【施設紹介】JR常磐線 原ノ町駅(福島県南相馬市)―野馬追の世界観に浸れる駅
今回は福島県南相馬市原町区にある、原ノ町駅をめぐります。所属路線はJR常磐線。
常磐線のいわき以北では最大の駅にあたり、特急「ひたち」が停車するほか、普通列車は同駅を境に系統が分かれます。
東日本大震災の発生直後、常磐線は津波・原子力発電所事故の影響を受け、年単位の不通区間を出しました。相馬以北は津波被害で移設を余儀なくされ、原ノ町以南は被害調査すら満足にできない状況です。
さいわい、原ノ町~相馬間の被害は軽微でした。そこで同区間の通学需要にこたえるべく、孤島状態での復旧が決定しました。701系を搬入することで、使用車両の問題はクリアしました。こうして相馬~浜吉田間が復旧するまでの6年弱、孤立区間を701系がひたすら往復するという、異常事態は続きました。
2016年12月、相馬~浜吉田間が復旧したことで、数年ぶりに仙台行きが戻ってきました。旧警戒区域の復興が進むたびに、原ノ町以南の復旧区間も伸びていき、2020年春、常磐線はついに全線復旧を迎えます。これに合わせて、特急の仙台直通も復活しました。
こうして原ノ町駅は、名実ともに「幹線の主要駅」に戻った形です。

▲原ノ町駅外観を眺めて
この駅は「相馬野馬追」をイメージした造りになっています。

▲相馬野馬追の像

▲商工案内図に残る「原町市」の表記

▲原ノ町駅改札口
外観だけでなく、駅舎内も相馬野馬追一色です。地元住民がどれだけ野馬追に思いを込めているか、駅にいるだけでもひしひしと伝わります。

▲駅舎壁面に書かれた「駒絵百態」模写

▲コンビニ横に展示されている甲冑

▲原ノ町驛陣屋(みどりの窓口)

▲原町高校美術部の生徒による作品「相馬野馬追」

▲原ノ町駅ホームは2面3線

▲原ノ町駅電留線に留置中のE721系・E531系(奥は出発した701系)
古くから主要駅として栄えた原ノ町駅は、電留線を含む広い構内を有しています。震災直後、この駅には数編成の車両が取り残され、そのうち古い651系と415系は復活することなく、廃車まで側線に置かれていました。
錆びついた電車が放置された側線には今、新しい電車が顔を並べています。常磐線復旧への道のりは長く、ときには悲観論も飛び交いました。それでも復旧までこぎつけ、特急を走らせたJR東日本には、ただただ感服するばかりです。
もっとも、三陸地方の鉄道に関しては、また別の話になりますが。
撮影日:2021年1月1日
常磐線のいわき以北では最大の駅にあたり、特急「ひたち」が停車するほか、普通列車は同駅を境に系統が分かれます。
東日本大震災の発生直後、常磐線は津波・原子力発電所事故の影響を受け、年単位の不通区間を出しました。相馬以北は津波被害で移設を余儀なくされ、原ノ町以南は被害調査すら満足にできない状況です。
さいわい、原ノ町~相馬間の被害は軽微でした。そこで同区間の通学需要にこたえるべく、孤島状態での復旧が決定しました。701系を搬入することで、使用車両の問題はクリアしました。こうして相馬~浜吉田間が復旧するまでの6年弱、孤立区間を701系がひたすら往復するという、異常事態は続きました。
2016年12月、相馬~浜吉田間が復旧したことで、数年ぶりに仙台行きが戻ってきました。旧警戒区域の復興が進むたびに、原ノ町以南の復旧区間も伸びていき、2020年春、常磐線はついに全線復旧を迎えます。これに合わせて、特急の仙台直通も復活しました。
こうして原ノ町駅は、名実ともに「幹線の主要駅」に戻った形です。

▲原ノ町駅外観を眺めて
この駅は「相馬野馬追」をイメージした造りになっています。

▲相馬野馬追の像

▲商工案内図に残る「原町市」の表記

▲原ノ町駅改札口
外観だけでなく、駅舎内も相馬野馬追一色です。地元住民がどれだけ野馬追に思いを込めているか、駅にいるだけでもひしひしと伝わります。

▲駅舎壁面に書かれた「駒絵百態」模写
駒絵百態
この絵は、旧相馬藩絵所堀池雲岳が大正五年七十五歳の時に掛軸に画いた百態の駒絵を模写したものです。雲岳は廃藩置県により中村の地より原町市信田沢の地に移り住み、天保十三年から大正十年迄七十五年の生涯で、各神社の張幕、野馬追の旗差物、ふすま絵、欄間額、掛軸、扇面などに駒を画き、相馬地方に数多くの作品を残しました。
この絵は、旧相馬藩絵所堀池雲岳が大正五年七十五歳の時に掛軸に画いた百態の駒絵を模写したものです。雲岳は廃藩置県により中村の地より原町市信田沢の地に移り住み、天保十三年から大正十年迄七十五年の生涯で、各神社の張幕、野馬追の旗差物、ふすま絵、欄間額、掛軸、扇面などに駒を画き、相馬地方に数多くの作品を残しました。

▲コンビニ横に展示されている甲冑

▲原ノ町驛陣屋(みどりの窓口)

▲原町高校美術部の生徒による作品「相馬野馬追」

▲原ノ町駅ホームは2面3線

▲原ノ町駅電留線に留置中のE721系・E531系(奥は出発した701系)
古くから主要駅として栄えた原ノ町駅は、電留線を含む広い構内を有しています。震災直後、この駅には数編成の車両が取り残され、そのうち古い651系と415系は復活することなく、廃車まで側線に置かれていました。
錆びついた電車が放置された側線には今、新しい電車が顔を並べています。常磐線復旧への道のりは長く、ときには悲観論も飛び交いました。それでも復旧までこぎつけ、特急を走らせたJR東日本には、ただただ感服するばかりです。
もっとも、三陸地方の鉄道に関しては、また別の話になりますが。
撮影日:2021年1月1日
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