【2020年9月】マリックスライン「クイーンコーラルプラス」に乗る(1)【那覇~本部】
長年の悲願がついに叶いました。
2020年9月、国内フェリー屈指の長距離航路である「鹿児島~那覇航路」を利用しました。本航路にはマルエーフェリー・マリックスラインが就航しています。今回はマリックスライン「クイーンコーラルプラス」の運航日にあたりました。
那覇を朝7時に出発した船は、本部、与論島(与論)、沖永良部島(和泊)、徳之島(亀徳)、奄美大島(名瀬)に寄港し、25時間半かけて南西諸島を北上。翌朝8時半に鹿児島新港に到着します。
24時間以上かけて航行するフェリー航路は、新門司~東京航路(オーシャン東九フェリー)、舞鶴~小樽航路(新日本海フェリー)など、ほかにも多数あります。しかし、その中でも鹿児島~那覇航路はとりわけ、気になる存在でした。なんたって、いくつもの島に寄港するのですから。
時間・金銭に余裕がある今、憧れのフェリーに乗らないわけにはいきませんでした。
鹿児島~沖縄航路の乗船記はいくつもありますが、その多くが鹿児島を出発地とするものです。その理由はすぐに分かりました。鹿児島と那覇とでは、出発時間が真逆なのです。
那覇行きは鹿児島新港を夕方18時に出発します。その一方で、鹿児島行きは那覇港を朝7時に出発します。乗船手続きなど諸々の時間を考慮すると、港には少なくとも1時間前にはついておきたいところ。そうなると、那覇港には6時に到着しておかねばなりません。
それが何を意味するかといえば、そりゃもう早起きですよ。5時起き必須です。人間だれしも早起きなんてしたくないのが本音でしょう。だからこそ、好きで乗る人はあえて鹿児島行きを避けるのかもしれません。
ところが今回、僕は行程とスケジュールの都合上、那覇から出発せざるを得ませんでした。当然のごとく早起きして、那覇港に向かいました。早朝5時15分、国際通りの安宿を引き払い、徒歩で朝の那覇市街地を移動。途中にある弁当屋で朝食を買い、那覇港には予定通りの6時に到着しました。

ターミナルに入ると、乗船客が数十人ほど、すでに諸手続きを行っていました。その傍らでは係員が行先をたずね、奄美諸島での下船客は健康チェックを受けています。Go toトラベルキャンペーンで旅行者が増えたとはいえ、この状態が続く限り、旅行業界はけして安泰とは言えないでしょう。
僕は鹿児島行きということでチェックを受けず、カウンターで乗船手続きを行います。乗船名簿に予約番号と連絡先を記入して、最後にカード決済で手続き完了。

6時半をめどに乗船します。乗船口を抜けると、目の前に「クイーンコーラルプラス」が、その巨体を横たえていました。船取付のタラップを伝い、船内に入る仕組みです。
この日は未明から雨が降っていました。船と同じ塗装のタラップに足を載せると、若干ツルツルしています。滑らないよう気をつけて進み、2Fに到着しました。

▲乗船券は下船時に回収される
2Fと3Fには、奄美諸島での下船客向けの2等船室があります。なるほど、行先ごとに客室を分けてあるのですね。鹿児島行きの乗船客は、フロントやレストランがある4Fの客室を利用します。
ということで、4Fまで上がってきました。この階層には船内のパブリックスペースが集中しています。といってもそれほど広くはなく、レストランや売店はこじんまりとしていました。
普段利用している阪九・名門大洋に比べると、かなり狭いという印象を受けました。

▲売店
フロント横には売店があります。沖縄だけでなく、寄港地の土産物も揃っていました。
基本的に航行中は営業しておらず、寄港中のみ開いています。ここで何か記念にと思い、徳之島のお菓子を買って帰りました。土産物だけでなく、マリックスラインのオリジナルグッズもありますよ。

▲レストラン
レストランもやはりコンパクトで、航行時間のわりには短い営業時間が特徴です。外洋ということで、揺れの少ない寄港中・港湾航行中をメインに、昼・夜・翌朝の3回、それぞれ30分ほど営業しています。
那覇港から乗船する場合、事前に朝食を済ませておくか、コンビニ等で朝食を買っておきましょう。といっても早朝なので、事前に朝食というのは難しい話かもしれません。そんなときは、那覇港近くにある「丸江弁当」が重宝します。
丸江弁当は朝5時半から営業しており、種類豊富な弁当・総菜類を取り揃えています。僕も今回、ここでおにぎりと弁当を買っておきました。レストランは営業時間外、フリースペースとして開放されています。のちほどレストランで弁当を食べることに。

▲クイーンコーラルプラスの模型

▲2等洋室
客室はランクが高い順に、特等、1等、2等の計3ランクがあります。等級の中にもさらに細かいランクがあって、3段階の基礎料金に加えて、追加料金を支払うという、鉄道に近い運賃形態です。
たとえば2等の場合、2等寝台・2等洋室・2等和室があって、そのうち2等和室以外は、利用に際して追加料金(寝台料金・洋室料金)が発生します。

▲自販機スペース
自販機にはいかにも沖縄航路らしく、さんぴん茶もありました。

▲浴室入口
基本的に鹿児島~沖縄航路のフェリーには、大浴場がありません。ただし、今回乗船した「クイーンコーラルプラス」だけは例外で、唯一大浴場が設置されています。
なお本航路には4隻(マリックスライン「クイーンコーラルプラス」「クイーンコーラル8」、マルエーフェリー「フェリーあけぼの」「フェリー波之上」)が就航しており、「風呂付き」に当たる確率は1/4です。

▲入浴時間は長めにとってある・・・が、時間によってはお湯がないことも

▲2等(和室)
今回の寝床である2等和室は、4F後方にありました。鹿児島行きということで利用者は少なく、那覇出発の時点で同室は僕を含め、わずか2人だけでした。
この航路は名瀬~鹿児島の利用者が特に多いそうです。おそらく、名瀬で大量に乗り込んでくるでしょう。といっても夜の話ですから、日中はこの部屋をほぼ貸し切り状態で使えます。のんびり寛ぐことにしましょう。
2等和室はカーペット敷きの大部屋で、マットレスが隙間なく敷き詰められていました。毛布・枕も用意されているので、寝る分には全然問題ありません。チケットに記載された区画を利用する、指定席制になっています。
自分の区画にバックパックを置き、身軽になったらあとは出港を待つばかり。フロント横の大窓に陣取り、進行方向右手の風景を動画に録りながら、出港シーンを目に焼き付けます。

空がまだ薄暗い朝7時、「クイーンコーラルプラス」はゆっくりと岸壁を離れました。これから那覇港内を移動して外洋に出ます。

マルエー・マリックスラインは荷物輸送でも活躍しており、港には多数のコンテナが置かれています。その中には「大島運輸」(マルエーの旧社名)と書かれた、いかにも古そうなコンテナもありました。

フェリーは順調に加速をつづけ、気が付くとフェリーターミナルがはるか後方に遠ざかっていました。さらにその奥には、ゆいレール壺川駅が見えます。

港湾施設を過ぎると、やがて右手に見えてくるのは小さな断崖。これはかつての三重グスクで、琉球王国時代、那覇港を警備する目的で造られたものです。
3か月前(2020年6月)に沖縄を訪れた際、この近くで「クイーンコーラル8」の出港シーンを見届けました。あれから半年もしないうちに、まさか船上の人になろうとは。
那覇港を抜けて外洋に出ると、これまで曇り空だったのが一変して、雲一つない快晴に変わりました。船旅にもってこいの天気です。

レストランで弁当を食べてから、甲板に出てみました。クイーンコーラル8と同じく、この船もツインファンネルになっています。おおまかな形状はどちらも似通っているようです。

空に目をやると、那覇空港を離陸したANA機が横切っていきました。

ランプウェイ直上には喫煙スペースが置かれています。この区間は利用者が少ないので、喫煙者の姿はなく、煙たい思いをせずに済みました。逆に鹿児島発の便だと、名瀬までの区間で喫煙者がぼちぼちいそうです。

一通り甲板を散策してから、船内に戻ります。次の本部港までの所要時間はおよそ2時間。沖縄本島沖をゆっくりと北上していくのです。

▲マルエーフェリー「琉球エキスプレス2」
レストランで寛いでいると、2隻のRORO船とすれ違いました。マルエーフェリーの「琉球エキスプレス2」と、琉球海運の「みやらびⅡ」です。
琉球海運といえば、かつて博多~那覇航路に旅客便を設けていたことがあります。今も残っていれば、間違いなく乗りに行ったものですが・・・。今日の博多港にはもはや、長距離フェリーの姿は見当たりません。

▲琉球海運「みやらびⅡ」
RORO船2隻を見たところで、2等室に戻って横になりました。なにせ朝が早かったものですから、眠気がいっこうに収まりません。これから鹿児島まで20時間以上もあることですし、いくらでも寝てやろうじゃないですか。

本部港到着まで30分を切った頃、再び甲板に出向きました。
はるか遠くに平坦な島が見えます。すべてが平坦というわけではなく、中心部がほんの少しだけ、トゲのように突き出ていました。この特徴的な姿は間違いない、伊江島です。

本部港が近づくにつれ、島が次々に見えてきました。クロワッサンアイランドとして親しまれている、水納島も間近に見ることができます。有人島ということで、そこそこ大きな島だと思っていましたが、思いのほか小さなことにビックリです。

沖縄本島と橋で連絡している瀬底島が見えると、そろそろ本部港に到着です。

視点を変えて前方に目をやると、本部港と街並みが目に飛び込んできました。

あまりにも天気が良すぎて、海がきれいすぎて、目に飛び込んでくる色は半分以上が青です。

▲伊江村営「ぐすく」

▲本部港に到着!

▲本部港から瀬底大橋を眺めて

▲先取りロープを受け取る本部港係員
本部港が近づくと、船長がブリッジに立ち、接岸のため船員に指示を送ります。寄港地がないフェリーだと、見る機会はけして多くありませんが、この航路では何度も目にすることになりました。8時ちょうど、本部港に到着。
接岸準備が完了すると、ほどなくして伊江島いきの「ぐすく」が出港しました。
沖縄本島北部に位置する本部は、名護市から近い場所にある街です。名護や美ら海水族館への滞在を考えている場合、ここで乗下船すると良いでしょう。
さて、本部からついに沖縄県を離れ、鹿児島県の与論島に向かいます。これからさらに多くの絶景が待っていることでしょう。それと、レストランでの食事も楽しみです。様々な思いを載せて、「クイーンコーラルプラス」はいよいよ奄美諸島に入ります。
~つづく~
撮影日:2020年9月25日
2020年9月、国内フェリー屈指の長距離航路である「鹿児島~那覇航路」を利用しました。本航路にはマルエーフェリー・マリックスラインが就航しています。今回はマリックスライン「クイーンコーラルプラス」の運航日にあたりました。
那覇を朝7時に出発した船は、本部、与論島(与論)、沖永良部島(和泊)、徳之島(亀徳)、奄美大島(名瀬)に寄港し、25時間半かけて南西諸島を北上。翌朝8時半に鹿児島新港に到着します。
24時間以上かけて航行するフェリー航路は、新門司~東京航路(オーシャン東九フェリー)、舞鶴~小樽航路(新日本海フェリー)など、ほかにも多数あります。しかし、その中でも鹿児島~那覇航路はとりわけ、気になる存在でした。なんたって、いくつもの島に寄港するのですから。
時間・金銭に余裕がある今、憧れのフェリーに乗らないわけにはいきませんでした。
早起きしないと船に乗れない!それが那覇港出発便のデメリット
鹿児島~沖縄航路の乗船記はいくつもありますが、その多くが鹿児島を出発地とするものです。その理由はすぐに分かりました。鹿児島と那覇とでは、出発時間が真逆なのです。
那覇行きは鹿児島新港を夕方18時に出発します。その一方で、鹿児島行きは那覇港を朝7時に出発します。乗船手続きなど諸々の時間を考慮すると、港には少なくとも1時間前にはついておきたいところ。そうなると、那覇港には6時に到着しておかねばなりません。
それが何を意味するかといえば、そりゃもう早起きですよ。5時起き必須です。人間だれしも早起きなんてしたくないのが本音でしょう。だからこそ、好きで乗る人はあえて鹿児島行きを避けるのかもしれません。
ところが今回、僕は行程とスケジュールの都合上、那覇から出発せざるを得ませんでした。当然のごとく早起きして、那覇港に向かいました。早朝5時15分、国際通りの安宿を引き払い、徒歩で朝の那覇市街地を移動。途中にある弁当屋で朝食を買い、那覇港には予定通りの6時に到着しました。

ターミナルに入ると、乗船客が数十人ほど、すでに諸手続きを行っていました。その傍らでは係員が行先をたずね、奄美諸島での下船客は健康チェックを受けています。Go toトラベルキャンペーンで旅行者が増えたとはいえ、この状態が続く限り、旅行業界はけして安泰とは言えないでしょう。
僕は鹿児島行きということでチェックを受けず、カウンターで乗船手続きを行います。乗船名簿に予約番号と連絡先を記入して、最後にカード決済で手続き完了。

6時半をめどに乗船します。乗船口を抜けると、目の前に「クイーンコーラルプラス」が、その巨体を横たえていました。船取付のタラップを伝い、船内に入る仕組みです。
この日は未明から雨が降っていました。船と同じ塗装のタラップに足を載せると、若干ツルツルしています。滑らないよう気をつけて進み、2Fに到着しました。

▲乗船券は下船時に回収される
2Fと3Fには、奄美諸島での下船客向けの2等船室があります。なるほど、行先ごとに客室を分けてあるのですね。鹿児島行きの乗船客は、フロントやレストランがある4Fの客室を利用します。
鹿児島~沖縄航路で唯一、大浴場があるクイーンコーラルプラス
ということで、4Fまで上がってきました。この階層には船内のパブリックスペースが集中しています。といってもそれほど広くはなく、レストランや売店はこじんまりとしていました。
普段利用している阪九・名門大洋に比べると、かなり狭いという印象を受けました。

▲売店
フロント横には売店があります。沖縄だけでなく、寄港地の土産物も揃っていました。
基本的に航行中は営業しておらず、寄港中のみ開いています。ここで何か記念にと思い、徳之島のお菓子を買って帰りました。土産物だけでなく、マリックスラインのオリジナルグッズもありますよ。

▲レストラン
レストランもやはりコンパクトで、航行時間のわりには短い営業時間が特徴です。外洋ということで、揺れの少ない寄港中・港湾航行中をメインに、昼・夜・翌朝の3回、それぞれ30分ほど営業しています。
那覇港から乗船する場合、事前に朝食を済ませておくか、コンビニ等で朝食を買っておきましょう。といっても早朝なので、事前に朝食というのは難しい話かもしれません。そんなときは、那覇港近くにある「丸江弁当」が重宝します。
丸江弁当は朝5時半から営業しており、種類豊富な弁当・総菜類を取り揃えています。僕も今回、ここでおにぎりと弁当を買っておきました。レストランは営業時間外、フリースペースとして開放されています。のちほどレストランで弁当を食べることに。

▲クイーンコーラルプラスの模型

▲2等洋室
客室はランクが高い順に、特等、1等、2等の計3ランクがあります。等級の中にもさらに細かいランクがあって、3段階の基礎料金に加えて、追加料金を支払うという、鉄道に近い運賃形態です。
たとえば2等の場合、2等寝台・2等洋室・2等和室があって、そのうち2等和室以外は、利用に際して追加料金(寝台料金・洋室料金)が発生します。

▲自販機スペース
自販機にはいかにも沖縄航路らしく、さんぴん茶もありました。

▲浴室入口
基本的に鹿児島~沖縄航路のフェリーには、大浴場がありません。ただし、今回乗船した「クイーンコーラルプラス」だけは例外で、唯一大浴場が設置されています。
なお本航路には4隻(マリックスライン「クイーンコーラルプラス」「クイーンコーラル8」、マルエーフェリー「フェリーあけぼの」「フェリー波之上」)が就航しており、「風呂付き」に当たる確率は1/4です。

▲入浴時間は長めにとってある・・・が、時間によってはお湯がないことも

▲2等(和室)
今回の寝床である2等和室は、4F後方にありました。鹿児島行きということで利用者は少なく、那覇出発の時点で同室は僕を含め、わずか2人だけでした。
この航路は名瀬~鹿児島の利用者が特に多いそうです。おそらく、名瀬で大量に乗り込んでくるでしょう。といっても夜の話ですから、日中はこの部屋をほぼ貸し切り状態で使えます。のんびり寛ぐことにしましょう。
2等和室はカーペット敷きの大部屋で、マットレスが隙間なく敷き詰められていました。毛布・枕も用意されているので、寝る分には全然問題ありません。チケットに記載された区画を利用する、指定席制になっています。
雨模様の那覇港を出発
自分の区画にバックパックを置き、身軽になったらあとは出港を待つばかり。フロント横の大窓に陣取り、進行方向右手の風景を動画に録りながら、出港シーンを目に焼き付けます。

空がまだ薄暗い朝7時、「クイーンコーラルプラス」はゆっくりと岸壁を離れました。これから那覇港内を移動して外洋に出ます。

マルエー・マリックスラインは荷物輸送でも活躍しており、港には多数のコンテナが置かれています。その中には「大島運輸」(マルエーの旧社名)と書かれた、いかにも古そうなコンテナもありました。

フェリーは順調に加速をつづけ、気が付くとフェリーターミナルがはるか後方に遠ざかっていました。さらにその奥には、ゆいレール壺川駅が見えます。

港湾施設を過ぎると、やがて右手に見えてくるのは小さな断崖。これはかつての三重グスクで、琉球王国時代、那覇港を警備する目的で造られたものです。
3か月前(2020年6月)に沖縄を訪れた際、この近くで「クイーンコーラル8」の出港シーンを見届けました。あれから半年もしないうちに、まさか船上の人になろうとは。
快晴の沖縄本島北部を航行する
那覇港を抜けて外洋に出ると、これまで曇り空だったのが一変して、雲一つない快晴に変わりました。船旅にもってこいの天気です。

レストランで弁当を食べてから、甲板に出てみました。クイーンコーラル8と同じく、この船もツインファンネルになっています。おおまかな形状はどちらも似通っているようです。

空に目をやると、那覇空港を離陸したANA機が横切っていきました。

ランプウェイ直上には喫煙スペースが置かれています。この区間は利用者が少ないので、喫煙者の姿はなく、煙たい思いをせずに済みました。逆に鹿児島発の便だと、名瀬までの区間で喫煙者がぼちぼちいそうです。

一通り甲板を散策してから、船内に戻ります。次の本部港までの所要時間はおよそ2時間。沖縄本島沖をゆっくりと北上していくのです。

▲マルエーフェリー「琉球エキスプレス2」
レストランで寛いでいると、2隻のRORO船とすれ違いました。マルエーフェリーの「琉球エキスプレス2」と、琉球海運の「みやらびⅡ」です。
琉球海運といえば、かつて博多~那覇航路に旅客便を設けていたことがあります。今も残っていれば、間違いなく乗りに行ったものですが・・・。今日の博多港にはもはや、長距離フェリーの姿は見当たりません。

▲琉球海運「みやらびⅡ」
RORO船2隻を見たところで、2等室に戻って横になりました。なにせ朝が早かったものですから、眠気がいっこうに収まりません。これから鹿児島まで20時間以上もあることですし、いくらでも寝てやろうじゃないですか。

本部港到着まで30分を切った頃、再び甲板に出向きました。
はるか遠くに平坦な島が見えます。すべてが平坦というわけではなく、中心部がほんの少しだけ、トゲのように突き出ていました。この特徴的な姿は間違いない、伊江島です。

本部港が近づくにつれ、島が次々に見えてきました。クロワッサンアイランドとして親しまれている、水納島も間近に見ることができます。有人島ということで、そこそこ大きな島だと思っていましたが、思いのほか小さなことにビックリです。

沖縄本島と橋で連絡している瀬底島が見えると、そろそろ本部港に到着です。
美ら海水族館に行くならここが便利!本部港に到着

視点を変えて前方に目をやると、本部港と街並みが目に飛び込んできました。

あまりにも天気が良すぎて、海がきれいすぎて、目に飛び込んでくる色は半分以上が青です。

▲伊江村営「ぐすく」

▲本部港に到着!

▲本部港から瀬底大橋を眺めて

▲先取りロープを受け取る本部港係員
本部港が近づくと、船長がブリッジに立ち、接岸のため船員に指示を送ります。寄港地がないフェリーだと、見る機会はけして多くありませんが、この航路では何度も目にすることになりました。8時ちょうど、本部港に到着。
接岸準備が完了すると、ほどなくして伊江島いきの「ぐすく」が出港しました。
沖縄本島北部に位置する本部は、名護市から近い場所にある街です。名護や美ら海水族館への滞在を考えている場合、ここで乗下船すると良いでしょう。
さて、本部からついに沖縄県を離れ、鹿児島県の与論島に向かいます。これからさらに多くの絶景が待っていることでしょう。それと、レストランでの食事も楽しみです。様々な思いを載せて、「クイーンコーラルプラス」はいよいよ奄美諸島に入ります。
~つづく~
撮影日:2020年9月25日
- 関連記事
-
-
【2020年9月】マリックスライン「クイーンコーラルプラス」に乗る(2)【本部~与論】
-
【2020年9月】マリックスライン「クイーンコーラルプラス」に乗る(1)【那覇~本部】
-
【撮影記録】高松港でフェリーを激写!散歩気分で船撮りできる(香川県高松市)
-