【旅行記】続・Go To 夏旅2020 3日目(1)―秘境にして最難関!予土線を制覇せよ

3日目最初にして最大の難関が待っていました。

予土線です。

この日は宇和島から予土線を完乗して、窪川・須崎・高知を通り、最終的に高松を目指す予定です。全体的に本数の少ない区間を通りますが、中でも予土線は最凶クラスといえます。その成立過程や環境から、予土線は「四国版三江線」といえるのではないでしょうか。

そんな予土線ですから、当然本数も少ないわけでして、江川崎から窪川までの区間は1日たったの5往復しかありません。宇和島から窪川を目指す場合、午前中に宇和島を出る列車は3往復のみと、難易度はかなり高いです。

一日で高松に到達しようと思ったら、もう朝早いうちに出るしかありません。そうなると、選択肢はたった一つ!宇和島を6時4分に出る始発4810Dに乗ることが、唯一にしてベストな方法といえるでしょう。

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当然ながら起床時間は早くなり、3日目は5時半にベッドから出ました。まだ眠気の強い時間帯ですが、列車に乗るためには起きないといけません。ポットでお湯を沸かし、熱いお茶を目覚まし代わりに飲んで、5時50分頃にチェックアウトしました。

外に出るとまだ薄暗く、宇和島の街はまだ静寂に包まれています。駅舎の奥から聞こえてくるのは、窪川行きのアイドリング音でしょうか。

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▲夜明けの宇和島駅

出発まで時間がありません。さっと改札を抜けてホームに上がり、4810Dが待つ3番乗り場に移動します。電光掲示板によると、使用車両は昨晩ホームで見た「鉄道ホビートレイン」とのこと。あの0系フェイスなキハ32で移動できるなんて、朝っぱらからツイてます。

0系風に加工された前頭部を撮影していると、車両基地から宇和島発の予讃線始発列車が近づいてきました。乗り得列車で有名な、キハ185系3100番台が充当されています。8年前に乗りましたが、特急形らしい重厚な走りが印象に残っています。

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▲改札を抜けて宇和島駅ホームへ

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▲松山行きの始発はキハ185系の普通列車!

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▲これから乗る窪川行きは鉄道ホビートレインだ!

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鉄道ホビートレイン内部には模型がズラリ

6時4分、予土線始発の4810Dは定刻通り宇和島駅を出発しました。これから窪川までの2時間5分、ひたすら四国西部の山奥を走り続けます。いったいどのような絶景が待っているでしょうか?

北宇和島から予土線に入ると、急に風景が変わり、一面山に囲まれた急勾配区間に入ります。速度はガクンと落ち、凄まじい坂を登っていることが見て取れました。北宇和島~務田間には最大30.0 ‰の勾配が存在し、同区間は予土線屈指の難所として知られています。

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▲北宇和島から予土線に入ると急勾配が待ち構えている

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▲急坂を上り詰めると務田に到着

務田までの一区間は、2012年9月に乗車したことがあります。ついに先へと進む日がやってきました。しばらく鬼北盆地の中を進んでいきます。元々軽便鉄道だったせいか、カーブが多い印象を受けました。

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▲折り返し列車もある近永駅に停車

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▲吉野生駅でキハ54単行と交換

吉野生を過ぎると、徐々に山深くなってきました。やがて県境を越え、ついに高知県最初の駅・江川崎に到着。高知県に到達したことで、これにて47都道府県を全制覇しました。

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▲江川崎駅に停車

予土線は北宇和島~江川崎間こそ本数がそこそこあるものの、江川崎を境に激減し、そこから若井までの本数は1日僅か5往復しかありません。

江川崎以南は1974年に開業した区間で、踏切のない高規格仕様で建設された、典型的な鉄建公団による建設区間です。三江線との類似性を感じるのは、おそらくこれが一番の要因かもしれませんね。

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▲ハゲ駅(ちなみにJR成田線には布佐=フサ駅がある)

江川崎を出ると、高規格になったことでスピードが上がり、乗り心地も変わってきました。トンネルと高架橋で山を越え、四万十川を渡り、みるみるうちに窪川へと迫っていきます。

車窓から時折見える四万十川は、おだやかで澄んだ水面でした。さすがは日本最後の清流と呼ばれるだけはあります。ここまできれいな川なら、ニホンカワウソはまだ生きていそうなものですが・・・。

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▲江川崎~若井間は高規格で開業した区間だ
本数の少なさといい、まさに四国版三江線といえよう


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▲土佐大正駅を出発

高規格なのは線路だけではありません。駅も頑丈に作ってあります。この区間は本数が少なすぎるため、高規格な設備は大方、持て余し気味になっているようです。

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鉄道ホビートレインの「0系らしさ」は外観だけじゃない!
運賃表示器にはさりげなく東海道新幹線の駅も掲載されている(1964年当時)


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▲四万十川を遡るように進んでいく

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▲川奥信号場で土佐くろしお鉄道中村線と合流

右側から線路が寄り添ってくると、やがて川奥信号場を通過します。ここから先の区間は、土佐くろしお鉄道中村線の一部になっています。8時3分、若井駅に停車。

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▲予土線の起点若井駅に停車
チャンスに強いガッツマン~我らの若井~♪


若井駅は見た目こそ小さな棒線駅ですが、この駅が予土線の起点になっています。若井~窪川間は土佐くろしお鉄道中村線とみなされているため、青春18きっぷ利用者は別途料金を支払う必要があります。

その支払い方はいたってシンプルで、窪川駅で下車後、駅窓口に210円を渡すだけ。駅員も乗務員も慣れていますから、どこで申告すればよいか、迷う心配はほぼ無いと思います。こうして予土完乗を果たし、最後の未踏の地・高知県に入りました。まだ朝早い8時9分のことです。

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▲窪川駅に到着!若井~窪川間の運賃は改札口で払う

窪川では58分の待ち時間があります。この時間をうまく使い、コンビニで朝食を買って食べようと考えました。地図で調べてみると、街のはずれにコンビニを発見。駅から若干離れていますが、十分買いに行ける距離です。

窪川の市街地は小ぢんまりとしていて、駅周辺はひっそりと静まり返っていました。昼になれば個人経営の食堂が開くはずですが、この時間だとコンビニ以外の選択肢はないでしょう。

国道56号線沿いに出ると、右手にファミリーマートが見えてきました。ここで弁当を買い、駅の休憩スペースで食べることに。青春18きっぷ利用者なのか、休憩室は利用者で賑わっていました。朝日が差し込んできて眩しい!今日も暑い1日になりそうです。

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▲ようこそ四万十町へ
イラストは海洋堂ホビー館マスコット「うまのすけっぴ」「よいことわるさ」


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▲朝食買いに窪川の街をゆく
土佐くろしお鉄道中村線の気動車が通り過ぎて行った


9時7分、高知行きの普通列車で窪川駅を出発。これから終点の高知ではなく、途中の須崎に立ち寄りたいと思います。詳しい理由は後述するとして、ここから土讃線を東に向かっていきます。

窪川から須崎までの区間は本数が少なく、1日6往復しかありません。まだ特急があるだけ予土線よりはマシかもしれませんが、それでも閑散区間であることには変わりないです。それだけ沿線人口が少ないということなのでしょう。

海沿いとは思えないほど山深い区間を進み、土佐久礼付近でようやく海が見えてきました。しばらく海沿いを進み、やがて大きな川を渡ります。この川こそが、最後にニホンカワウソが確認されたといわれる新荘川です。

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▲新荘川を渡る
ニホンカワウソさん「もう探さんどって」
(´・ω・`っ)

さぁて、問題の駅が見えてきました。新荘川のほとりに立つ土佐新荘駅です。何の変哲もない無人駅だと思ったら大間違い。なにせこの駅は、しんじょう君にジャックされているのですから・・・。

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▲しんじょう君まみれの土佐新荘駅に停車
ここには後ほど徒歩で行こう


待合室を見ると、しんじょう君のイラストがプリントされているではありませんか!おまけに眺めも凄くイイ!後ほど改めて、須崎駅から徒歩で行ってみたいと思います。

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▲須崎駅に到着!通常封印しているしんじょう君愛を2時間だけ解禁させてもらう
気分はイッチャンだね(笑)


9時46分、列車は須崎駅に到着。ホームに降り立つや、焼けつくような日差しが照り付けてきました。南国土佐らしい晴れに恵まれた中、高知行きを見送ります。列車がカーブの奥に消えていくと、ホームは静寂に包まれました。

さて、ここからは1時間半の須崎滞在を予定しています。11時18分発の高知行きで須崎を離れるつもりですが、場合によってはその次の、12時50分発になるかもしれません。あらゆる可能性を考慮して、高松までのプランを2パターン分考えておきました。

これで気持ちに余裕ができました。さっそく須崎の町に出てみましょう!

しんじょう君がまってるぞ!(c ∂`人´∂ )
~つづく~

撮影日:2020年8月23日
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Comment

こーたろー

自分も数年前に乗りました

数年前の年末に宇和島から一区間だけ乗りました。
時間があればもう少し先まで乗りたかったのですが
夕方までに足摺岬まで行かねばならなかったので断念しました。

2020年09月12日(土)16:59
wra

wra

こーたろーさんへ

マイカー旅だと、鉄道との併用は結構難しい所がありますからね。
とくに予土線は本数がメチャクチャ少なくて、誰でも苦労するのではないかと思います。

それだけに、窪川に着いたときは達成感がありました。

2020年09月22日(火)00:31