【旅行記】サンライズ出雲&18きっぷの旅2021春 6日目―心晴れない日光&鬼怒川観光

ネカフェのブースにしてはよく眠れました。予定より30分遅い、7時半に起床して朝食を取りに行きます。パンとフライドポテト、それとホットコーヒーの組み合わせは、僕の旅に欠かせない定番になりました。

東武6050系は国鉄風味

食後、さっと準備を済ませて新栃木駅に向かいます。これから日光を目指し、東武日光線を北上するつもりです。事前にいつ電車が来るとか、そういうのは調べていません。こういうとき、毎回数分差で逃してしまうのですが、はたして今回はどうなるやら。

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▲新栃木にて(写真は6000系復刻塗装の6050系)

ジンクスは今日も冴えていました。東武日光行きはあいにく、5分前に出発したとのこと。次の新藤原行きが来るまで、20分の待ち時間ができました。

この間に駅を散策しておきます。宇都宮線との分岐点だけあって、広い構内が特徴です。「とち介」要素が少ない栃木駅とは対照的に、この駅は1.5頭身で満たされていました。

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▲東武6050系のボックスシート

やって来た新藤原行きは、日光線末端部の主力6050系でした。車内に入るとボックス席が広がっています。

その雰囲気はまさに国鉄急行型ですが、独自色も見え隠れしていました。たとえば折り畳み式のテーブル。それと、座席モケットも厚めに作られています。6000系の機器流用車だけはあって、古さは否めないですが、思った以上に乗り心地が良いではありませんか。

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▲新栃木の車両基地

新栃木を過ぎると、徐々に山深くなってきました。主要駅の風格はまさに国鉄と同水準ですし、現存しない分を含めて、通過線を持つ駅が目立ちます。それだけ、対日光輸送で国鉄と熾烈な争いをしてきたということです。

しかし、それも今は昔。東武とJR東日本は、対日光輸送で協力関係を結び、特急列車の相互乗り入れを行っています。しかも、かつてのライバル・国鉄のSLを購入して、観光列車に仕立て上げたのですから、歴史というのはどうなるか分からないものです。

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▲下今市駅にて(写真は6050系)

下今市で日光行きに乗り換えます。古めかしい駅ホームに、「SL大樹号」の転車台が似合います。列車が出発するまでの間、500系リバティや6050系の到着シーンを撮影しながら、時間を潰しました。

若者が多い日光東照宮

6050系の東武日光行きが到着しました。この電車に乗れば、ものの10分程度で目的地の日光中心部です。かなり山奥まで来ましたが、ここまで高規格の複線区間が続いています。それだけ、東武は古くから対日光輸送に力を入れてきたのでしょうか。

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▲東武日光駅にて(写真は東武・野岩鉄道6050系)

終点東武日光駅は巨大なターミナルになっていました。いくつものホームが並び、土産物店がひしめくさまは、まさにキングオブ観光地です。改札を抜けて駅前に出ると、日光市内を走っていた路面電車が保存されていました。

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▲東武日光駅前に保存されている東武日光軌道線200形

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これから日光東照宮に向かうため、路線バスに乗ります。バス停に着くと、ほどなくしてバスがやってきました。若者の観光客が目立ちます。神橋前でバスを降り、ここからは徒歩で東照宮境内を目指します。

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▲電話ボックスになったロープウェーのゴンドラ

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▲神橋と日光軌道線の橋台

赤い神橋のすぐ横に、路面電車の橋台が残っているというので、ついでに見ていきましょう。かなり昔に廃止された路線ですが、車両も遺構も残っているという、廃線跡ウォッチャーにはたまらない風景が日光にはあります。

ここからついに、徳川家康の墓所がある日光東照宮に入ります。まずは有料エリアを目指し、ひたすら歩き続けます。一時代を作った人物を祀るだけに、厳かな雰囲気が漂いだしてきました。

やがて輪王寺が見えてきました。券売所はここかと思いきや、まだ先にあるようです。ここにあるのは、輪王寺拝観のための券売所でした。この寺院も多くの観光客でにぎわっています。

それにしても、やけに若者グループが多い。どうやら首都圏から日帰りで、ここまで観光に来ているようです。もちろん、その中には大学の卒業旅行で来ているグループもいるでしょう。

こうやって見ていると、いくら自分も若いとはいえ、世代間ギャップを感じずにはいられません。もちろん、30歳はまだまだ若者の範疇!まだ老いぼれる年齢じゃありませんからね。同じ若者でも、世代差で価値観が違うということを書きたかっただけです。

木々に囲まれた参道を進むと、やがて小さな券売所が見えてきました。ここで1300円を払い、奥の有料エリアに進みます。ここから先には、有名な「三猿」や「眠り猫」といった、世界遺産・日光東照宮を代表する装飾や彫刻等があります。じっくり時間をかけて拝観しましょう。

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「見ざる 聞かざる 言わざる」でおなじみ、三猿はあっさりと見つけました。有名物件なだけに、若者グループは次々にスマホを向けて、大はしゃぎしています。お次は眠り猫を見るため、家康の墓所がある最深部に向かいます。

石段には継ぎ目がなく、一段一段、一枚岩が用いられて歩きやすいです。さすがは大御所様の墓所だけはあって、技術の粋が集められています。長い石段を上り詰めると、眠り猫がある最深部に到着。ちょっとわかりにくい場所にあるのか、見つけきれずに終わりました。

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東照宮のきらびやかな装飾を見たところで、もと来た道を戻っていきます。途中、三猿の近くで記念撮影のブースを見つけました。なんでも、スタッフが記念写真を撮ってくれるとのこと。旅の記念に撮ってもらいました。

帰り道も行きと同様、複数の若者グループに遭遇しました。はしゃぐ分には構いませんが、羽目を外しすぎると恥になることを忘れてはいけません。いくら観光地とはいえ、ここは宗教施設です。あの時バカ騒ぎした女どもには、後ほど家康公の雷が落ちたに違いない。

歩きながら日光駅に戻る

日光東照宮の散策を終えたところで、JR日光駅を目指し戻っていきます。行きはバスを利用しましたが、帰りは寄り道しながらの徒歩移動をとります。

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▲日本初のリゾートホテル「日光金谷ホテル

まずは日本最古のリゾートホテルとして名高い、日光金谷ホテルを見に行きました。

まず見た目からして、僕のような格安旅の人間が泊まるような場所ではないことが、一目で分かりました。あの気品ある外観には憧れます。いずれ、いずれの日にか泊まりたい!

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▲磐裂神社

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▲整備途中の旧日光市役所

バスで通った道を歩き続けると、ファミレスが見えてきました。そういえば、もうお昼じゃないですか。迷うことなく入店して、オーソドックスなランチセットを注文。

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▲日光軌道線跡をゆく東武バス

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そのまま自分の足で東武日光駅まで戻ってきました。これからJR日光駅に移動して、今市駅に向かいます。中途半端なルートですが、翌日を考えてこの選択をしました。

今日のうちに今市まで乗っておけば、翌日、今市から宇都宮まで行けば、JR日光線を完乗することになります。

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JRからの直通特急が東武日光駅に乗り入れる関係で、JR日光駅はローカル然とした雰囲気が漂います。その雰囲気とはまるで対照的な、高級感のあるレトロ駅舎に、時代の移り変わりを感じずにはいられません。

今市で二宮金次郎の墓を見に行く

やってきたのは205系を改造した観光列車「いろは」でした。改造で2扉になり、通勤電車から大きく生まれ変わっています。ボックスシートの座り心地は良く、このまま宇都宮まで乗っていたい気分でした。

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▲JR日光線205系「いろは」車内

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▲今市駅で途中下車(写真は205系いろは)

今市駅で列車を降り、東武下今市駅に向かいます。道なりに歩けば10分で到達できる距離ですが、たんに移動するだけじゃもったいない。何か今市らしいものはないかと地図を見ると、二宮金次郎の墓を見つけました。よし、さっそく見に行こうじゃないか!

駅前通りをしばらく進むと、左手に小さな小料理屋が見えてきました。入口に張り紙がしてあります。何やらでかい文字が書かれていますけど、ちょっと読んでみましょう。

「県外からの入店お断り」

どうやら、この店のオーナーは一年前から思考停止したままのようです。「自粛警察」と呼ばれる錯乱した人々が、県外ナンバーの車を破壊するなど、排他的行動に及んだのは2020年春ごろのことでした。残念ながら、この言動を支持する人はいまだに圧倒的多数を占めています。

人の動きや感染拡大を「0」にすることが、いかに非現実的で社会発展の邪魔になるか、今こそ再考の時期に来ていると思います。

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▲道の駅日光街道ニコニコ本陣

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▲日光仮面 参 上!

いったん路地に入って商店街を進むと、二宮神社の鳥居が見えてきました。ここが二宮金次郎の墓所に建立されたという二宮神社です。もちろん、境内には小学校でおなじみの像も鎮座しています。

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▲下今市駅に到着

二宮神社を散策してから下今市駅に向かいます。これから東武鬼怒川線に入って、今晩の宿がある鬼怒川温泉を目指します。素泊まりで4000円という、破格で泊まれる温泉宿を見つけました。今晩はゆっくりと温泉につかり、旅の疲れをいやそうという腹積もりです。

鬼怒川温泉でSL大樹号を撮影する

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再び6050系に揺られ、単線区間の鬼怒川線に入りました。谷は一層狭くなり、渓谷へと風景は変わっていきます。

移り変わる風景を、柔らかいボックスシートで過ごす。東武電車がこんなに旅情に満ち溢れ、そして快適なものだとは思ってもいませんでした。お尻が全然痛くないのですから。15時ごろ、鬼怒川温泉駅に到着。

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▲鬼怒川温泉駅に到着

旅館には17時のチェックインを予定しています。それまでの間、駅周辺で撮影することにしました。まもなくSL大樹号が出発するとのこと。到着早々、ビッグイベントが待ち受けていました。

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▲SL大樹号の牽引機C11-325号機

側線には真岡鉄道から来たC11-325号機が、ホームには14系客車が留置されています。SLの入換が終わり、大樹号の出発準備が整いました。複数の列車を撮影しながら、SLの出発を待ち続けます。

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▲鬼怒川温泉駅にて(写真は253系とSL大樹号)

鬼怒川温泉駅が一望できる陸橋にやってきました。ここからの眺めは素晴らしく、おまけに午後は順光です。SL出発後も1時間、ここで列車の発着シーンを収録しました。十分に満足したところで、今晩の宿に移動します。

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▲源泉「大滝の湯」

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渓流沿いに温泉街を進むと、今晩の宿「佳祥坊 福松」が見えてきました。さっそくチェックインのため入館すると、またここでも驚愕の張り紙を目にしました。

「マスク未着用を確認次第、退去してもらいます」

鬼怒川温泉駅前のコンビニもマスク強制でしたし、栃木県内ではどうやら、厳格な「過剰対策」が敷かれているようです。関東地方でいち早く自粛モードが解けたかのように見えましたが、精神的な自粛モードは相変わらずのようです。

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チェックインを済ませて自室に入り、大浴場に向かいました。残念ながら、朝は大浴場を開けていないとのこと。これも時短というものでしょうか?

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入浴後、部屋の外に出ることもなく、夕食を済ませて早々と就寝しました。温泉宿でここまで落ち着けなかったのは、間違いなく人生初です。この世の中が恨めしくてなりません。
~つづく~

撮影日:2021年3月19日
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