躍し、多くの鉄道ファンを魅了したC55。同型車は台湾総督府鉄道にも納入され、戦後はCT250形として活躍しました。
台湾には2両のC55が現存しており、うち1両(CT259=C55-9号機)がここに保存されています。日本国内ですら現存数の少ないC55ですから、台湾の2両がどれだけ貴重なのか、もはや言うまでもないですよね。

水かきスポークもご覧の通り。

塩害のせいで保存状態は微妙です。腐食による穴も所々にありました。

▲CT259の刻銘「C55-6」
台湾総督府鉄道のカマは戦後、中華民国政権によって形式名の改番を受けました。しかし、どんなに番号を変えたところで、出自を隠すことは不可能でした。
刻銘をよく見ると、オ~あるじゃないですか。C55の3文字が!

▲CT259の刻銘「C55-2?」
他のカマから移設された部品も少なくないようです。

▲CT259の刻銘「C55-9」

▲CT259の刻銘「C55-9」
このカマが本来「C55-9」であることを示す刻銘は、数多く残っていました。
台湾総督府鉄道800形 828号機(DT609)
大正時代に製造され、SL終焉まで息の長い活躍を見せた貨物機9600形。もちろん、その姿は台湾でも見られました。台湾では800形という形式名を与えられ、同設計の車体を持つアメリカ生まれの600形とともに貨物輸送を担いました。

残念ながら、現存は1両のみと貴重な存在です。このDT609はもとの番号を828号といいます。9600といえば、5ケタプレートを掲げているイメージが強いものの、台湾では3ケタプレートを掲げていました。

DT609の刻銘に目をやると、本来の番号「828」がたくさん残っていました。
台電L02号機・無蓋車
駅舎側には他にも、無蓋車と台電のディーゼル機関車が保存されています。

DLの正面には、台電のマークが誇らしげに掲げられていました。発電所関連の専用線で使われていたんでしょうね。

最後にC55と9600を後ろから収めて、旧打狗駅故事館での撮影を終えました。これにてようやく、7年前のリベンジ完了です。
撮影日:2020年2月19日
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