抹茶&鳳凰堂だけじゃない!宇治で『源氏物語』の世界観に触れよう(京都府宇治市)

京都府宇治市といえば、知らない人はいないお茶の名産地ですが、同時に歴史遺産を多く抱えていることでも知られています。今お手持ちの10円玉を見てください。その裏面にはまさに、宇治が誇る世界遺産「平等院鳳凰堂」が刻まれています。

このように、宇治は国内外から多く観光客が訪れる一大観光地ですが、もう一つ忘れてはいけないことがあります。それが、『源氏物語』終盤の舞台だということです。

今も昔も多くの人を惹きつけてやまない、紫式部の名作『源氏物語』のうち、最終版の十帖は宇治を舞台にしていることから「宇治十帖」と呼ばれています。今回はそんな宇治十帖に思いを馳せつつ、宇治をめぐりたいと思います。

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▲JR宇治駅を出発!

今回の散策はJR宇治駅からスタートします。京都からだと、JR京都線の「みやこ路快速」が便利です。また、大阪方面からだと、京阪電車を乗り継ぐという手もありますよ。

駅周辺には土産物店が広がっているほか、宇治茶を扱う茶店も多くあります。今や飲料ブランドとして有名な「上林」「伊藤久右衛門」を横目に、賑やかな観光街を進むと、やがて宇治川が見えてきました。

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▲宇治川の前には『源氏物語』の作者、紫式部像が鎮座する

宇治川のほとりには、『源氏物語』に対する日本人の思いが詰まっていました。

いうまでもなく、『源氏物語』は架空の話ですが、後世の人たちは物語に思いを馳せ、舞台となった宇治に記念碑を建立しました。それらの横には、作者紫式部の石像があるなど、宇治川は『源氏物語』ファン必見の場所ではないかと思います。

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▲ひっそりと静まり返った平等院鳳凰堂

再び観光街に戻ってしばらく進むと、やがて店は尽き、平等院への入口が見えてきました。

平等院鳳凰堂には13年前に訪れたことがあります。インバウンドが壊滅状態の今なら、のんびりと散策できるでしょう。しかし今回はあえて王道から外れ、マイナー路線で行きたいと思います。

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▲橋姫神社

宇治中心部には多くの神社や祠が鎮座しています。さすがに制覇は難しいので、行ける範囲で珍しそうな物件をたずねることに。まずは宇治橋の守り神で、瀬織津姫をまつる「橋姫神社」にやってきました。

『源氏物語』ファンなら、この神社名を聞いてピンと来たはず!そうです、物語の第五十四帖目にして、「宇治十帖」の第一帖にあたる巻名も、この「橋姫」なのです。だからこそ、ここに行かないわけにはいきませんでした。

祭神の瀬織津姫は「宇治の橋姫」(以下「橋姫」)と同一視されることがあります。橋姫は嫉妬深い鬼女で、自分を捨てた男を恨むあまり、鬼と化して復讐したと伝えられています。それが転じ、現在では縁切りの神様として親しまれているそうです。

余談になりますが、頼光四天王の一人・渡辺綱によって切り落とされた、橋姫の腕に関する伝承もまた興味深いものです。このように、橋姫は多くの伝説を残していきました。この渡辺綱という人物は渡辺姓の元祖とされており、先日紹介した「坐摩神社」の所在地とも深く関係しています。

(関連ページ)
「坐摩神社(大阪府大阪市)―渡辺が番地になっているフシギな場所」


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▲縣神社が見えてきた!

橋姫神社を過ぎてさらに進むと、縣神社が見えてきました。

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▲縣神社を正面から眺めて

縣神社はかつて、平等院の鎮守としても扱われてきた古い神社です。古くから文化・信仰の中心地だった京都一帯には、このように古い神社が多く存在します。

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▲宇治川沿いに戻ってきた

再び宇治川沿いに戻り、今度は川の北岸に移動したいと思います。橋の上に立つと、宇治橋やJR奈良線のガーダー橋が一望できました。普段は外国人で賑わうであろうエリアですが、インバウンドが壊滅状態の今、一帯は静寂に包まれています。

『源氏物語』の舞台となった平安中期、この場所はおそらく自然に囲まれた山里だったでしょう。雰囲気そのまんまとはいかなくても、落ち着いた雰囲気に「平安の世」を重ねたのは言うまでもありません。

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▲宇治川に架かる橋からJR奈良線方面を眺めて

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▲鵜飼で使う鳥を発見!
「うみうのウッティー」のイラスト入り


やがて鳥の入ったケージが見えてきました。中にいたのは、鵜飼に使われるウミウ数羽でした。

宇治生まれのウミウは、みな「ウッティー」と呼ばれているとのこと。これにちなみ、「うみうのウッティー」というマスコットも誕生しました。

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▲宇治神社の鳥居

川を渡ってしばらく下流方面に進むと、赤い鳥居が見えてきました。宇治神社です。創建時期未詳の歴史ある神社で、巨石信仰にルーツを持つとする説もあります。

宇治神社の周辺には小さな飲食店が多く、隠れ家気分で食事できそうな場所が目立ちました。こういった場所でノンビリするのも良さそうですね。

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▲京阪宇治駅

そして今回のゴール地点、京阪宇治駅に到着しました!ここから中書島で乗り換えれば、淀屋橋まで行くことができますよ。目的地・経由地に応じて、JR・京阪と使い分けましょう。

短い滞在時間でしたが、歴史ある街並みや神社を見ながらの散策は楽しいものでした。たまには、王道コースから外れた観光もアリではないでしょうか。

撮影日:2020年8月11日
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Comment

りんりんかっか

こんにちは、ランキングから来ました。

紫式部像が鎮座していること、初めて知りました!!

ぜひ見に行ってみたいと思います(^^♪

うみうのウッティー可愛いですね( *´艸`)

2020年10月10日(土)16:10
wra

wra

りんりんかっかさんへ

ご覧くださいましてありがとうございます。

古典好きなら誰もが楽しめる場所だと思いますよ~。
ちょうど今なら人も多くなくて、窮屈さはなかったです。

2020年10月22日(木)00:01