【旅行記】みんなの九州きっぷ 北部九州版を使ってみた(3)―あそぼーい!で夕暮れ阿蘇紀行

大分駅に到着した僕は、熊本行き「あそぼーい!」が到着するまでの間、駅を散策することにしました。まずは到着したその足で、高架駅になったホームを見て回ります。

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▲大分駅に到着!

大分駅が高架化されたのはずいぶん前のことですが、工事が完了してから、ここに来る機会はないままでした。高架駅になったことで雰囲気は一変し、前よりも明るくなったような気がします。

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▲大分駅に到着する久大本線キハ125

2020年11月現在、久大本線は令和2年7月豪雨の被害をうけ、長期運休を余儀なくされています。由布院駅を挟んだ豊後森~庄内間が運休しており、大分口は普通列車の運行だけになっていました。

さすがに観光路線ということで、復旧は順調にかつ迅速に行われているようです。このまま順調にいけば、2021年春までには復旧するといわれています。橋梁が流失した関係で、最低でも1年の運休は覚悟していましたが、とりあえず一安心です。

対照的に肥薩線は復旧の見通しが立っておらず、厳しい状況が続いています。ただでさえ、普段から本数が少ない路線ですから、こういう大災害に遭うと真っ先に切り捨てられそうで、先行きが思いやられます。

しかし、肥薩線は古くから観光資源として見做されており、SL列車も運転されているぐらいですから、そう簡単には切らないだろうと思っています。ただし、完全な復旧まではかなり時間がかかると思った方が良いでしょう。

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▲乗車予定の「あそぼーい!」は回送列車としていったん別府へ

やがて、キハ183系「あそぼーい!」編成が大分駅ホームを出発しました。これから回送列車として、いったん別府に向かうようです。

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▲大分駅はすっかり変貌を遂げていた

お次は改札を抜けて、自由通路やエキナカの様子を見てみることに。雰囲気はどことなく博多駅を思わせます。広々とした通路に多くの人が行きかい、土産物店は客でにぎわっていました。

ここでは子供向けの遊覧車「ぶんぶん号」が運転されており、駅コンコースとJRおおいたシティの通路を一周しています。この日も子供たちを乗せて、ゆっくりと走り回っていました。

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▲駅前には高層ホテルが

大分駅で待つこと数十分、熊本行きの「あそぼーい!」が到着。指定された席は最後尾の1号車でした。進行方向左側の席について、あとは熊本までの3時間を過ごすだけです。15時25分、大分駅を出発。

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▲夕暮れどきの阿蘇山を眺めて

進行方向左側といえば、ちょうど阿蘇山が見えるではありませんか!進むにつれて、徐々に暗くなってきました。まもなく日没という頃、列車は宮地駅を出発。阿蘇の広大な風景を見ながら、豊肥本線を西へと進んでいきます。

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▲米塚が見える!

阿蘇を出ると、ついに2016年熊本地震からの復旧区間に入ります。いくつかの駅では、被害を受けて駅舎が解体されました。あれだけ立派な駅舎があった赤水駅も、プレハブ小屋だけの寂しい駅に変わっています。まるで山口線の三谷駅じゃないですか。

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▲ユーノスロードスターと並走

やがて左手には、険しい谷と真新しい道路が見えてきます。そろそろ旧阿蘇大橋との交点ではないでしょうか。白いユーノスロードスターと並走しながら、険しい谷間を進んでいきます。

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▲土砂崩落からの復旧地点とNAロードスター

かつての阿蘇大橋は、その一部が手つかずで残っていました。高森側の橋台の真下には、崩れかけた残骸が見えます。地震発生直後、この場所が完全に復旧されるまで何年かかるだろうと、悲観的に見通していましたが、見事4年で復旧されました。

また、国道57号線と並行するように自動車専用道路も建設され、こちらもすでに開通しています。かつて計画倒れした、中九州道「阿蘇大津道路」が実現したものと言っても、過言ではありません。

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▲完成間近の新阿蘇大橋

やがて左奥に、新阿蘇大橋が見えてきました。すでに橋桁の架設は完了しており、最後の仕上げに入っている様子が見て取れます。

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▲スイッチバックの立野駅で4分停車!

17時38分、列車は立野駅に到着しました。ここで4分停車するということで、ホームに出てみることに。地震で被害を受けたとは思えないほど、ホームはきれいに整備されていました。

駅舎のある方に行ってみると、そこは更地になっていました。南阿蘇鉄道側も線路・ホーム以外は整地されており、数年後の復旧に向けて、これから整備が行われることを匂わせていました。

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▲豊肥本線と『ONE PIECE』がコラボ中!
立野駅にはフランキーがいた


豊肥本線の全線復旧に際して、人気漫画『ONE PIECE』とのコラボ企画が実施中です。各駅に麦わらの一味がいるので、ぜひ探してみましょう。ちなみに立野駅には、船大工のフランキーがいました。

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▲立野駅から先は真っ暗闇を進む

立野駅を出ると、空は完全に暗くなりました。列車は真っ暗闇と架線の下、熊本を目指しラストスパートをかけます。全線復旧したことで久々に特急が走り、やっと本線らしくなりました。18時29分、熊本駅に到着。

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▲熊本駅に到着!あとは新幹線で帰るだけだ

熊本からは寄り道せず、素直に帰っていきます。「みんなの九州きっぷ」の長所をいかして、帰りの新幹線は指定席を利用することに。

この後に来る上り新幹線は、超速達タイプの「みずほ」です。空席はそれほど残っておらず、座れるかどうかの瀬戸際でしたが、なんとか通路側の席を確保しました。指定席のゆったり座席で、博多までの30分を過ごします。

博多で787系「きらめき」に乗り換え、赤間には20時過ぎに到着。これにて2日におよぶ「日帰り×2」の短い旅は、大成功のうちに幕を閉じました。

~「みんなの九州きっぷ 北部九州版を使ってみた」(完)~

撮影日:2020年11月8日

あとがき 自分自身を労わるということ

30年近い人生の中で、自分のことを大切に思ったことは多くありません。

学校生活、友人関係、趣味、仕事・・・どれも上手くいかないまま、自分への劣等感は日に日に高まっていきました。精神的に荒んだ状態が続き、25歳を過ぎると、新しいことに挑戦する意欲はほぼ消えてなくなりました。

今はあらゆることに消極的です。夏場の旅で自分らしさを精一杯に出し切ったつもりですが、それでも僕は自分自身を好きになれませんでした。常に他人からの視線や評価を気にし続けるあまり、劣等感に押しつぶされています。

そんな中、突然めまいに襲われました。後頭部に違和感を覚え、フワフワとした感覚が今も続いています。病院で薬を処方してもらい、改めて自分自身と冷静に向き合いました。

僕は自分を全くと言っていいほど、自分自身を労わっていません。まるでボロきれを扱うかのように、自分を大切にしていないのです。自分がいつまでも若くないことを自覚した瞬間、これまでの生き方に深く絶望しました。

これからは絶望に打ちひしがれないよう、「自分を労わってやること」を考えねばならないと、感じさせられています。他人からの信頼を勝ち取る前に、まずそれを乗り越えることから始めようと思っています。
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