415系鋼製車「真のラストラン」 普通221M乗車記(折尾~福間)
その日は突然やってきました。
長年、関門トンネルの主として活躍してきた415系のうち、初期に製造された鋼製車が運行終了するというのです。終了寸前の告知に、多くのレイルファンが驚きました。それからというもの、連日多くのファンが沿線に押し掛けたのは言うまでもありません。
415系鋼製車は関門トンネルだけでなく、鹿児島本線・日豊本線・長崎本線でも使用されました。なかでも注目を集めたのは、西九州新幹線がらみで話題沸騰の長崎本線、それと日豊本線(大分地区)です。運行最終日の9月22日には大分駅でささやかな式典が行われ、西九州新幹線と共に話題を呼びました。
最後まで残った編成が次々に運用を終える中、Fo126編成が最後の運用に入ろうとしていました。この運用すなわち普通221Mは、下関から福間に向かう列車です。教育大前~福間間の最終列車を兼ねており、遠賀川付近で日付をまたぎます。福間で夜間滞泊のち、熊本行きになることで有名な運用でした。
この列車に乗ろうと思ったのは、思い付きというか気まぐれです。さあ寝ようと思った矢先、ふと221Mの運行状況が気になりました。これから自転車で赤間駅に行って、それから折尾まで上れば十分に間に合います。
思えば415系鋼製車には好んで乗ってきました。あのうるさいモーター音を収録することもありました。この思い付きを振り払えば、もうあの列車に乗ることは永遠にないでしょう。最後にもう一本動画を作ってみようと意を決し、赤間駅に向かいました。

▲あと数時間で西九州新幹線が開業する
これはすなわち415系鋼製車の営業終了を意味する
すでに深夜帯ということで、駅は静寂に包まれています。唯一つ例外なのは、駅周辺の居酒屋でした。店内から大声が聞こえてきます。飲み会で盛り上がっているのでしょう。
自転車を置いて改札を抜け、上り列車で赤間を離れます。やってきたのは、座席を間引いていない昔ながらの813系でした。いつの間にか、この手の車両はレアな存在と化しています。
折尾駅でいったん改札を抜け、それから1分もしないうちにホームへと戻っていました。深夜の折尾駅ですることは無いですし、おまけに221Mが来るまであと数分しかありません。
221Mが来るホームに上がり、収録機材の最終チェックを済ませておきます。いざ来てから慌てるのは良くありません。機材を用意し終えると、ほどなくして遠くから光が迫ってきました。

▲これから乗車する普通221Mは教育大前~福間間の最終列車だ

▲福山レールエクスプレス

▲折尾駅に停車中の415系221M
車体に錆びを浮かせたFo126編成が折尾駅に到着します。車内にレイルファンの姿は少なく、大半が一般利用者でした。折尾では2分停車すると聞き、その時間を利用して車両外観を撮ることに。

▲415系Fo126編成の前頭部

▲折尾駅で2分停車する

▲錆びついた車体
撮影を終えて車内に戻り、これから終点・福間駅に移動します。赤間に自転車を置いたままですが心配は無用!数分の接続で最終赤間行きに乗車できます。
415系はMT54モーターを鳴らしながら、暗闇の鹿児島本線を下っていきます。
乗客はみなグッタリとして、どこか気だるい雰囲気がありました。この日は木曜日でしたが、翌日が祝日ということで平日最終日にあたります。いかにも金曜日の終電らしい雰囲気が漂っていたのは、きっとそのせいでしょう。

▲くたびれたロングシート

▲いかにも分オイらしく大分地区の路線図が掲載されている
列車は30分かけ終点福間駅に到着しました。ラストランらしさはなく、折尾からここまで終始日常そのものでした。数人のレイルファンとともに降り立ち、ホームでFo126編成を目に焼き付けます。
福間駅で与えられた時間は10分程度でしたが、赤間行き最終が数分遅れたことで、撮影時間はおのずと延びました。
まずは赤間に行くためいったん改札を出て、それからホームに舞い戻ります。撮影者は僕を含めてわずか3人だけでした。大勢の人でにぎわった大分地区や肥前山口とは対照的です。

▲福間に到着して40年近い使命を終えたFo126編成
冒頭でも書いたように、この列車は通常福間で夜間滞泊をします。しかし、この日はもう福間に留まりません。方向幕はすでに「回送」を示してしました。

▲415系と787系回送の並び
いかにもダイヤ改正前夜らしい光景がみられた
いかにもダイヤ改正の前日らしく、この日の夜は多くの回送列車が行きかいました。博多方面から787系の回送列車が到着。わずかな停車時間を経て、小倉方面に消えていきました。

▲これから回送列車として福間を離れる
従来はここで夜間滞泊していた

▲錆びついた前頭部が痛々しい
Fo126編成は貨物列車を一本やり過ごし、回送列車として博多方面に消えていきました。福間で一晩過ごす415系を見ることはもうありません。遠ざかる昭和を感じながら、赤間行きが来るホームに移動します。

▲9/23改正で東福間~赤間の終電が30分繰り上がる
宗像市民は地味にJR-Qから冷遇されている
これから乗車する最終赤間行きも、今回のダイヤ改正で消える列車です。正確にいうと福間行きに短縮される形になり、そのため、東福間~赤間間の最終列車が30分繰り上がります。
宗像市民は何かと割を食うなと苦笑しつつ、最終赤間行きに乗りました。
▲今回収録した動画です。
高評価&チャンネル登録お待ちしております!
撮影日:2022年9月22~23日
長年、関門トンネルの主として活躍してきた415系のうち、初期に製造された鋼製車が運行終了するというのです。終了寸前の告知に、多くのレイルファンが驚きました。それからというもの、連日多くのファンが沿線に押し掛けたのは言うまでもありません。
415系鋼製車は関門トンネルだけでなく、鹿児島本線・日豊本線・長崎本線でも使用されました。なかでも注目を集めたのは、西九州新幹線がらみで話題沸騰の長崎本線、それと日豊本線(大分地区)です。運行最終日の9月22日には大分駅でささやかな式典が行われ、西九州新幹線と共に話題を呼びました。
最後まで残った編成が次々に運用を終える中、Fo126編成が最後の運用に入ろうとしていました。この運用すなわち普通221Mは、下関から福間に向かう列車です。教育大前~福間間の最終列車を兼ねており、遠賀川付近で日付をまたぎます。福間で夜間滞泊のち、熊本行きになることで有名な運用でした。
思い付き程度の気まぐれよ
この列車に乗ろうと思ったのは、思い付きというか気まぐれです。さあ寝ようと思った矢先、ふと221Mの運行状況が気になりました。これから自転車で赤間駅に行って、それから折尾まで上れば十分に間に合います。
思えば415系鋼製車には好んで乗ってきました。あのうるさいモーター音を収録することもありました。この思い付きを振り払えば、もうあの列車に乗ることは永遠にないでしょう。最後にもう一本動画を作ってみようと意を決し、赤間駅に向かいました。

▲あと数時間で西九州新幹線が開業する
これはすなわち415系鋼製車の営業終了を意味する
すでに深夜帯ということで、駅は静寂に包まれています。唯一つ例外なのは、駅周辺の居酒屋でした。店内から大声が聞こえてきます。飲み会で盛り上がっているのでしょう。
自転車を置いて改札を抜け、上り列車で赤間を離れます。やってきたのは、座席を間引いていない昔ながらの813系でした。いつの間にか、この手の車両はレアな存在と化しています。
折尾駅でいったん改札を抜け、それから1分もしないうちにホームへと戻っていました。深夜の折尾駅ですることは無いですし、おまけに221Mが来るまであと数分しかありません。
深夜の折尾駅で221Mを待つ
221Mが来るホームに上がり、収録機材の最終チェックを済ませておきます。いざ来てから慌てるのは良くありません。機材を用意し終えると、ほどなくして遠くから光が迫ってきました。

▲これから乗車する普通221Mは教育大前~福間間の最終列車だ

▲福山レールエクスプレス

▲折尾駅に停車中の415系221M
車体に錆びを浮かせたFo126編成が折尾駅に到着します。車内にレイルファンの姿は少なく、大半が一般利用者でした。折尾では2分停車すると聞き、その時間を利用して車両外観を撮ることに。

▲415系Fo126編成の前頭部

▲折尾駅で2分停車する

▲錆びついた車体
撮影を終えて車内に戻り、これから終点・福間駅に移動します。赤間に自転車を置いたままですが心配は無用!数分の接続で最終赤間行きに乗車できます。
415系ラストランは日常そのもの
415系はMT54モーターを鳴らしながら、暗闇の鹿児島本線を下っていきます。
乗客はみなグッタリとして、どこか気だるい雰囲気がありました。この日は木曜日でしたが、翌日が祝日ということで平日最終日にあたります。いかにも金曜日の終電らしい雰囲気が漂っていたのは、きっとそのせいでしょう。

▲くたびれたロングシート

▲いかにも分オイらしく大分地区の路線図が掲載されている
列車は30分かけ終点福間駅に到着しました。ラストランらしさはなく、折尾からここまで終始日常そのものでした。数人のレイルファンとともに降り立ち、ホームでFo126編成を目に焼き付けます。
福間で夜間滞泊することはもうない
福間駅で与えられた時間は10分程度でしたが、赤間行き最終が数分遅れたことで、撮影時間はおのずと延びました。
まずは赤間に行くためいったん改札を出て、それからホームに舞い戻ります。撮影者は僕を含めてわずか3人だけでした。大勢の人でにぎわった大分地区や肥前山口とは対照的です。

▲福間に到着して40年近い使命を終えたFo126編成
冒頭でも書いたように、この列車は通常福間で夜間滞泊をします。しかし、この日はもう福間に留まりません。方向幕はすでに「回送」を示してしました。

▲415系と787系回送の並び
いかにもダイヤ改正前夜らしい光景がみられた
いかにもダイヤ改正の前日らしく、この日の夜は多くの回送列車が行きかいました。博多方面から787系の回送列車が到着。わずかな停車時間を経て、小倉方面に消えていきました。

▲これから回送列車として福間を離れる
従来はここで夜間滞泊していた

▲錆びついた前頭部が痛々しい
Fo126編成は貨物列車を一本やり過ごし、回送列車として博多方面に消えていきました。福間で一晩過ごす415系を見ることはもうありません。遠ざかる昭和を感じながら、赤間行きが来るホームに移動します。

▲9/23改正で東福間~赤間の終電が30分繰り上がる
宗像市民は地味にJR-Qから冷遇されている
これから乗車する最終赤間行きも、今回のダイヤ改正で消える列車です。正確にいうと福間行きに短縮される形になり、そのため、東福間~赤間間の最終列車が30分繰り上がります。
宗像市民は何かと割を食うなと苦笑しつつ、最終赤間行きに乗りました。
▲今回収録した動画です。
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撮影日:2022年9月22~23日
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